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ゲームにはまだまだ実物の方向キーやボタンが必要だと思う話

先月iPhone4を購入しました。スマートフォン自体購入したのは初めてだったのですが、たしかにいろいろと楽しいし便利。購入してよかったと思います。

さて、iPhoneといえばゲーム系のアプリも豊富で、以前から既存のゲームハードに取って代わるくらいになる、という予測を見ることがあります。

■参考:ゲーム機「iPhone」大ヒット 近い将来「DS」「PSP」抜く? (1/2) : J-CASTニュース

■参考:“ゲーム機”「iPhone」が 市場を席巻する日(前編):日経ビジネスオンライン

これは携帯電話としての市場としてや、ソフトの単価が安いことなどから言われることでしょう。ただ、自分はiPhoneがそれなりにゲームが遊べるようになるというのはともかく、既存のゲーム機にとってかわるというものに対しては、前から懐疑的なのですが。というのは、既存のゲーム機とiPhoneは別の位置づけにあると思うので。

■参考:

iPhoneの市場と既存携帯ゲーム機の市場は重ならないと思う話
最近「iPhoneが携帯ゲーム機の市場を脅かす」的な話題が出てくることがわりとあります。しかし、これらを見る度に違和感を覚えるのですよね。というのは私は「携帯ゲーム機(PSPやDS)とiPhoneはほとんど重ならないもの」と思っているので。...

 

で、実際にiPhoneを購入し、有料無料含めてそれなりのゲームをやってみて、その思いは強くなりました。たしかにiPhoneのアプリゲームは安く、場合によっては無料なのに出来の良いものが多く、ついつい遊び込んでしまうものも多数あるのですよね。それでも、iPhoneではゲーム機として(正確には現在出ているゲームをプレイする環境として)不完全なところがいろいろとあります。その中で個人的に大きかったのは「バッテリーの問題」と、「操作インターフェイスの問題」。

バッテリーというのはその持ちの短さと、電話やメールなど他の機能と併用するためにそれを切らすことが出来ないという制約。ただこれは将来的にバッテリーの技術が高まれば解決するかもしれません。ただ、問題は操作インターフェイスの方。もっとわかりやすく言えば、コントローラにおけるボタン。iPhoneにはないこれはゲームをする上でまだまだ重要なものだと思えるのです。

 

iPhoneやiPod Touchは言うまでもなく、タッチパネル、それに傾き感知(たまに音声認識)を使って操作をします。一番よく使われるのはタッチパネルの操作なのですが、これで操作をしようとすると、大きく感じた欠点が二つ程ありました。

ひとつめは、タッチパネルで操作を使用とすると、画面が指にかかってしまうので、その部分が見えなくなってしまうということ。とりわけ一瞬を争う操作が必要なアクション系ではそれがけっこう引っかかりました。iPhoneで大人気のシューティングで『APACE INVADERS INFINITY GENE』というものがあり、やり込むたびにステージや自機が変化してゆくなかなかおもしろいものなのですが、操作がタッチパネルなのでどうしても指が邪魔になって見えないところがあるのが不満でした(『ストIV』も同じく。操作系はなかなか工夫していると思ったのですけどね)。

もうひとつは、「ボタンのように押した感覚が触覚だけでわからない」ということ。iPhoneのゲームでは、操作ボタンをタッチパネル内に配置して、コントローラのようにしているものが多くあります。しかし、これらを押してもタッチパネルでは触覚による反応がありませんから、視覚(場合によっては聴覚)でボタンによるアクションが起きたか確認するしかありません。しかし、これはやってみてわかるのですが、かなり面倒なのですよね。とりわけ、なんかもボタンを押す必要がある場合、視覚でいちいち確認するより、触覚がどれだけそれをわかるやすくしているか、というのを実感しました。あと、押し間違いが多い。リアルなボタンの場合、左右の出っぱりを感じるので押し間違いがそれほど多くないのですが、タッチパネルだと平面なので、ちょっと位置がずれると違うボタンを押してしまうのですね。

一番は、方向キー。iPhoneでも四方移動をするために十字キーのような表示をタッチパネルにしているものがあるのですが、これが何処を押したのかわかりにくい。というのは、十字キーの場合上を押したら下が浮き上がり、見美を押したら左が浮き上がるという感じで、押していることを実感できたのですが、それがわからないので。もちろんこれは長年の慣れもあるとは思いますが、それだけ何気なく使っていた十字キーが「どの方向を押している」というのを伝えるのにすばらしいインターフェイスだったかというのを実感させられることとなりました。

とはいえ、これはiPhoneに限ったことではなく、DSのタッチパネルでも言えることで、手が邪魔になって見えないってことはわりとありましたし、タッチパネルをボタン風に使っているゲーム(Newマリオのアイテムボタンなど)では同じように感じたことがあります(ただ、DSの場合ボタンが横にあるので、ボタンとしての役目を持たせるものはそっちを使うことが多かったのであまり気になりませんでしたが)。

 

ともあれ、このような意味において、多少の影響はあるにせよiPhoneが既存のゲーム機を食いつくつということはないと思えるのです。

タッチパネルというのはまだまだゲームのインターフェイスとしては未完成なものだと思うのですよね。でも、考えてみれば当然です。DSもiPhone(iPod touch)も発売されたのは2000年以降、まだ10年も経っていないのですから。しかしファミコンが生まれ、方向キー+ボタンのインターフェイスになってから30年近くが経とうとしています。アーケードのレバー&ボタンだとさらに歴史があります。今までのゲームは基本、そのインターフェイスを前提として発展してきたのですから、それが急に取って代わるのは不可能なのではないでしょうか。

ただ、今後5年、10年と経ちタッチパネルに最適化されたゲームが多くなるともっと可能性が出て来るでしょう。ただ、それでもゲーム機からボタンが無くなることはないのではないでしょうか。だって、照明などのスイッチもデザインや場所的に考えれば平面のほうがよさそうだし、技術的にはそう出来るはずなのに(そういうのも一部でありますね)、多くの場合出っぱりとなっているのですから。

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