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メディアミックス商品には「主」の側面と「従」の側面があると思う話

最近、『けいおん!』がアニメ放映以降急速なブームになってきている感じで、この急上昇率にはちょっと驚いています。何しろ数ヶ月前まではこれがアニメ化されることも予想外だったので。

で、アニメ化に伴って、それの関連グッズとかが出ていますね。そしてサントラも出るようです。
TVアニメ「けいおん!」オリジナルサウンドトラック(仮)  Don’t say“lazy”(初回限定盤) Cagayake!GIRLS(初回限定盤)

さて、最近ではこんな感じでひとつの媒体で発表されたものが、他の媒体でも出ること、すなわち「メディアミックス」が全然珍しくないどころかほとんど当たり前の様にさえなっていますよね。例えばとあるマンガがアニメ化されたら、それに伴い小説、アニメのDVD、サントラ、主題歌などのCDやドラマCD、解説本、ゲーム、ほか各種コンテンツがいろいろと出ます。

しかし、「メディアミックス」とひとくちで言っても、これらの商品はそれぞれにおいて「商品」、もうちょっと言えば「売れるパターン」として異なった性質を持っているのでは、と思ったのです。それは「主」の側面と「従」の側面をどれだけ持っているかの違い。

 

いきなりこう書いても意味がわからないでしょうから、少し例を挙げてみましょう。

あるマンガがアニメ化されたとします。するとアニメファンはその原作マンガを買うことが多いでしょう。さらにマンガを見ていた人も、そのアニメに興味を持って見ることは多いと思います。

しかし、同じメディアミックス商品であるはずのサウンドトラックというものは、多くの場合アニメを見ていないと買いませんよね。つまり、それだけでも購入されて、他のメディアミックス商品に影響を及ぼすのが「主」の商品とすると、ほかのものの影響を受けて売れる要素が「従」の商品という感じ。

そして「主」は、作品、つまりマンガやアニメ、小説なんかで「従」はどちらかというとキャラグッズと呼ばれるものに入るのかなと。

あえて図にしてみるとこんな感じ。

メディアミックス
※図ではアニメとDVDを無理矢理同一にしていますが、厳密にはTVアニメとDVDの関係はもうちょっと複雑でしょう。ただ図が複雑化するので今回はこういう形で。

青線で示した部分は、相互の影響が大きいと思われるもの。つまりマンガを見て(もしくは見ていた人が)アニメを見る、またアニメを見てマンガを買うという感じ。また、コミックの小説化の場合外伝などが描かれ、マンガやアニメのファンがそれを買うことが多いでしょう。ただ、最初に小説を目的で買って、それからアニメやマンガに入る人はどちらかというと少ないでしょう。ただ、そういう場合も有り得るので水色線にしてあります。

 

ただ、サントラやキャラグッズに関しては、作品(上の図ではストーリーを伴う作品という意味。サントラが作品じゃないということではないのであしからず)それの原作を知らないのにそれ単体で買われる可能性は低いと思います。

つまり、ほかのメディアミックス商品を閲覧しなくても、それだけで売れる可能性の高いものが「主」、それに反して、ほかの商品を見たり聞いたりしないと売れる要素が低いものが「従」ではないかと。

ただ、どっちかが100%ってことはなく、全部の商品が「主」と「従」の側面を持っているのではないでしょうか。で、そのバランスでマンガの場合は「主」の側面が強く、サントラなどの場合「従」の側面が強いと。ただしサントラも私みたいに逆辿りでゲームを買う人もいるので、全く「主」の側面がないとは言えないと思います。

 

何故、こう考えたのかというと、このブログで扱う中心的存在であるメディアミックス商品である「サウンドトラック」というのものは、その「従」の性質が強いと思っていたからなのですね。つまり昔から「サントラを買う人はほとんどがゲームを持っている人(もしくはプレイした人)」ということでサントラはゲームの売り上げを上回ることはないと。ごく一部、私とかコアなゲーム音楽ファンはゲームを持っていなくてもサントラを買うことは多いでしょうが、おそらく全体からしたら少数派ではないかと(私だってやったゲームのサントラのほうが持っている数が多いですしね)。

こう考えると、サウンドトラックってのはゲームが売れて、知れてこそはじめて売れる存在、すなわち「従」のメディアミックス商品なのではないか、と思ったところから、前述の様な「主」と「従」のメディアミックスというのを思いついたわけです。

ゲームの場合、昔からゲームを中心とした関連商品の枠組みみたいなものが出来ていると思えます。それはすなわちゲームソフトを中心として、サウンドトラックや攻略本が従になるという感じ。これはアニメなどでも似た様なことが言えるかなと。

こう考えると、メディアミックスというものは、こういった従来の主と従のツリーが組み合わさったものかもしれません(図に出来そうだけど、めんどいから略)。

 

というわけで、ひとくちにメディアミックス商品といっても、こういった系統があり、また売り上げも左右されるのではないかと。故に売れないゲームのサントラが発売でさえされないように、他のジャンルでも、サントラ以外でも似た様なものはたくさんあるでしょうね。

 

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