先日、『バトルガレッガ』のサントラ及びリメイク新作が発売されるということを書きましたので、今日は制作元が同じライジングが『ガトルガレッガ』の次にアーケードで出したシューティング、『蒼穹紅蓮隊』の話をその音楽を中心に書いてゆこうと思います。
『バトルガレッガ』の次に来た『蒼穹紅蓮隊』
1990年代後半、ゲーセンにいきなり登場し、その超高難易度にもかかわらず「レベルを下げる」という攻略が広まるとシューターを魅了した『バトルガレッガ』。制作、販売したライジング&エイティングはそれまでも『魔法大作戦』シリーズが知られていましたが、この作品でさらに一気にシューターに知られる存在となり、次回作に注目が集まりました。
ネットがまだまだ未発達の時代、私はその情報はゲーメストで知りましたが、実機をはじめて見たのは、たしかゲーメストあたりのイベントだったと思います。
ゲームは横画面縦スクロールで、ショット&ボム、それにロックオンミサイルつき。進むだけなら(少なくともガレッガに比べて)さほど難しくはないけど、稼ぐとなると難しいというもので、個人的にはアーケードよりその後で発売されたサターン版でかなりハマりました。
この作品のもうひとつの特徴は、なんといっても演出。特に明朝体文字演出がインパクトがあるものでした(おそらく当時社会原現象にもなっていた初代エヴァンゲリオンの意識はあったでしょうが)。更に近未来世界での企業戦争というバックストーリーもしっかりしており、当時のセガサターンマガジンにおいて小説が連載されていました。
『蒼穹紅蓮隊』の音楽
そして音楽。担当したのは崎元仁氏。この当時、コンシューマでも遊んでいた『タクティクスオウガ』と同じ人と知って驚いたものです。
実はこの『蒼穹紅蓮隊』、セガサターンとの互換基板であるST-V基板というものを元に作られているのですが、その内蔵音源で作ってあるのですね。しかしその音源の特製を生かしながら美麗に仕上げて演出を強化し、且つシューティングとしての迫力を併せ持つというすばらしいものに仕上がっています。ちなみに崎元氏は後にあの『レイディアントシルバーガン』でも同じくST-V内蔵音源でアーケード版音楽作ってしまっていたりします。
BGMはシューティングの基本形であるステージ曲とボス曲の組みあわせですが、一度使ったフレーズをほかに組み込んで一部リミックスのように仕立て盛り上げるという『レイディアントシルバーガン』でも効果的に使われた手法がとられており、とりわけ最後のボスでは高揚感を高めます。ちなみにタイトルは全部漢字。個人的には1面曲である「大田区上空」や2面曲「衛星軌道上」、これだけ名前が変わっている「突撃秋嵩君」(4ボス。ドアップで登場して存在感があるので有名)、「海鳳回転」などが好み。
かつてはサントラ入手に苦労した
しかしこのサントラ、出回りが少なく、気づいた頃には既に廃版となっていて、ゲームサントラ集めを本格的に始めた時2000年前後には手に入れるのに苦労をしました。実はサターン版の『蒼穹紅蓮隊』にはCD-DAで過去のライジングゲーム(『魔法大作戦』『疾風魔法大作戦』『バトルガレッガ』)が入っているという豪華仕様だったのですが、『蒼穹紅蓮隊』だけ内蔵音源だったせいか収録されておらず、音楽を聴くにはサントラが必要だったわけです。それでも探し当てて手に入れた時の喜びは、初期のこのブログでも書いてあったりします。
ま、今ではベイシスケイプから再版されて、簡単に入手できるのですけどね。こっちも買いましたが。(ちなみに現時点では市場にあるけど、いつなくなるかはゲームサントラのいつものパターンでわからないので欲しいなら即をオススメ)。
機会があればゲームもやってほしい
残念ながらゲームのほうは今では入手困難で(このブログ始まった頃は「入手は難しくない」って書けたのですけどねえ……)、PS版なら幾らか出回りはあるかも、というところです(今は亡きデータイーストから発売)。ただそっちは追加機体があるものの処理落ちしやすので、ソフト、本体とも入手が簡単ではないですが、出来ればサターン版でのプレイをオススメしたいです。
ともあれサントラは今なら手に入るので、こちらを聴いて崎元節に浸ってみるのもよいでしょう。