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ワゴンにもおもしろいゲームソフトが存在する可能性は高い

夏休みやクリスマス商戦の終わり頃、売れ残ったソフトがワゴンで売られるという現象はよく見かける光景ですね。そうなってしまったのは、大ざっぱに言えば、需要に対して大幅に供給が多かったからです。つまり用意した量を買う人がいなかったと。

ただ、このワゴンを積んでいる店がその過剰供給、つまり仕入れをしすぎて損をしている可能性もありますが、そうでもない可能性もあります。すなわち、どこか(製造元、問屋など)が抱えていたものを超安値で放出し、仕入れ自体でほとんど損をしていない可能性もあるからです(とっておくだけでも、税金的には在庫も資産として計上されるので、タダ同然でも手放したほうがいいという場合はあります)。昔、某流通Dが潰れた時に、そこの在庫があちこちの店で大量に安売りされたことがありますしね。

まあそんな生々しい話はともかくとして、これらのワゴンというのは、イメージ的にクソゲーの代名詞みたいにとらえられがちです。しかし、実際にワゴンから購入している人はわかるでしょうが、必ずしもそうではないわけです。

 

前述の通り、ワゴン行きというのは、需要に対して供給が多いことから起きるものです。つまりそれは比率があれば、需要(供給)の数が大きくても少なくても起こりうるわけです。ですのでその中には、ほとんど売れていないようなゲームもあれば、それなりに売れたのに、供給量がそれ以上だったために、余ってしまったようなゲームもあります。

ただ、これらの中には、「おもしろくないから売れない」のではなく(もちろんそういうものも多々ありますが)、「それなりにおもしろく、まあまあ売れたけどそれ以上に作りすぎた」「おもしろいけど広告など知名度不足により売れなかった」「人によって評価が著しく分かれるもので、会わない人には売れなかった」「おもしろいけど、時機を逸してしまった(ワールドカップ後のサッカーゲーム、アニメ放映終了後のキャラゲーなど)」というものも混じっているわけです。

 

たとえば、『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』という、ナムコからPS2で発売されたRPGがあり、やった人からの評価はわりと高いのですが、いかんせん同時期にFFXなどがあったため、またナムコのRPGはテイルズシリーズ以外知名度があまりなかったため埋もれてしまい、ワゴン行きとなりました。いいゲームだと思うのですけどね。

あと、カプコンのシリーズものとして有名なものの最新作『ブレス オブ ファイア V ドラゴンクォーター』というのがあります。これは、今までの王道的な殻を破るべく、様々な新しいシステムが導入されているという意欲作です。また崎元仁氏の音楽もよく、熱心なファンからは高い評価を得ていますが、いかんせん最初がとっつきにくく難しいために、売り上げ的には下がってしまいました。しかしシリーズものであり供給量が多かったため、ワゴン行きとなりました。

これは今になって再評価すべきかと思います。

スクウェアでも『サガ』シリーズは昔からはまりこむ人とそうではない人の落差が激しく、一時期ワゴン行きとなることがありますね。それとFFシリーズでも、発売から時間が経つと、あまりの供給量の多さにワゴンに行くことがあります(もっともこれはRPGであるが故に、中古に流れるものもあり、それとの考慮で安くなりやすいってのもあるでしょうが)。

 

そして、私がこのブログでよく推薦している『天地創造』も、ワゴンに入っていました。というのは当時はSFCからPSやSSへの移行期で、SFCのソフトは早々に撤収となっていたのですよね。あと、当時エニックスの知名度が、ドラクエ以外ではかなり低かったというのもあります。それと、当時はソフトの値段が高騰し、SFCソフトが1本1万円とかになっていたせいもあるでしょうね。故に『天地創造』はその出来にかかわらず、いまいち知る人ぞ知るソフトに落ち着いてしまったところがあると思います。その意味でも、ハード末期のゲームというのは名作でも見落としやすいので、その意味でも結構注目しています。

■参考

ハード末期に名作ソフトが生まれる理由
ファミコン以来、ひとつのハードには発売と同時のロンチタイトルを皮切りに、数多くのソフトが発売されます。その中には名作、良作からクソゲーまで出来の差があるのも言うまでもないでしょう。

 

そんなわけで、ワゴン=クソゲーではないと思うのですよ。そもそもクソゲーってのは多くの場合、流通量が少ないものですよ。それは店もさすがに発売前にその危険を察知して、発注を控えるケースが多いでしょうから。でも、そこをかいくぐって出てきたものがワゴンに並ぶことも多いので、そういうイメージがついてしまったのでしょうね。

だからといって、評価をそのイメージにしてはもったいない。もしかしたらそこから自分にとっておもしろいものが見つかる可能性はあるのですから。 リンク先で積まれているゲームがおもしろいかどうかは、やってみないとわかりませんが。まあ値段的に、「お料理レシピ」を買おうとしてまだだった人の受け皿にはなるかもしれませんが。

 

どっちにしても供給に対して需要が少なかったため、その分供給に費やした製造費が圧迫して、メーカー(と問屋や店)にとってはワゴンはありがたくない状況でしょうが、評価する機会が生まれたと思ってプラスにとらえるしか。

ま、最近よく語っているように、売り上げが発売週集中ではなく、評価が見定まってきてからの長期型になれば、こういったワゴン問題も少しは解消されると思うのですけどね。

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