※この文章は2010年に書かれたものです。
かつて「(据置)ゲームハード5年周期説」というのがよく言われていました。これはゲーム機の据置ハードは、5年周期で次の世代のハードが各社から発売され、次世代ハード戦争が起こるというもの。たしかに1983年のファミコン発売以降では
・1989年前後:PCエンジン、メガドライブ、スーパーファミコン、ネオジオ 等
・1994年前後:3DO、SS、PS、PC-FX、ニンテンドー64
・1999年前後:ドリームキャスト、PS2、ゲームキューブ、Xbox
・2005年前後:PS3、Wii、X360
といった感じで、だいたい5~6年周期で新ハードがぞくぞくと発売され、シェアを奪い合う戦争が出てきています。
となると、2010年の今、前のハードから5年目を迎えるので、そろそろ携帯機だけではなく据置機の新ハード情報が出てきてもおかしくないとは思いますが、今のところ新ハードの情報は既に発表された3DS、それに噂レベルで出てきているPSP2の情報が主で、据置機についてはあまり出てきていません。では、これから来年あたりまでには出て来るのか、ということになりますが、個人的にはまだ出てこないと考えています。もちろんそれぞれのメーカーは開発を続けているでしょうが、発表や発売はまだ先になるのではないでしょうか。そう思い当たる理由がいくつかあるからです。あくまで個人的な予測ですが、ちょっとそれを羅列してみたいと思います。
携帯機ハードに全力を集中する
昔(2000年代以前)はゲームハードといえば据置機ハード中心であり、携帯機はあくまで別路線のゲームという感じでした。しかし、携帯機の存在感は増してゆき、今ではゲーム機はソフトの売り上げ的にも携帯機なしでは語れなくなっています。故に、まず先に出るこちらに広報、営業など全力を集中して普及させるのが最優先課題であるので、その勢いが落ち着くまで据置機はひとまず保留されるのではないでしょうか。
また、最近の携帯ゲーム機は据置ゲーム機とも連携することも多くなってきていますので、携帯機を普及させてから、据置機新ハードとの連携を謳ってそちらに売り上げを伸ばすということも大いにあるでしょう。故に、携帯機の新ハードもまだ発売されていない今では、しばらく間が空くような気がします。
目に見えて進歩している技術がない
PS3などは、かなりの高スペックになり、ソフト次第でどんな映像も出せるくらいになってきました。しかし反面、ここまで映像技術が上がると、もうプレイヤーにとって明確にわかる程の向上は望めないという点があります。今注目されているのは3Dですが、これも広く受け入れらるかは未知数です。故にもうちょっと訴求力のある技術が出て来るまで、見送られるということもあるでしょう。
競合が多い&景気があまりよろしくない
昔、ゲームが遊べるものいえばゲーム機がかなりのシェアを占めていました(ほかアーケードやPC)。故に新ハードというのは注目の的でした。しかし現在ではゲーム機の他、普及したPCや携帯電話、iPhoneやiPad、そのほかゲームが遊べるハードが数多く出ています。それらに注目が分散化して、昔程はゲーム機、とりわけ据置機の
注目度合いが高くはないような気がするのです。注目が低ければ売り上げは伸びません。
さらに日本の場合、というか世界的に景気があまりよくありませんから、2万なり3万なりの金のかかるハードを出しても、それを買う金がない、という人もいるでしょう。さらには金はあっても、上記のような競合するデジタル媒体などの娯楽製品を買うほうにもっていかれるという可能性もあります。
新規格が生まれていない
これは主にSONYに言えることですね。
前回のハード発売ラッシュが起こった時、別の争いがありました。それは「ブルーレイ戦争」そして「フラッシュメモリ戦争」。ブルーレイ戦争は言うまでもなく、ブルーレイとHD-DVDの次世代光学ディスク規格争い、
そしてフラッシュメモリのほうはSDカードとスティックメモリの争い。とりわけPS3は当時としては全然普及していなかったブルーレイを載せ、そこから普及させるという重荷を背負わされていた感じがあります。
しかし、今の時点では規格戦争は一段落し、そこまで焦る必要がないというのもあるでしょう。
据置機はコピーがそこまでではない
近年、ゲームの問題としてマジコン問題などコピーや海賊版問題がよく言われます。携帯機はマジコンやコピーツールがかなり普及して、その対策が急務となっているところがあるでしょうが、据置機は携帯機に比べるとそこまでではないので、ハードをとりかえるまではしなくていい感じかと(据置機クラックもあるにはありますが、現時点ではハードを弄るのが趣味の人の範疇であり、コピーが氾濫しているってほどではないと思われるので)。故に、コピー技術を時間をかけて向上するほうが得策と言えるかもしれません。
逆に言えば、携帯機の新ハードを急ぐのは、コピー対策を急いでいるという理由もあるでしょう。PSP2もおそらく堅牢な(すごいハッカーに破られはするけど、素人はなかなか手出しが出来ないような)コピー対策はしてくるのではないかと。
テレビの様子見
これは日本の場合ですが、現在、テレビが分岐点に立たされていると思います。というのは2011年のアナログ放送終了により、テレビの普及率(とりわけ青年層)がどうなるかわからないため。もしテレビを持っていない家が多くなれば、据置機もテレビを捨てる、という可能性が出て来るでしょう。これについては長くなるのでまた別のエントリーで書きます。
まとめ
そんなわけで、新据置機の発売はまだ時間がかかるのではないかと。
でも個人的には、WiiもPS3もX360もまだハードのポテンシャルを最大限まで出してはいないような気がするので、もっと持たせた方がいいと思うのですが。せっかく開発者が築いた各ハードのノウハウをゼロにするのももったいないですし、そろそろハード末期に良く発売される、ハードを生かしたこなれたゲームが出て来ると思うので。