本当はTimestepsに書こうと思っていたけど、ネタがあまりに限定的な人向きなのでこちらに。
ゲーメスト掲載のマンガ
かつてあったアーケードゲーム専門雑誌『ゲーメスト』の存在は、このブログを訪れる方ならかなりの方が知るところでしょうが、そこでマンガやイラストを書いていた方は、かなり印象に残っている方も多いと思われます。ゲーム本編のキャラになった『さくらがんばる!』(中平正彦氏)とか、『ケロロ軍曹』を後に描くことになる吉崎観音氏とか。その他にも投稿欄からプロマンガ家になった人も大勢いますね(これについてはどこかでそのうち)。
しかし、ゲームマンガでも投稿イラストでもなく、かなり記憶に残るマンガが『ゲーメスト』には長期にわたり連載?されていました。その名前は『てくな~とマンガ』。これでピンときた人はかなりディープな人でしょう。
テクナートの広告マンガ
テクナートとは、大阪にあったアーケード基板屋。当時(1980~90年代)はアーケードの基板を売る店というのがわりと多くあったのですよね。今では秋葉原のトライなど、かなり少数になってしまいましたが。
ゲーメストはアーケードゲーム専門誌であったので、その基版屋の広告が多く載っていたのですが、その中でも『テクナート』は異彩を放っていました。というのは、このマンガだけ、店の人の趣味か知りませんが、「ガロ系」だったのです。ゲーメスト自体わりと多様性があり、色々なゲーム紹介の他、マンガやイラストが乗っていたのですが、あきらかにこのページだけ浮いていました。しかし、それが故読者の目に留まり、強い印象を残すことになります。
ちなみにこのテクナートマンガは前期、後期があります。前期は格ゲーブーム前期あたりで、描いていたのは石川次郎さん(同名の雑誌編集者の方もおられますが、別の方です)。こちらの方の広告は『BEEP』やべーマガにも掲載されていたので、そちらでご存じのかたもいらっしゃるかもしれません。
そちらは、ゲーム貴族さんのほうで許可転載されています。
■テクナート広告漫画(1) 『風まかせの人生』 | ゲーム貴族
後期はゲーメストも後期な1990年代後半あたり。こちらではマンガ家も替わって、同じくガロ系で描かれていた、この時点ではまだ知名度が低かった東陽片岡さん。さすがに風俗ネタは出てきませんが、雰囲気はガロなどに掲載された東陽片岡マンガそのままだったので、石川次郎さんのとはまた変わった意味で異色感が出ていました。
話はだいたい義兄弟のホームレス2人が出て来るもので、このキャラは下の作品などその後の東陽マンガでも出てきています(それが載っているゲーメストを探し出してこようと思ったのですが、散らかっている荷物が多すぎてそこまで辿り着けなかった……)。
だけど読み返してみると、石川さんのほうはカオスなマンガの中にも一応テクナートの宣伝が入ってますな。だけど東陽さんのほうはむしろ宣伝の要素は全くなかったような。
テクナートその後
で、その後ゲーメストもあのようになり、テクナートもどうやら閉店してしまったようです。その後、東陽片岡さんのマンガは単行本も出たりビックコミック系の雑誌で連載されたりで散見していたのですが、石川次郎さんのマンガは殆ど全く見なくなってしまいました。
しかし、先日何気なくネットを巡回していたら……
■Welcome to TACO che - ようこそタコシェへ – » 石川次郎『GIRO』
2009年、久々の本が出ていたり、日本及びパリで展示が行なわれていたとのこと。
※2014年追記。ちなみに現在でもちゃんとタコシェのサイトでいろいろ売ってます。
書いていると、テクナートマンガ含めて昔のゲーメストを読み返したくなってきました。しかし先日中野まんだらけで見たゲーメストの80号あたりのバックナンバーの値段は1000円……いやあ、もうそんなになっちゃうんだなあとちょっとしみじみ。