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ゲーム実況プレイがビジネスとして成立させる上での様々な障害

このような話題が。

■【レポート】ニコ動発”ゲーム実況”がビジネスになるとか! – 実況プレイヤー・えどさん”&ふみいちがプロ転向 (1) ビジネスモデルはどうなってんの? | ネット | マイコミジャーナル (リンク切れ)

最近ニコニコ動画で人気のある「実況ゲームプレイ」がプロになるという話題。さて、あの実況をどうやってビジネスにするのかというと、記事では以下の通りみたいです。

まずゲームメーカーが、「新作ゲームの宣伝を安価かつ効果的に行いたい」、または「旧作ゲームの新しい楽しみ方を知ってもらいたい」という目的で、スタジオえどふみに自社の実況プレイ動画の制作を発注します。
えどふみの両者はこれに応えて動画を制作し、雑誌やWebサイトなどのゲーム媒体へ動画を納品。媒体側は自サイトのコンテンツとして動画を掲載するというわけです。

つまり、メーカーからのプロモという形になるわけですね。

しかし、これを見た時点でこれが成立するかいくつかの疑問点も出てきます。それについてちょっと書いてみようと思います。

 

宣伝というモデル故の制約

一番気になるのはこれでしょう。つまり収益モデルが企業からの発注、すなわち企業からとある特定のソフトのプロモーションとしてプレイ実況を頼まれ、それを宣伝のためにプレイするのが目的となるわけです。ここでは多くの制約が生まれます。それは特定のソフトしかプレイ出来ないという制約だけではなく、そのソフトに対して言えることが限られるというもの。つまり、どんなおもしろくないソフトでも、宣伝ということで企業から金をもらっていることで成り立っている以上、ある程度褒めなくてはいけないと。そればかりではなく、クライアントの要望によってはツッコミもできない可能性もあります。それが実況プレイとしてのおもしろさに枷をつけないかなと思うのですね。

ちなみに私はあまり商品系のものは書いたことがないのですが、商品やコンテンツ紹介系のライターの人には「つまらないものをどう嘘をつかずにそれなりの表現でぼかせるか」というノウハウがあるようです(その点ブログは楽だよね。おもしろくないものは採りあげなくていいんだから)。ただ、動画の場合その空気も伝わりますから、濁すのも難しいかなと。

あと、「実況プレイ」というものも、ある程度名前が知られているものであるが故に、見る人が集まったという面もあると思うのですよね。でも、こういったプロモが依頼されるのは間違いなく新作(旧作リメイク含む)でしょうし、注目を集めるのが難しいかも。さらに、ニコニコの実況ゲームプレイで人気があるのは笑えるものみたいですが、全てのソフトがそうというわけでもないでしょうし、かといって笑う要素を探すと、ゲームイメージ的にマイナス要素になる可能性もあると思えますし。

ちなみに既存の実況プレイではレトロゲームが多いみたいですのでDLソフト(バーチャルコンソールなど)の宣伝というのもあるかもしれませんが、、現状ではDLソフトの広報費の少なさ故に可能性は低いかなと。

 

ジャンルによっては実況に向いていない

ゲームには様々なジャンルがありますが、実況に向いているジャンル、向いていないジャンル両方があると思います。特にストーリー性の強いものというのは、クソゲーとかみたいにツッコミを入れないとするなら実況はノイズでしかないのではと。一度やったゲームの2度目の楽しみ方ならアリでしょうが、初見ではノイズかなと。

ついでなのでニコニコでの動画含めて自分の意見を語ると、アドベンチャーゲーム(場合によってはRPG)などストーリーの要素が強いゲームは、あまり実況をしてほしくないというのが本音です。というのは、それらのゲームはストーリーがメインであり、それを実況してしまうとゲームをプレイしなくてもプレイした気分になってしまうというのもありますが、主にはストーリーの受け取り方を固定してしまうというのもあります(実況だけではなく、コメントで固定される場合もあるし)。

小説や映画、アニメなどにも言えますが、ストーリーというのは受け取り方というのをひとつに固定してはいけないと思うのですね。読者が100人いたら100通りの受け取り方があるわけで。ただ、実況をしてしまうとその受け取り方を実況者の主観に偏らせてしまう可能性があるのではないかと。

まあ、この「受け取り方を固定させてしまう」という問題は、プレイ動画全体に生じる問題かもしれません。ゲームは本質的に「見るもの」ではなく「するもの」ですので

 

話し手としてのプロが参入してくる可能性

最近注目されている実況プレイですが、プレイしているところを利用するプロモーションというのは最近始まったことではなく、『ゼルダの伝説時のオカリナ』以来、任天堂が芸能人を使ってやっているCMがあります。そして最近では「みんなのニンテンドーチャンネル」内で、お笑い芸人がそれをやっている動画が見られます。

仮にこの実況プレイが成功したとしても、その市場に実況としてのプロだけではなく、大量に話し手としてのプロ、すなわちお笑い芸人などが入ってくる可能性があります。実際お笑い芸人の中には、滅茶苦茶ゲームが上手い人がわりと存在するという話ですし。

ニュースソースのお二人は俳優だということなので、しかも知名度が実況ファンにあるという点で、その点ではかなりアドバンテージがあるのかなとは思います。ただ、市が広がればライバルは多数誕生する可能性はあるでしょうね。

もしかしたら、実況ではありませんがゲームプレイ動画でもうひとつ人気のある「スーパープレイ」のほうが、そこまで出来るプレイヤーが滅多にいない分ライバルは少ないのかもしれません。

 

まとめ

このように、実況プレイのプロ化にはかなり未知数な要素が多いと思われます。ただ、色々書いてはきたものの、新しい試みをにチャレンジする人はわりと好きですので、ここから何か新しい形を見つけ出せるように頑張っていただきたいなと思います。

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