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アナログ放送停波は次世代ゲームハードにどう影響を与えるか

 『ハード5年周期の法則』というのはよく言われています。それは家庭用据置機はだいたい5年で次の世代のハードと入れ替わるというものですね。1983年のファミリーコンピュータ誕生から、1990年のスーパーファミコン、1994年のプレイステーション、そして2000年のプレイステーション2ときて、2006年のPS3とWiiにつながりますから(X360は1年前)、今でもその法則はだいたいあっていると言えます。
 となると、次は2011年か、2012年あたりに次世代機ラッシュが訪れるはずですが、この2011年には、ゲーム機は今まではあまり考える必要の無かった壁に当たると思われます。その2011年にあるものとは「アナログ放送停波」。
 多くの方がご存じの通り、2011年7月には、テレビにおける現行のアナログ放送は停波して、デジタル放送へ移行します。あと3年ちょっとしかないのに微妙な普及率で本当にうまくいくか? ということもよく言われていますが、この話も含めて今、次世代のゲームハードを開発しようとしている人たちは、かなり悩んでいるのではないでしょうか。
 現在、ほとんどの人は据置型ハードでゲームをするときは、テレビにつなげてプレイをしているでしょう(まあ私みたいにPC用モニタにアップスキャンコンバータをつけている人も中にはいると思いますけど)。となると、テレビの変化はゲームハードにとっても無視できないものとなるのです。しかし、デジタル移行はチューナーの問題だから、それほど関係ない、と思う方もいらっしゃるでしょう。ところが、問題はそこではなく、この移行により多くの人がどんなテレビを持つか、というのポイントなのです。
 例えばWiiはコンポジットが付属してします。これは未だ多くの家庭では、コンポジットしかないテレビなのですよね(さすがにコンポジット端子もない直付けはあまりないでしょうが)。しかしPS3でもわかるように、現在はS端子、D端子、そしてHDMI端子と、その上のスペックを持ちうる端子が付属しているテレビが多く出ています。問題は、これのどこに標準をあわせるか、だと思います。
 まあ、最低のコンポジット端子にあわせれば、外れはないでしょう。しかし、それは次世代機になっても画質がそれレベルで縛られるということにもなりかねないのですよね。つまり現在のPS3以上の画像再現スペックのものが出たとしても、コンポジットじゃ意味がなく、売りにならない。なら、多少下を切り捨てても、その上、つまりHDMIを標準にするということも考えられます。
 そこでさきほどの普及率とのかねあいです。もし、HDMI端子つきのテレビが、買い換え需要で増加していればいいでしょう。しかし、テレビの移行がさして進まなければ、「(デフォルトでは)現在のテレビでは出来ないゲーム機」が売り出されてしまうわけです。そうすると、ライバルハードの動向次第では、シェアが低くなる可能性も否定できません。
 
 互換を保つときは、下位の技術が足かせになる場合も多々ありますが、画像面でもそんな感じではないでしょうか。だから今の次世代ハード開発陣は、このデジタル放送の移行(正確に言えば、それにともなうテレビの売れ行きかな)について、かなり注目していると思われます。
 
 さて、今年の夏、北京五輪でのテレビ買い換え需要が盛り上がり、一気にデジタル対応テレビへの買い換えが進むか、それとも思ったほど売れないかがひとつのポイントだと思います。それ次第で次のハードの仕様に少なからず影響を与えるのではないでしょうか。ちなみに次は2年後のW杯だけど、ある意味W杯に日本が出場するかどうかでも次世代ハードに影響するかも。(おまけに言えば、5000円チューナーが出るかどうかでも変わると思う)。
 まあ、意外かもしれませんが、こんなとこでも次世代機に影響があるかもということで、これをふまえて注意深くデジタル放送への移行の成否を見守ってみてはどうでしょうか。

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