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『里見の謎』に見るゲーム内での歌曲演出の不整合例

ゲーム音楽において、「歌」が使われることというのは多々あります。主題歌はもちろんのこと、ゲーム中にも流れることがありますね。例えば『レッツゴー!陰陽師』は『真・豪血寺一族~闘婚』のステージ曲ですし、スマブラXでもファイヤーエムブレムのテーマやアシュリーのテーマなどが歌つきで流れます。しかし歌つきのBGMとなると、どうしてもインパクトが強くなるために、下手をすると場面を食ってしまう可能性もあるため使われる場所は限られます。でもその場面に負けないような効果的なところで使えば、極上の演出となりますね。途中での山場に使われ想いを強調する『ルナ~シルバースターストーリー』の「風のノクターン」(ごく一部の人には「しぃのうた」と言った方が有名か)、ラスボスで最大の盛り上がりを演出する『ファイナルファンタジーVII』の「片翼の天使」等。
しかし、これは失敗してしまったんじゃないかなあ……という作品というのもいくつか存在します。例えばこの『里見の謎』。
いろいろなクソゲー系コラムで有名な当作品ですが(参考:Wikipedia-里見の謎)、実はこのゲームにもゲーム中に歌が流れます。それはラスボス戦なのですが……正直かなり外れています。ラスボスの演出が弱いのもありますけど、完全に両者がちぐはぐなのですよね。

でも、今聞いてみると歌自体は(素人っぽいし当時でも古くさい感じですが)洒落にならないくらい悪いわけではないと思うのですよ。これくらいなら他のゲームでもよくありましたし、チープさがなんとなく昔のゲームぽくていい感じですし。ですのでこれが別の場所で効果的に使われたのでしたらそこそこ良い演出になったと思うのですが、組み合わせが最悪でこうなってしまったと。それにここでもこの曲ではなくて、ドラクエIIIのラスボス曲とか流れたら、それなりだと思うのですけどね。逆に言うと、まんまファミコンの演出……いやいや。(追記:いや、やっぱりそれでも無理かもしれない)
何が言いたいかというと、歌曲はインパクトはありますが、それ故に周りにもその力がないと全体を壊してしまうので使うのが難しいということですね。
そんなわけで、歌が流れる場面ではそれを受け止める土壌も作られているかというのをちょっと気にしてみると面白いと思います。

 

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