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バグ出しはプログラムの知識があったほうがいいよという話

このようなエントリーが。

ゲームのバグだしについて考える。

レースゲームでバグを出す話

私もだいぶ前ですが、バグチェックの仕事をしていたことがあるので、こういったものも懐かしい思い出です。このブログでも前から語っていますね。

ゲームでよく発生するバグの種類について
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うちでも以前から語っていますが、バグチェックにもスキルがいるということ。いや、ある程度の段までなら、素人が普通に遊んでいる段階でも発見できるのですよね(文字表記や、頻発するものなど)。

だけど、ある程度の段階になると、「なんとなくこうすれば出るんじゃないか」ってものがわかってきて、且つそれがわからないとなかなかでないってものもあるのですよ。それはもちろんバグ潰しの経験で培われるものでもありますが、私の場合はもうひとつ、それを出すために得ていたスキルがあります。それはプログラミングの思考。

 

私はこのバグチェックの仕事をする前に、仕事としてプログラムをしていたことがあるのですが、そこでの経験が生きています。プログラミングといっても、その大本の思考はさほど変わるわけではありません。要は命令→処理→実行なのですから(まあ中には特殊な処理をしている場合もありますが、そんなの少数だろうし)。まあそのここの状態によってどんな命令が下されているか、そしてどんな処理が行われるかというののある程度察しがつくわけですよね。例えば読み込みのタイミングとか、そこで処理が集中するだろうから、ここで負荷(ボタン押しなど)を与えると止まりやすいとか、ここでデータ(変数)が書き換わるけど、それが正常に行われているかとか。その他ここは順当に進めればこういう処理をするだろうけど、こういった例外を加えても大丈夫か等々。

もちろん、どんな言語で書かれているか、どんなルーチンになっているかを細かく知る必要は全くありません。つまり予想できればそれで十分なのですよね。書き方ではなく「考え方」があればいいので。そしてそういったもので、実際に発見したものも多数あります。

つまり、ものすごく贅沢な環境を用意できるのなら、バグチェック舞台の中にプログラマを何人か混ぜておくってのが最良だと思うのですよね(全員だと、逆に偏るからダメでしょうが。あ、デモそうなるとタイトルは『バグ出しはプログラムの知識がある人が混じっていたほうがいいよという話』のほうがいいかな)。

 

ただ、最近は(過去にも書いているように)どうも「素人に遊ばせておけばバグはとれる」という変な思考が現場ではないところであるような気がするのですよね。それは危険でしょう。ちなみに最近、Wiiのソフト(『零』)でもバグが出てしまったようですが、あの任天堂でさえと思う感じです。これは機種の複雑化によるものなのか、それともスキルがどんどん失われているのか(プログラマあがりの岩田社長なら、その辺は絶対にわかっていると思うのですが)。とりあえず、これからは起こして欲しくないなと思いますね。

そもそも品質管理って一番大事なところなのに、なんでことゲームにおいてはないがしろにされがちなのかがよくわかりません。そういう「バグは仕様」的な悪しき歴史で来てしまったからなのかなあ……

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