私は雑誌が捨てられません。それは、何か有用な情報が後に残るんじゃないかなあと思ってしますので。単行本とかが出る漫画雑誌はともかく、ゲーム系雑誌、PC系雑誌はかなりの量が部屋の奥に捨てられずに残ってしまっています。
で、そのうちのひとつとして、こんなものを見つけました
これ、ご存じの方いるでしょうか? この雑誌は『TV Gamer』という雑誌で、発行元はアクセラ。そう、アスキー(当時)の内乱で離脱したアスキー主要メンバーが設立した会社です。ちなみに発行人が小島文隆(小島ファミ隆)氏、編集人が塩崎剛三(東府屋ファミ坊)氏、編集長が水野震治(水野店長)氏というファミ通、いや、ファミコン通信初期のメインメンバーという雑誌(しかし小島さん、どこ言っちゃったんだろ?)。ファミ通への対抗からか、なんと週刊として創刊されました。
しかし毛色は違うもので、ゲーム一辺倒、おまけでトレンドなどを扱っていたファミコン通信(当時)に対し、こちらはゲーム以外に一般層、ライトユーザー向けの記事が多く、ファミ通的基準から照らし合わせると本当にゲーム誌?、と思える感じでした。おそらく、この当時(1997年)の流れとしてあった、ライトユーザー向け志向が反映されていたと思います。そういえばおそらく今は亡き『寿限無』とか『覇王』で創刊ラッシュになったのもこのあたりですね。
内容ですが、前述の通りライトユーザーを意識してか、表紙にはアイドル、で、はじめから何ページかはグラビアページ、そしてゲーム紹介よりはその周辺の特集ページが多かったです。というかページ構成が週刊アスキーやにそっくりなのですよね(ちなみにほとんど同時期に『週刊アスキー』創刊)。内容も、今ならR25的なものが多く載っている感じ。
ゲーム記事は、ゲームクリエイターのバイブル紹介といっやものから、有名人のゲームの棚とか幅広いもの。他にマンガの特集とかもあり(伊集院光&大槻ケンヂの記事もあるし)、Jリーグ特集やテレビ欄なんかもあります。
今見てみると、個別の記事はおもしろいものはあるのですよね。ですけど、ゲームを名前に冠しているのにこの一般誌的な内容だと、方向性が特化できなかったんじゃないか? という感じを受けます。まあ、ゲーム一辺倒だとファミコン通信にかなわないためのこういった選択だったのでしょうね。
しかし、残念ながら部数は伸びず、1年以内に休刊となってしまいました。そして会社もその後倒産してしまいます。
歴史にifはありませんが、もしアスキー内乱がなかったら、この雑誌も生まれず、またファミ通も今とは違うものになっていたのかもしれません。