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DSiは「枯れた技術の水平思考」を受け継ぐものなのか

 DSiが発表されて、話題になっています。
 ■ニンテンドーDSi
 ■いち早く新型モデル”ニンテンドーDSi”を写真で徹底解剖
 ただ、市場ではあまりこれに対しての声は、やや厳しい感じがします。何故か。おそらく一番の理由は「別にカメラも音楽プレイヤーも、もっといいものが携帯とかであるじゃん」ということでしょうか。つまりDSiに搭載されるよりはるかに精度のよいカメラはデジカメだけではなく携帯にもついてますし、音楽プレイヤーも同じような価格で、小型かつmp3も使えるiPodが買えてしまいます(DSiはAACのみらしい)。故に、今さらそれらをつけられたところで、目新しさを感じない、というのところが、新型ハードにしては失望されている理由なのでしょう。少なくともゲームボーイアドバンスの時は、コンパクト&バックライト&充電という利点がありましたし、DSでもタッチパネル2画面は斬新だったので、それに比べるとどうしても見劣りするのは否めません。
 ただ、これを出したのが任天堂であるということは、この発表だけでこれを見放すのには早すぎると考えます。それは任天堂には「枯れた技術の水平思考」という哲学があるから。
そして、このハードもそれに乗っ取って作られている可能性があるからです。
 現在、携帯電話はほぼまんべんなく普及し、新機種も新しい要素がなくなってゆき、頭打ちとなっているような気がします(iPhoneもそんな大騒ぎするほどではなかったですし)。あまり調べていないのでよくわかりませんが、おそらくその部品も余り、昔に比べたらだいぶ原価が安くなってきているのではないかと。そしてカメラも同じではないでしょうか。
 となると、任天堂はこれに目をつけて、カメラなどを採用したのではないかと思えるのです。それはかつて、電卓競争の煽りで液晶が余ったことからゲーム&ウォッチが生まれたりしたように。
 こう考えるとと、このDSiも「枯れた技術の水平思考」の延長線上にあると考えることも出来るのではないでしょうか。つまりカメラは写真機として使うのではなく(前述のようにカメラで対抗したら、携帯に負ける)、新しい可能性、たとえばカメラを使ったゲームのためについているものだと。
 また、安かったから、そのうち面白いことが出来るかもしれないとあまり考えなしにつけたといわれるゲームボーイの通信コネクタが、後にポケモンで大爆発するように、今は誰も思いついていない可能性もありますね。
 こう考えると、「なんだ低解像度のカメラか」と切って捨てるにはまだ早いと思います。これから出るカメラを使用したソフトのおもしろさ次第では、大化けする可能性はありますし。それは、DSが停滞していた初期、タッチパネルを最大限に生かした脳トレなどで大化けしたように。
 ただ、弱点……というかよくわからない点があります。このDSiの位置づけというのが、本当にGB→GBAのように、新ハードのつもりなのか、それともGBA→GBASPのように、大きく変わってはいるもののマイナーチェンジのつもりなのかがよくわからないのですよね。
 前者だったなら、これはDSの名を冠してはいるものの新しいハードなので、カメラ専用のゲームをどんどん出してくるでしょうし、それをプレイするためにDSiを購入する人が増えるでしょう。しかし後者ならば、あくまでDSのマイナーチェンジとなり、ソフトはほとんど既存のDSのものしか出ない。もしくはユーザーにもそれはDSの範囲内と見られてしまい、DSi独自のゲームがほとんど出せないことにならないかと。
 こう考えるとDSiの敵は、すでに普及しきっているDSがそのものかもしれません。だから、もしこれを普及させるつもりなら、専用ソフトをハードの発売と同時に売り出す必要があるんじゃないかなあとも思うのですが。
 ちなみにこのDSi専用ゲーム、どんなのが出来るかというのをちょっと考えてみると、一番に思いつくのは、撮影した写真を何らかの基準で得点化して、それをゲームに持ち込むとか。コンセプトとしては、昔子供達の間で流行った「バーコードバトラー」的なものですね。まあ、得点化の基準とかそのへんが難しいでしょうが。
 まとめると、これが「枯れた技術の水平思考」の元に作られているかどうかは、すべてこの先に出るソフトが決めるのではないかと思います。願わくば、携帯やiPodにまともに挑むような、横井思想とは逆に行かないことを望みます(まあそれで天下を取れればいいですが、限りなく難しいでしょうし)。
 あと、最後になりますが、このDSiにおいてはカメラばかりが注目されていますが、個人的には任天堂の主な目的はむしろ「ニンテンドーDSiウェア」ではないかと思っているのですよね。これ、「バーチャルコンソール」や「Wiiウェア」を携帯機版にした感じですし、うまくいけば理論上は、今までDS、そしてゲームボーイアドバンスで動いたようなソフトならば、全部ダウンロードで提供されることが可能だと。つまりはこの一台にファミコン、スーファミ、ゲームボーイ&アドバンス、DSといったもので出た多くのソフトを遊ぶことが出来るようになるかもしれないのです(操作系の問題で、64は難しそうですが)。
 もしかしたら任天堂はこれを利用して、音楽業界のAppleのような、ゲーム界のダウンロード販売の王座も狙っているのかもしれないなんて想像したりします。

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