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斬新なアイディアも時が経てばマンネリになり、ブルーオーシャンもレッドオーシャンになる

前回『夏休みに強いという任天堂神話は崩壊した? 』を書いているときに思った、最近のゲーム、特にDS市場に対してのこと。

任天堂が切り込んだのは、ブルーオーシャンだというのは、『「枯れた技術の水平思考」は、ブルー・オーシャン戦略の先駆けだったのではないか』で書きました。

しかし最近思うに、このブルー・オーシャン戦略というのにも弱点はあるのではないか、ということを思います。それは「ブルー・オーシャン市場も、やがてはレッド・オーシャンになるのではないか」ということ。つまり、最初は競争のない市場を開拓したとしても、その市場が成熟するにあたって利潤を求めた競争相手が参入し、結局はレッド・オーシャンになるのではないかと。そしてそれが、今のDSソフトの市場なのではないかと。

 

NintendoDSが売り上げを大きく伸ばしたのは、DS特有の個性によるソフトを出してきたことでしょう。特に『脳トレ』からはじまる知育系、実用系ソフトは、それまでゲームとは縁のなかった層を巻き込むのに成功しました。しかし、そのダブル、トリプルミリオンの成功により、同じようなソフトが任天堂以外のソフトメーカーからもかなり多く出されます。そして現在、ゲームソフト売り場に行き、それら知育系、実用系のソフトの占める割合にかなり驚かされます。少なくとも数で言えば、今DSで一番多いジャンルになっているのではないかと。

つまり、かつてはブルーオーシャンだったDSの知育、実用市場は、すでにレッドオーシャンになっているのではないかと。いや、それでもそれに耐えうる市場があればいいのですが、最近、さすがに出し過ぎて飽きられているような気がします。

 

そしてもうひとつ。最初はどんな斬新なものであっても、時間が経てばマンネリになってしまうということ。もっともマンネリと呼ばれるならばまだ需要があり、生き残っている(ものによってはこなれているものもある)のでいいほうで、すでに魅力がなくなり消えてしまったものも多いでしょう。まあこれは、DSに限らずすべてのゲームハードに言えることですが。ですので、ハード的な斬新さというのはある意味どこかで切り捨てなければいけないのかもしれません。

 

こう考えると、DSは時間が経つことによって、レッドオーシャン&マンネリへと、当初避けていたものが自らを取り囲むようになってしまったのではないでしょうか。たしかに、面白いソフトはそれなりにあります。ただ、『脳トレ』や『おいでよどうぶつの森』同様のインパクトを与える製品が最近ないと。だけど、新しい製品を生み出すのは容易いことではありません(生み出したところで面白くなければ売れないわけですし)。そういった意味で、発売からもうすぐ4年というところで、DSは壁にぶち当たっているのではないでしょうか。

いや、もちろんこれはそのうちWiiにも、もちろんPSPやらPS3、X360などすべてのハードにやってくる可能性はあるでしょう。ただ、PS3やX360はもともとレッドオーシャンであった市場で、昔からの発想のうえに成り立ったソフトが多いので、DSほどの影響はないかもしれません。

もちろんこれから先、DSの新しい可能性を見せればまた新たな開拓が出来るとは思いますが、残念ながら、現状ではそれが見えてない感じです。もし任天堂の現製品が本当に横井さんの考えに基づいているのだったら、そろそろ全く新しいものをソフト、ハードどちらかで(通信も含むかな?)用意する必要があるのではないでしょうか。そうしないと、任天堂が数年前に否定していたゲームに飽きてくるといい現象を、そのままDSやWiiが引き継いでしまっていることになりかねません(まあWiiは周辺機器が多くリリースされているのもあって、まだそこまではいってないと思いますが)。

その新しいものがソフトになるか、はたまた新ハードになるかはわかりません。だけど、ソフトなら『ポケモン』の大ブームがあったし、ハードの実績は今まで通りあるので、きっとまた新しい驚きを提供してくれると信じたいと思います。

 

◆余談

しかし、PSPの『モンスターハンター2ndポータブル』や『ファンタシースター』が大人気で、過去『おいでよどうぶつの森』が大ヒットしたところを見ると、やっぱり携帯ゲームの一番の強みは人とコミュニケーションをとれるところなのかなと、昔から言われていることですが改めて思ったりします。

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