ここのところ任天堂つながりだったからもうひとつ。
最近の売り上げランキングを見ていると、去年の同時期に比べてかなりDS,Wii以外のソフトが食い込んできているのが目につきます。
■週間ソフト&ハードセルスルーランキング(メディアクリエイト) (最新ランキングなので、今週以降変動します)
2008年7月28日~8月3日のランキングでは、1位がPSPの『ファンタシースターポータブル』、2位はDSの『リズム天国 ゴールド』、3位がDSの『ドラクエV』、4位がPS3『ソウルキャリバーIV』、5位がPS2の『実況パワフルプロ野球15』、6位がX360の『ソウルキャリバーIV』と、7位にWiiの『零 ~月蝕の仮面~』と、ハードが均等になっている感じです。
全体的にはまだDS、Wiiの数が多いですが、去年に比べて上位陣はかなり変動している感じです。特に、PSPの復活っぷりが顕著な感じ。
さて、これを見て、そして状況を感じて気になったことが2つあるのですが、今日はそのひとつめ。それは、「任天堂の子供向けと思われるソフトが、奮っていないこと」。
昔から、任天堂は夏休みに強いと言われていました。帰省中の子供が交通機関内でプレイしたり、帰省先で祖父母にソフトを買ってもらうので、子供向けに強い任天堂のソフトが売れるからです。しかし、今年は7/24発売の『ワリオランドシェイク』が11位、7/10発売の『伝説のスタフィー たいけつ!ダイール海賊団』が23位と、だいぶ下がります。もし、これが夏休みを狙って出していたのだとしたら、ちょっと弱すぎることになります。
ただここで、「任天堂の夏休み神話は崩壊して、下がり調子になっている」と断定するのは、ちょっと早計過ぎるでしょう(その可能性もある考えから否定できませんが、それはまた後日)。
ひとつは、まだこのデータの時期はお盆休みに突入していないこと。また、子供が子供向けのみを買うとは限らず、『リズム天国ゴールド』や『ドラクエV』もあるので、そっちを買っている可能性も高いこと。さらに、去年までが異常だったことなどがあります。
さらに考えると、この「任天堂の夏休み神話」自体、クリスマス商戦と違って、任天堂が狙っていない可能性もあるのですよね。実際ここ数年、過去の発売時期を見ても、夏休みを当て込んで、7月に投入したソフトが子供向けということもなければ、大作もそんなありません。どちらかというと、サードパーティーのほうに多いです。
そして任天堂の大作が発売されるのは、むしろ9~12月の、クリスマス商戦に続く時期。今年も9月の『ポケットモンスター プラチナ』は、今のところ有力ですね。(ちなみにポケモンシリーズの発売時期は、歴史的にシリーズの多くが9~12月が多い。これってやっぱり「学校が始まって、みんなで交換できるようになってから」ってことなのかな?)
まあ、そんな状況で買うのも最新のソフトとは限りませんので、ランキングにも影響しないのかも。
でも、秋に注力するということならば、特に今年のクリスマス商戦は、ある意味ゲーム業界の勢力傾向を見る、いい機会になるかもしれません。そうなると、一度は勝負がついたと思われる市場は、混迷になるのか、それとも理想通り棲み分けが出来て、どれも売れるのか、はたまたどのゲームも売れなくなって、冬の時代再突入か……
今年も夏休みに帰省される方、旅行に出かけられる方は多いでしょう。その時、周りの子供が持っているハードは何か、そしてプレイしているソフトは何かを(親御さんから怪しい目で見られないように)注目すると、いろいろ面白いかもしれません。