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ゲームのというか娯楽の相対的価値は昔より下がっているのかもという話

『忙しくてゲームをやる時間がない』

なんてセリフは、おそらくほとんどの人が耳にした、もしくは自分で感じていることだと思います。

私と同じ世代の昭和50年代生まれの方なら、特にそれを実感していると思います。すなわち、忙しくてゲームをする時間がないという。

 

ただ、この「忙しい」という言葉はあまりにも広く、仕事で「忙しい」というほかにも他の行動で時間を取られる場合も「忙しい」というものがあると思います。それはすなわち家庭だったり義務、任務的なこともあります。故に、ゲームをする時間がそれらの時間に割かれてしまい、昔よりゲームをしなくなったと。

まあこれはわりと言われていることですよね。

 

で、そこで思ったのは、もし我々が現代に子供に戻ってその通りの生活をしてもはたしてゲームに割く時間は同じなのか?ということ。おそらく『NO』のような気がします。

というのはあまりにもゲームと競合する娯楽が多いからです。

 

「忙しい」というのは娯楽の場合にも言えます。すなわち前の文章で言い直すと『(ゲーム以外のほかの娯楽で)忙しくて、ゲームをする時間がない』というものです。

娯楽の例をあげればきりがありませんが、ある程度の傾向に分けられると思います。それはインドアとアウトドアみたいに、行動として分類できるもの。

 

さて、それではゲームと競合する娯楽というのはどういうものなのでしょうかと考えたとき、これが結構広い。というのは「操作する」「見る」「読む」「聞く」という要素はどれもゲームにあると思われるからです。ということは、ソフト次第で「マンガ」「アニメ」「映画」「テレビ」「パソコン」「読書」「音楽鑑賞」etc…とかなりのものと重なると思うのです。
(すごーく広く取れば「スポーツ」も身体を動かすという意味で入れられ無くないですが、ちょっと無理があるかな?)

つまり今、私が子供だとしても、他の優先順位の高い娯楽に埋もれてしまい、ゲームまではなかなか手が届かないと思うのです。おそらく今の例で言えば、ゲームの時間の半分はネットになっていたでしょう。

 

さらに、ゲーム自体、そしてそれらの競合するものにおいてもあまりにもソフト(広義の意味。例えばマンガもソフトとする)が多すぎになってしまったような気がします。

昔はゲームの種類というものは限られていました。それこそファミコン時代は月に数本しか出ないカセットを、それも多くは変えないので「貸しっこ」(持ってるソフトの一定期間トレードのウチの地元での呼び名)してしのいだものです。そしてそれだけを熱中して何時間も何日もやったものです。もっとも高橋名人じゃありませんが、多くの家では友達がいるとき以外は1日○時間といった制限が設けられていましたけどね。

「あの」スペランカー、そして『たけしの挑戦状』といった今で言えばクソゲーも、せっかく手に入れたのだしなんとしても解こうということで頑張ったものです。でも、今なら途中で投げ捨て、他の娯楽に走るでしょうね。

アニメもそうですよね。昔は追い切れるほどしか放送されてなかったのに、今は全く追い切れない。おそらく週に放映されるアニメ全部を見ている人なんて希でしょう。

 

つまり何が言いたいのかというと、昔はあるひとつの娯楽>時間であった価値の点数が、今は完全に逆転して、時間>娯楽となってしまったように感じるのです。それは個人の成長による時間の減少という部分を差し引いても。

実際、あらゆる方面……ゲーム、アニメ、本においてソフトが売れなくなってきたというのはその娯楽価値の低下にあると思うのです。つまりは「供給過多」ですね

この場合、市場原理では「需要」を増大させるか、「供給」を減らすかどちらかが適正の道に戻す方法ですが、だからといって市場原理的に売る数を絞れと言うわけにはいきませんから、やはり弱肉強食となるんでしょうね。ただ、あまりに数が増えすぎているために「強」が作品のおもしろさではなくて、広報的な強さになる危険性はあると思いますが。(これはまたの機会に掘り下げたいです)

 

さて、娯楽全体の争いとして見た場合、かなりゲームというものは不利な状況だと思います。最近では「ゲームから離れた人を取り戻す」ということがよく言われますが、それはこういった他の娯楽とのレースを勝ち抜くため、必要と思えるのです。その試みが成功して、なおかつライトな域から踏み込んでくれる人がいれば万々歳ですが。

ただ、ほかの娯楽産業も同じように人を引きつけて生き抜くための手を打ってくるでしょう。それが娯楽全体を向上させるものであることを期待します。

 

ちなみに一番危険なのはこれらの見えない敵を認識せず、外部的要因(レンタルやらネット配信やらP2Pやら)「のみ」に売り上げ低下の責任を押しつけて本質を見ないことかもしれません。特に音楽CDは。

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