前回は1994年から1996年に発売されたゲームハード、すなわちPS、SS、N64時代のロンチタイトルとその周辺状況について書きました。
今回はその後、1998年から2002年までに発売されたゲームハードのロンチタイトルやその周辺について書きます。今回より携帯ゲーム機の存在感が非常に大きくなってきます。
ゲームボーイカラーのロンチタイトル
1998年10月21日発売。ゲームボーイの上位互換であり、完全な新ハード&そのロンチタイトルと言えるのか悩みましたが、ゲームボーイとはかなり性質の異なるものなのでここで書いておきます。
・ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド(エニックス)※9月25日
・グローカルヘキサイト(NECインターチャネル)
・テトリスDX(任天堂)
・ワリオランド2 盗まれた財宝(任天堂)
ロンチソフトは3本ですが、実は本体発売の一ヶ月前に出た『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』が発売前のソフトなのに対応していたという点がおもしろいところです。この時代でのドラクエブランドの存在の大きさもありますね。
ここから年末までに30本近くものソフトがリリースされることになります。それは、1996年に発売したポケモンのヒットで、携帯機がその存在感を増していたことが大きいでしょう。以前までは携帯機は据置機に比べて亜流的な扱いでしたが、これ以後存在感が非常に大きくなります。
ネオジオポケットのロンチタイトル
1998年10月28日発売。ロンチタイトルは6本。価格は7,800円。
・キング・オブ・ファイターズR-1(SNK)
・ネオジオカップ’98(SNK)
・ベースボールスターズ(SNK)
・ポケットテニス(夢工房)
・連結パズル つなげてポンッ!(夢工房)
・めろんちゃんの成長日記(ADK)
社名はいろいろありますが、すべてSNK系列。
当時、3D格闘に押され気味になっていたとはいえ、SNKの格闘ゲーム、中でもKOFシリーズは根強いファンを持っていたので、それのシリーズ移植がメインと言えます
ただこのハード、画面が白黒だったのですが、その一週間前にゲームボーイがカラー液晶を採用している上にゲームボーイソフトと互換のあるゲームボーイカラーを出してしまったこと、
さらに発売当初からそ5ヶ月後(1999年3月19日)にネオジオポケットカラーを出すという話が出ていたので、こちらを買う人がかなり限られてしまい、初動を完全に失ってしまいました。
ちなみに当初はサターンとの連携予定もあったようですが、立ち消えになりました。
その後SNKは2000年にアルゼの子会社化、さらに2001年4月2日に民事再生法の適用を申請。もっともこれはネオジオポケットの失敗より、アミューズメントパークの失敗の方が大きかったようですが。
ドリームキャストのロンチタイトル
1998年11月27日発売。ロンチタイトルは4本。
・ゴジラ・ジェネレーションズ(セガ)
・バーチャファイター3tb(セガ)
・ペンペントライアイスロン(ゼネラル・エンタテイメント)
・July(フォーティファイブ)
メインはなんといってもバーチャファイター3tb。セガサターンの時同様、アーケードゲーマーが家でバーチャを出来るということで注目を集めます(もっともサターンでもバーチャ3の発売予定がありましたが、いつのまにか消滅)。
湯川専務のCMなど広報手段を打ちまくり注目を集めますが、発売日に部品の歩留まりが発生し、本体供給が需要に追いつかない事態が発生。多大な機会損失を生み、そのことが後々まで影響してしまうことになります。
そしてセガ最後の家庭用ハードとなったのは周知の通り。
ワンダースワンのロンチタイトル
1999年3月4日発売。ロンチタイトルは4つ。定価4,800円と非常に安価。
・GUNPEY(バンダイ)
・チョコボの不思議なダンジョン for ワンダースワン(バンダイ)
・電車でGO!(タイトー)
・新日本プロレスリング闘魂烈伝(トミー)
注目するのは、ワンダースワンの開発に携わり、1997年に亡くなっていた横井軍兵氏の名前をとった『GUNPEI』。
また、ハード発売元のバンダイからスクウェアのチョコボを冠したゲームが出ていますが、さらにスクウェアのFFシリーズなどの予告もされていて注目を集めます。これは先の任天堂とスクウェアの関係悪化によりスクウェアが当時の任天堂ハード(ゲームボーイ)にソフトを供給出来なかったことによりこちらへ向かったことによります。
プレイステーション2のロンチタイトル
2000年3月4日発売。ロンチタイトルは10本と多数。
・リッジレーサーV(ナムコ)
・A列車で行こう6(アートディンク)
・エターナルリング(フロム・ソフトウェア)
・柿木将棋IV(アスキー)
・決戦 (コーエー)
・ステッピングセレクション(ジャレコ)
・ストリートファイターEX3(カプコン/アリカ)
・ドラムマニア(コナミ)
・麻雀大会III ミレニアムリーグ(コーエー)
・森田将棋(悠紀エンタープライズ)
据置機のシェア争いを制していたPSの後継とあって、当初からかなり注目を集めます。ロンチタイトルの多さもそれ故でしょう。
