Wii MusicのCMも出始め、だんだんとその正体が明らかになってきました。
WiiやDSの時代になって任天堂は『大合奏バンドブラザーズ』リズムでボタンを押すという、コナミが大成した音ゲーの方向性以外でも、「音」をソフトに取り入れてきた感じがします。そのひとつは『大合奏バンドブラザーズ』ですね(もちろん音ゲー的要素もありますが)。
しかし振り返ってみると、実は任天堂、そして宮本茂氏は、この「音」に対してのこだわりを相当昔から持っていたような気がするのです。それはファミコンの初期の頃から。その論拠は、任天堂がファミコンを発売した最も初期、今から25年前にあります。
さて、ファミコンが発売されたのは1983年。それと同時期に『ドンキーコング』『ポパイ』『ベースボール』などが発売され、また『ポパイの英語遊び』『ドンキーコングJr.の算数遊び』などもリリースされました。しかし、ここで幻のソフトがあるのをご存じでしょうか。それは『ドンキーコングの音楽遊び』。
これは、ファミコン発売時に配布されたチラシに掲載されていたタイトルです。
■ファミリーコンピュータ 任天堂パンフレット&TVCMコレクション 1983~1986 (リンク切れ)
これに書かれている数少ないデータからは、「いろいろな音楽が楽しめる」「カラオケが出来る」「マイクを使う」といったものが書かれています。しかしほぼロンチの時点からマイクとは、『バンゲリングベイ』や『たけしの挑戦状』もびっくりですね。
しかし、このソフトはここまで画面が出来ているにもかかわらず、発売されることはありませんでした。理由は一切不明です。画面写真だけ先に作ったけど出来が満足行くものではなかったのか、音楽の市場は狭すぎると判断したのか、それとも収録する音楽が著作権関係で引っかかったのか……すべては推測するしかありません。
でも、ここから任天堂はすでにゲーム内に「音楽」の概念を認識していたかと思うと、ちょっと嬉しく思うわけですよ。その心が、Wii Musicに引き継がれているのかもしれませんし。
しかし、ファミコンで音楽を重視したゲームってのも見たかったですよね。ぶつ森のおまけとか、クラブニンテンドーの特典あたりででも公開してくれないかなあなんてことを思ったりもします。
※2015/9/18追記
YouTubeに検証動画がありました。