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ゲーム音楽史ドキュメンタリー「Diggin’ in the Carts」EPISODE 1雑感

 

前のエントリーで書いた『ディギン イン ザ カーツ』のEPISODE1が、公開されました。

Diggin’ in the Carts:(ディギン・イン・ザ・カーツ) エピソード1

 

15分程度の動画ですが、なかなか興味深く、楽しく見ることが出来ました。資料的価値もあるかと。

内容は大ざっぱに以下の通り。

・今回はビデオゲームの黎明期からファミコン時代スタートくらいまで。

・『ポン』や『スペースインベーダー』をふまえつつ、音楽としての創始を『ラリーX』としていて、そこからナムコのアーケードゲーム音楽をビデオゲーム音楽の大きな存在としてクローズアップしている。

・元ナムコ小沢純子さんへのインタビュー。本人及び現バンナムの大久保博さんの説明を交えて、当時の音源(波形など)について説明。

・次にファミコンの普及に時代が進み、当時任天堂の田中宏和氏(『バルーンファイト』など多数)へのインタビュー。

・田中さんが語るレゲエ文化(レトロゲーじゃなくて音楽のほう)とゲーム音楽制作について。

以下、個人的な感想(雑感)を軽く書いておきます。

 

・小純子さんのインタビュー、田中宏和さんへのインタビューは共に貴重で面白い情報。資料としてとっておきたい。

・NBGI大久保氏の波形解説もわかりやすく、実機を交えてのものであまりゲーム音楽の技術に詳しくない人にも伝わりやすかったのではないか。

・洋楽にどれほどゲーム音楽の影響があったか、つまり欧米ののユーザーにとってゲーム音楽の与えた影響は日本のそれとまた別にいろいろあるのかというのは、知りたいところ(情報的にはわかっても、実感的にはわかりにくいから。とはいえ海外の人にとっては日本のユーザーのそれもそうなんだろうけど)。

・ただ、ナムコゲームをゲーム音楽の大成者とするなら、もう少し大野木宣幸さんあたりに触れてもよかったのではと(これはインタビュー構成上の都合が大きいと思うが)。特に『ニューラリーX』と『マッピー』の存在は大きいと思うので。

→☆知らない人用に解説:大野木宣幸氏はナムコの最初期のサウンドクリエイターで、小沢さんの先輩でもある。『ニューラリーX』『マッピー』といった、ゲームの効果音の羅列をはじめて音楽として多くの人に認識させたという、ゲーム史を語る上で欠かせない人。

・あと国内初のゲーム音楽CD『ビデオ・ゲーム・ミュージック』についても触れないと、そこから先のサントラ方面におけるゲーム音楽史が説明しづらいのでは(次回以降やるかもしれないけど)。

→☆これも知らない人用に解説:『ビデオ・ゲーム・ミュージック』は、アルファレコードレーベルで1984年に出された、日本初のゲームサウンドトラック。プロデュースはYMOの細野晴臣氏。収録はナムコのアーケードゲームだが、ゼビウスなどは効果音込みでミックスされて出されている。

↓これは後からリリースされたCD版。

B00005HQB4
ナムコ・ビデオ・ゲーム・ミュージック

・小沢さん、田中さん両方のインタビューからも、当時のゲーム業界が黎明期であったが故、何もないところで手探りであったけど、それ故に自由な感じがあったのだと伝わる。今でいうベンチャーよりもよほど自由であったのかもしれない。

 

ともあれ貴重な資料となるのは確実と思うので、次回以降も楽しみにしたいと思います。

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