そしてリッジレーサーは初代に引き続きロンチタイトルに。この後も10年先くらいまで、SCEハードのみならず新ハードにはリッジが定番となります。
しかしこのプレイステーション2においては、本体と同時に売れたものとして別のものがあります。それはDVDソフト。
当時、映像ソフトがビデオテープ(VHS)からDVDへの移行期でしたが、まだまだDVDプレイヤーが再生機能のもののみであっても安価とは言えない時代でした。しかしゲーム機にDVD再生機能がついてくるというのは、当時ものすごい強みでありました。したがってゲームを買わずに本体だけ購入するといった人もいたようです。
あとコナミとジャレコの音ゲーが入っていますが、この後このあたりで多くの企業交えて訴訟合戦となります。詳しくは以下。
ゲームボーイアドバンスのロンチタイトル
2001年3月21日発売。ロンチタイトル数はなんと30と歴代最多(ちょっと反則気味のカウントが6つ含まれてますが)。
・F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE(任天堂)
・くるくるくるりん(任天堂)
・スーパーマリオアドバンス(任天堂)
・ナポレオン(任天堂)
・ピノビィーの大冒険(ハドソン)
・桃太郎まつり(ハドソン)
・爆熱ドッジボールファイターズ(アトラス)
・アドバンスGTA(エム・ティー・オー)
・バトルネットワーク ロックマンエグゼ(カプコン)
・全日本GT選手権(コトブキシステム)
・トゥイティーのハーティーパーティー(コトブキシステム)
・ウイニングポスト for ゲームボーイアドバンス(コーエー)
・悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon(コナミ)
・コナミ ワイワイレーシング アドバンス(コナミ)
・JGTO公認 GOLFMASTER JAPAN GOLF TOUR GAME(コナミ)
・Jリーグポケット(コナミ)
・パワプロクンポケット3(コナミ)
・プレイノベル サイレントヒル(コナミ)
・モンスターガーディアンズ(コナミ)
・遊☆戯☆王ダンジョンダイスモンスターズ(コナミ)
・ファイヤープロレスリングA(スパイク)
・チューチューロケット!(セガ)
・ぼくは航空管制官(タム)
・ミスタードリラー2(ナムコ)
・EZ-TALK 初級編 1/EZ-TALK 初級編 2/EZ-TALK 初級編 3/EZ-TALK 初級編 4/EZ-TALK 初級編 5/EZ-TALK 初級編 6(キーネット)
注目度が高かったのは任天堂の『スーパーマリオアドバンス』『F-ZERO』、あとナムコの『ミスタードリラー2』あたりでしょうか。
任天堂のみならず、コナミやカプコン、据置機ではPSに比重を置いているナムコ、さらに旧来ライバルだったセガからも出ています。それだけ携帯市場が大きくなっていたということでしょう。
ちなみにこの一週間後、長く続いていた中古ソフト裁判において、中古ソフト販売は違法ではないとの高裁判決が出ました。
ニンテンドーゲームキューブのロンチタイトル
2001年9月14日発売。ロンチタイトルは3本。
・ウェーブレース ブルーストーム(任天堂)
・ルイージマンション(任天堂)
・スーパーモンキーボール(セガ)
GBAの本数から比べるとかなり寂しい感じになっていますが、当時の据置機はそれだけPS&PS2の市場が盤石だったと言えます。だけどこの中にセガのタイトルがあるのが感慨深いものです(しかも年末までにソニックも出た)。
この翌月から年末までに、ピクミン、大乱闘スマッシュブラザーズDX、どうぶつの森+が投入されます。
Xboxのロンチタイトル
2002年2月22日発売。ロンチタイトルは12本。
・幻魔 鬼武者(カプコン)
・信長の野望・嵐世記(コーエー)
・ESPN winter XGames Snowboarding2002(コナミ)
・エアフォースデルタII(コナミ)
・サイレントヒル2 最後の詩(コナミ)
・ハイパースポーツ2002WINTER(コナミ)
・JSRF ジェット セット ラジオ フューチャー(セガ)
・デッド オア アライブ3(テクモ)
・ダブル・スティール(ぶんか社)
・天空 Tenku- Freestyle SnowBoarding(マイクロソフト)
・プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー(マイクロソフト)
・ねずみくす(マイクロソフト)
今だとGoogleやAppleなど他のIT企業の台頭があるので昔よりは目立たなくなっていますが、当時のマイクロソフトはWindowsの圧倒的なシェアによって、世界最大のIT企業として絶大な存在感がありました。故にゲーム業界に全くの新参でも、期待可能性は日本でも大きかったです。
よく洋ゲー寄りと言われますが、ロンチタイトルを見れば必ずしもそうではなく、日本向けにもラインナップを揃えていたことがわかります。
しかし、大きさ、最初に再生するとディスクに傷がつく問題での対応での不評、さらに圧倒的盤石のPS2市場を崩せず、少なくとも日本ではその存在感を発揮することが出来ませんでした。
次回ようやくラスト。2004年のニンテンドーDSから現代までのハードのロンチタイトルについて書きます。