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ゲームにおいての複数種類特典は百害あって一理なし

先日、話題に最後に出しましたが、レベルファイブで前作が評判だった『レイトン教授と不思議な町』の続編『レイトン教授と悪魔の箱』が発売されます。

レイトン教授と悪魔の箱 特典 「レイトン教授マスコットフィギュア」または「ルーク少年マスコットフィギュア」付き(※2種類のうち、いずれか1つがランダムで付きます。選ぶことはできません。)

※2015/12/29追記:現在では名前が変わっています

やけに長い名前表示ですが、まあこれは何をいわんやとすると「特典は数種類あるけど、買ってもついてくるのはそのうち1種類だけだから注意してね」ってことですね。

昔からこの「複数種類特典」ってのはありました。それはメーカーが行うこともあれば、ショップがそうすることもあります。しかしながら、現在のゲーム市場においては、この売り方というのは最悪の方法となっているのではないでしょうか。それはユーザーだけではなく、メーカーにとっても。今日はそれの理由について挙げてゆきたいと思います。


さて、これを見た人はどう思うでしょうか。

まず、特典に興味がない人は、あってもなくてもスルーします。これはプラスにもマイナスにもなりませんね。そして特典に興味がある人がこれを見た場合、何と思うでしょうか?ここは「ああ、特典があるんだ。そしてどっちかがもらえるんだ」とプラス寄りに思う人、そして「え~、2種類もあってどっちかしからえないの?」とマイナスに思う人の2通りがあるでしょう。しかし、この場合人間の心理的に、プラスよりマイナスの方が目立ち、圧倒的に後者の方が多くなるのではないでしょうか。しかも、プラスのほうでも「そしてどっちかがもらえるんだ」の部分はプラスには成り得ません。せいぜい変動なしでしょう。

そしてマイナスに思った人はこう思うでしょう。「全部揃えるために2つ買わせる気が?」と。人間の心理として、「無ければ欲しないけど、あるなら欲する」というものがあると思います。すなわち、もし1種類だけならもらってマイナスになることはありませんが、もし2種類合ったときには、もらえないマイナスの方が、1つもらったプラスを上回ってしまうのです。これは、特典つき限定版ソフトとなしソフトが同じ値段の時、どっちが売れるかを見れば一目瞭然ですね。これはメーカーにその意思があってもなくても同じです。どう見られるって話ですから。

たしかに、こういった複数購入特典で、全種類が揃うまでソフトを買うコアなユーザーも存在します。しかしそれは現在だとごくごく一部で、且つそういったユーザーはキャラもの(ギャルゲー)などの場合がほとんどです。実は私もかつては同じものをショップ特典が違うからと言って2つ買ったことがありましたけどね。

 

ということで、この方法は本来特典をつけることによってプラスになるはずの層に対して、かえって反感を植え付けてしまっているのではないのでしょうか。

とはいえ、これがコミックなりトレカなり単価が安いものだったらまあぶつくさ言われながらも許容されたかもしれません。しかしこれはゲームソフト、1本4000円以上するものです。それを複数同じものを買う行為をさせていると思わせるのは、大きなマイナスではないかと思うのです。
さらに、今回はショップ特典みたいに買った場所で決まっているのではなくて、ランダムです。これは下手をすると2個以上買若ければいけない可能性もあるわけで、反発も大きいでしょう。

しかし何故、製造の手間をかけてまで2種類作ったのかどうかは疑問です。

それらに加えて、『限定版という言葉の訴求力がなくなる時』でも書きましたが、現在ではその限定特典商品だけが流れるルート、すなわちヤフオクなどの市場が広くなっています。ということは、そういった商品目当ての人がいたとしても、ソフトを2本買うという選択肢ではなく、こういったヤフオクを選ぶのではないかと。特典の方が料金が高くなることなんて滅多にないですしね。

限定版という言葉の訴求力がなくなる時
以前『限定版はシリーズ全体を殺すか』でも触れたこととちょっと被るのですが、それについて書こうと思います。

 

ということで、この複数特典というのはゲーム市場においてはもうマイナスでしかないと思うのですね。それこそユーザーが待ち望んで仕方がないというソフトならばそれを振り払える力があるかもしれませんが、そんなソフトがあるかどうか……さらに、そういうソフトはそんなことをしなくても売れますし。

まあ、もしかしたらショップ側の事情とかいろいろ間に挟まれてのやむなき事情もあったのかもしれませんけど(ですのでメーカーを責められない場合も存在しますので注意)。

しかしメーカーにしてもショップにしても、昔とは流通や周辺事情も大きく変わった現在、そろそろ特典というもののあり方について、根本的に考え直した方がいい時期にさしかかっているのではないかと思います。

 

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