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「リスクのある商取引」がCEROの審査基準に入っていないことについて考えてみた

平日の深夜は風呂上がりなどにワールドビジネスサテライトを見ることがあるのですが、そこでのCMに最近ローン関係のほかFX取引やはては先物取引の会社のCMまで入っていて、ああ、広告不況は本当なんだなあと感じてしまうことがあります。

そこで流れていたCMでとあるゲームソフトのがありました。それがDS『外為売買トレーナー カブトレFX』というもの。
外為売買トレーナー カブトレFX

KONAMIと外為どっとこむが提携して作成した、ゲームをしながらFX取引を学べるというものらしく、ネット連動もあるとのこと。発想としては昔ネットでよくあった(今でもある)証券会社サイトのサービスで、仮想マネーを使って実際の変動にあわせて儲けを狙うシミュレーションをDSでゲーム色(ボードゲーム)を強くして持ってきた感じでしょうか。
ただ、これのCMを見ての私の第一印象は「いいのか?」でした。

有名な話ですが、FX取引は通常の株式取引よりも変動幅が大きく、うまくすればそれだけ利幅が広がりますが、逆に言えばそれだけ損をするリスクが高いです。もちろん24時間取引できるなどのメリットも大きいのですが、基本通常の株式売買よりもハイリスクハイリターンであり、金融取引の中~上級者向けと言われています。あと、レバレッジに手を出すと追証のリスクがあるなど、さらにハイリスクハイリタ-ンとなるでしょう(ここがFXで欲問題になるところでしょうね)。

金融取引に詳しい人はFXの利点もかなり知っているとは思われますが、それでも初心者に勧めるにはちょっと躊躇するのではないでしょうか。
■参考:外国為替証拠金取引 – Wikipedia

 

で、これのCEROのレーティングは何だろうと思って見てみると、「A」つまり全年齢なのですよね。ここで、CEROのサイトを見てみると、レーティングはあくまで「性表現」「暴力表現」「反社会的行為表現系」「言語・思想関連表現系」で、こういったリスクのあるものに対してのレーティングはないのですよね。

コンピュータエンターテインメントレーティング機構//HOME

 

まあファミコン時代から株取引のソフトはありましたし、ここでFXだけ何か言うのは整合がとれなくなるいかもしれませんが、これをリスク知識が薄い子どもに勧められるかなあと思うと、ちょっと疑問に思ってしまうわけですよ。この発想だと、先物取引のソフトもOKになってしまうことになりますし。つか、事実上はギャンブル的側面が強いのですよね。

つまりCERO基準って、こういったリスクのある商取引関係の審査が穴になっているのではないか、と思ったわけです。

ただ、このソフトに関しては各所のレビューを見てみるに、どっちかというと知識を得るためのゲーム的側面が強く、感覚を麻痺させるような作りではないみたいです。逆にFXのリスクをちゃんと学べるように作ってあるとしたら、それはかえってよいことなのかもしれません。

 

しかし、今後のソフトにおいてそのような作りのものばかりとは言えませんし、審査をするなら経済的リスクを伴うかについても注意しないと抜け穴が出来てしまうように思えるのです。

ただ、こういった「受け取り方によって印象が違う」というものというのは規制が難しいのですよね。前述のようにFXは、そして先物取引でさえも人によっては重要な商取引なのですから。もっともそれは性表現や暴力だって人によって受け取り方が違うのに、何でこっちのほうばっかり規制されるのかって疑問も沸いてきますが。

 

せめて、このようなソフトにはリスクの注意をしっかり明記することくらいは必要かと思いました(まあそれでも引っかかる人はひっかかりますが)。

ちなみにこの「リクスを学ぶ」という発想で「悪徳商法対策DS」とか「ネズミ講対策DS」「振り込め詐欺対策DS」なんて実用ゲームを作れば、どこかが教材として採用するのではないかと思った今日この頃。

 

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