ネオジオCDの猿とやけに長いロード時間の思い出

以前、テトリスの話において、「テトリスのサル」について触れましたが、ゲームでのサルといえばもうひとつ忘れられない物があります。ドンキーコング(だいいち猿じゃないし)? ピポザル? いえいえ違います。それは「ネオジオCDの猿」。

スーパーファミコン後期から、だんだんと新世代期が発売されはじめ、多くがROM媒体からCD媒体への移行を始めました。PCエンジンCDROM2やメガドラCDから、プレイステーションやセガサターンにつながってゆきますね。

さて、これらの媒体でもCDの読み込み、つまり「NOW LOADING」の長さにはイライラさせられた人は多かったでしょう(とはいえ、ゲームアーツなど開発能力の高いメーカーのゲームでは、それをほとんど感じさせない作りにしているものも多々ありましたが)。しかし、それらの中でも一番ロード時間が長かったハードがあります。それが「ネオジオCD」。

ネオジオCDは、本来先行して売られていた「ネオジオ」のROM版が、あまりにも高価(普通ソフト一本2~3万円)だったために、普及のために発売されたハードです。そして当時2D格闘ブームの真っ最中で、『餓狼伝説』『龍虎の拳』『サムライスピリッツ』そして『ザ・キングオブファイターズ』シリーズなどが家庭で出来るとあって、購入に踏み切ったファンもけっこういたと思われます。

しかし、このハードのは致命的な欠点がありました。それは、「ロードな長すぎる」というもの。なんとCDの読み込み速度は等倍、つまり1倍速(後に2倍速にした新型も出ました)。ちなみにPS2が24倍速、現在パソコンに搭載されているものの多くが48倍速以上なので、その遅さがわかると思います(ただし、必ずしも読み込みスピードが1/48というわけではないので念のため)。

動画がありましたので、これを実際に見て頂ければと。

まあ考えてみれば無理もありません。だって、ROM版とほとんど同じ物をCD媒体に移したのだったら、それは無理が出るはずです。ちなみにほかのハード(メガCDとか)が性能的に似ていてもまあ許容できる読み込み時間と感じたのは、ちゃんとそれをふまえて作られていたからでしょう。

ともあれ、この読み込み時間のストレスはアーケード慣れしているユーザーにかなりのストレスを与えます。そしてネオジオCD初期のゲームでは、ロード時間にお手玉をする猿が出てくるのですが、こいつが嫌われまくりましたね。たとえれば、ドラクエIIIでデータが消えたときに流れる呪いの音楽とかくらい。今(2014年)だと『艦これ』のエラー娘とかでしょうか。

このロードの長さがアダとなり、ネオジオCDは売れなくなります。

その後1996年の年末に読み込みが2倍速になった改良型「ネオジオCD-Z」も発売されますが、たしかに前よりは短くなったものの、正直ロード時間のストレスを消し去るほどの効果はありませんでした。

そして1990年代後半になると、だんだん2D格闘が衰退し始めたのもあり、とうとうネオジオで出ていたソフトが、サターンやプレステに供給されるようになります。サターンで出たROMつきKOF’94とRAMつき’95は、わりとよい出来でした。まあ、その決心実らず、SNK自体が数年後に倒産しますが(でも直接の原因はゲームよりも、ネオジオワールドというアミューズメントスポットの失敗によるほうが大きそうですが)。

最近では媒体の読み込み速度向上だけではなく、メモリが安価になり、大容量を搭載できるため、この手のストレスはだいぶなくなりました(あと、読み込みタイミングのノウハウも上昇したってのもあるでしょうね)。でも、当時はよく投げ出さずに待てたなあとちょっと思ったりします。やっぱり便利に慣れると、手放せないってことかな?ちなみに、ロード時間を思う存分味わいたいという、暇かつMな方には、ネオジオCDソフトのほかに、ディスクシステムの『レリクス 暗黒要塞』をおすすめします。

最後にちょっとひとこと。ゲーム時間は長くなければダメ、と仰る方もいらっしゃいますが、極論、こういうロードとかどうでもいいことを詰め込んで長くするってのはいくらでも出来てしまうのですよね。ある意味、短く、テンポをよくするための努力ってのも陰で行われているってのをちょっと念頭に置いていただければなと思います。