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「場面」としてのゲームミュージックというジャンル

さて、トラックバックしていただいたヨタの日々さんのエントリーにて、興味深い話が書かれていたので、それを参考とさせていただいて以前から取り上げようと思っていたゲームミュージックというジャンルというものについての、他音楽ジャンルとの違いも絡めて書こうと思います。
実は最初は、iTunes Storeでのジャンル分けから「ゲームミュージックやアニソン、映画音楽といったいわゆる『サウンドトラック』というジャンルだけは、他のジャンルのような”曲調”で区別されているものとは異なり、”属す媒体(映画やゲーム、アニメなど)”によって区別されている」という趣旨のことを書こうと思っていました。
しかし、ヨタの日々さんのエントリーを参考にして、音楽のジャンル一覧(Wikipedia)などを読みつつよくよく考えてみると、サウンドトラック以外のジャンルが必ず”曲調”で区別されているかというとそんなことはない、というのに気づかされました。
ちょっとだけ話が逸れますが、iTunesを使ったことのある方ならわかると思いますが、ネーミングを手動ではなくCD-DBを使ってやっている方は、ジャンル分けでのソートってほとんど役に立たなくありませんか?
というのも、各アルバムによってジャンルが異なり、「J-POP」でも「rock」だったり「pops」だったりでなかなか統一されていません。しかもアーティスト一人でも統一されていないことが多いです。
あと、iTunes以外のリモートCD-DBでも、1枚のCDでジャンル違いの2種類が登録されていることもありますね。まあこれはJ-POPだけではなく、ゲーム音楽でも「game」と「soundtrack」で出てくることがありますし。
このように「J-POP」という一見音楽の”曲調”を示しそうな単語も実はそうとは言えないんじゃないかと思うのです。(余談ですが、やっぱり日本の人がJ-POPで思い浮かぶのって、サザンとか浜崎あゆみとかあたりでしょうかね?)
日本の場合、CD屋で売っているオリコンチャートするものはほぼすべて「J-POP」の棚に入っています。しかし、そのままYMOやブルーハーツのジャンルを「J-POP」と言うと、多くの方から怒られそうな気もします。
そもそも、「J-POP」ってのも曲調から生まれてものではなくて、洋楽ばかり放送していたラジオ局のJ-WAVEが日本の曲を流すための時用に便宜的につけたものという経緯があるのですけど。
さて、じゃあ何でこんな差異が生じるのか、考えてみました。
「人によってジャンルの感じ方が違うから」というのもたしかに正解でしょう。しかし、それよりも大きな要因があると思います。
それは、音楽のジャンル分けには2種類のパターンがあるからではないでしょうか。
ヨタの日々さんに書かれていた「場面」「形式」という言葉を借りれば、

・「形式」におけるジャンル分け
…音楽の曲調、音色など、音が嘘のものに依存する分類。
テクノ、アンビエンツ、ロックetc
・「場面」におけるジャンル分け
…使われている場所によっての分類。
映画音楽、アニソン、ゲーム音楽etc

という違いがあるのかと。
で、この2つは互いに兼ね備えることが出来ると思うのですよ。映画音楽でロックを使えますし、ゲーム音楽でテクノを使えるといった具合に。
ちなみに「形式」同士で2つのものが重なると、それは論争になるか、はたまた新たなジャンルが生まれると思いますし、「場面」同士で重なるのは場面を2つ兼ね備える状況があまり想定できないので、かなり特殊な場合を除き不可能だと思います(アニメ構成のゲームとか)。
ただし、必ずしも「場面」は「形式」を内包しなければいけないか、というとそうではないと思います。
というか、ゲームミュージックというジャンル自体、ハードの制約から生まれた非常に特殊なジャンルだったと言えます。ですので、「形式」で定義できないものがあると思うのです。
さらに、アニソンや映画音楽の中にも、今までに見られないような独自の「形式」が生まれている可能性はあります。
例えばヨタの日々さんでも書かれているように一見クラシックのような音でも、そのジャンルでは普通あり得ない形式、ってのがすでにあるみたいですし。これも一種の「ゲームミュージック」というジャンルの特色といっていいのではないでしょうか。
そんなわけで、ゲームミュージックは無理に他の「形式」に分類する必要はなく、「ゲームミュージック」というジャンルでいいじゃないか、と思うわけです。
近年、ゲームの音楽が音源向上により限りなく今までのようなゲーム独自の音源から普遍的な音源に変わっていくことでゲーム音楽らしさがなくなるという話がありました。これは『世界樹の迷宮』開発者インタビューからですが、このゲームではFM音源をサンプリング使用しているとか
そういった現状での問題提起と過程自体も、ゲーム音楽の進化の過程ではないかと思えます。
ちなみにサウンドトラックとして先に誕生していた映画音楽だって、それで不都合なく、且つ映画でしか使えないような音楽(とてつもなく短いものとか、動きに合わせたものとか)を独自に編み出してきたわけですし、「ゲームミュージック」も、独自の形式で進化していくのではないかと思っています。
さて、10年後のゲームミュージックは、想像の範囲内で治まっているのか、それとも想像をはるかに超えたものになっているのでしょうか……
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★追記
もしかしたらすでにゲームミュージックという「形式」が存在しているとも言えるのかな?とも思いました。
まあ定義は非常に難しそうですけど。というか無理かな?

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