スポンサーリンク

テレビの発展とともにプレイ環境が異なってきているコンシューマ機

前回のエントリー『何故、PCゲーム市場はPC普及に比例して拡大しなかったのか』の関連になります。


前回のエントリーでは、PCゲームにおけるハード構成がユーザー毎に異なるため、作る側がそれを考慮しなければならないということを書きました。

さて、それではコンシューマ機ではPCゲームのようなハードの差異はないのでしょうか?

たしかにコンシューマ機のハードは、同じ機種であれば同じ動作をするように出来ています。当然ですね。もしPSでPSソフトが遊べなければ、意味がありませんから。ハードは上で書いたように原則として同じものが出力されるように作られていますから。

しかしながら、現在、開発側で想定している環境と実際にユーザーがプレイしている環境は必ずしもイコール、もしくは似ているとは言えなくなってきているのではないでしょうか。そしてそれは、ゲーム機ではないところに原因があると思ったのです。

それの理由を以下に書いてゆきます。

 

ひとつは「テレビの発展による画面の大きさの違い」。

ファミコンの時代は、ほとんどの家庭ではテレビ画面の大きさというのはあまり大差なかったように思えます。まあ、当時はほとんどテレビは家に1台、それにほとんどが14型~21型くらいで、それ以上のテレビというもの自体が珍しかったですし。ああ良き80年代の思い出……

で、そういう時なら開発側もユーザーの環境というのがテレビ画面までも含めて想定をしやすかったように思えます。そもそも、ファミコンやスーファミでは映像にも限界がありましたから、綺麗に見えると言うよりは「わあ大きいなあ」くらいで感想が止まってましたが。(それでも文字は見やすかったですけど)

しかし、現在ではテレビはそれこそ14型からそれこそプロジェクターで壁いっぱいに映すものまで様々な大きさがあります。さらに私が導入しようと思っているもので、パソコンのディスプレイにゲーム画面を映すコンバータなんてものもあります。となると、これら全部での環境を想定するというのは事実上不可能になっているのではないでしょうか。

おそらく開発側が大まかにでも想定している環境というのはあると思います。例えばあまり小さい画面だと、文字が見えなくなり、ものによるとゲームの進行が不可能になりますしね。

故に、環境の違いによって開発者の意図しない状態、例えば前述のような文字の大きさや、画面の写りが生じている可能性がきっとあると思います。

とはいっても、おそらくは現在でも快適さや写りは置いておくとほぼ全部のソフトが14型くらいのテレビでプレイできるので、どの画面の大きさでも不都合がないように幅を持たせているのかもしれません。(そのへんハードメーカー毎にガイドラインとかあるのかもしれませんけど)

余談ですが、ちなみにこれはゲームセンターで「エスプガルーダ」をプレイした後に(アストロシティの縦画面)、自宅で同じソフトをプレイ(15型テレビ)した時に思ったことです。(家庭用だと縦シューは縦画面モードにしないとさらに画面が小さくなるんですね)

 

さて、上と関連して同じくテレビの問題になりますが「出力の違い」というのもあります。

例えばPS3の場合、コンポジット出力からS端子、D端子、そしてHDMI端子まで様々な出力があります。ちなみにファミコンの時代は端子がなくて、テレビの裏から配線伸ばして接続していたのですよ。

しかし、HDMI端子つきのテレビはもちろんのこと、S端子付きのテレビでさえ持っていない人はまだ大勢いると思います。(リサイクルショップ行くと、コンポジット端子もついていないテレビがありますけどね)

となると、やはりそういった面でも開発している側とユーザーが実際にプレイするときの差が生じていることはあるでしょうね。まあこれも画面の大きさと同じように、コンポジットを標準としているかもしれませんが。

このほかにも周辺機器とかの互換機を使用したときの違いなんてもあるかもしれません。

このブログ的に言えば、音の再生環境の違いというのも挙げられるでしょう。それこそ100円のイヤホンでしかプレイしない人ってものいると思いますし。でも音を消してプレイするのは、楽しみの半分以上を奪っていると私とかは思うんですけどねえ……

 

そんなわけで、コンシューマハードといえども、昔よりもこういった「環境の違い」はそれをプレイする環境の発展に伴って確実に生じていると思います。

それを解決するための方法としては、パソコンゲームみたいに画面やコンポジットに推奨環境を書けばいいとは思うのですが、おそらく書けないでしょうね。それ以下のテレビしかないユーザーが、購入しなくなりますし。

次世代機というのは、スペックの高さが言われていますが、これらの問題をクリアしないと、結局は頭打ちになる状況が来るのではないでしょうか。いっそのこと、『光速船』みたいにテレビ付きにしてしまうとか。(冗談ですよ。でもセット売りとかはしそうだなあ……売れるかどうかはともかく)

Wiiはもともとコンポジット出力しかありませんが、それはコストやハードの性能的な面の他に、S端子以上の普及を考慮してしていた故なのかもしれません。まあこれが今後どう出るかはまだわかりませんけどね。

 

※追記(4/11)……コメントでご指摘がありましたが、Wiiにも別売りのS端子用、D端子用のケーブルが存在します。HDMIがついていないという意味での比較文でしたが、誤解を与える可能性がありますのでここに追記させていただきます。

ちなみにこの問題はDVDプレイヤーが売れないとかブルーレイが普及しない、そしてデジタルテレビへの移行が進まないといった問題にも同じような原因があると思います。まあビデオで十分なテレビしか持っていない、必要ない人ってのは相当数いるのでしょうね。(特にAV機器に関心がない層は)

私の部屋も狭いからわかるのですが、大画面のテレビを買わないで14型~21型程度のテレビを買うのって、値段よりも「大きなテレビを置くスペースがない」っていう日本の住宅事情的な理由が大きいと思います。

タイトルとURLをコピーしました