1990年代半ば、アーケードゲームでは『ストリートファイターII』の大ブレイクをきっかけとして、格闘ゲームの大ブームが起こりました。そしてそれは数々の同ジャンルゲームも生み出します。それは『ヴァンパイア』シリーズや『餓狼伝説』『侍魂』シリーズをはじめとするNEOGEO対戦格闘、『豪血寺一族』シリーズや『ファイターズヒストリー』シリーズ、『わくわく7』、『闘姫伝承』『サイバーボッツ』などといったものもありましたね。
しかし、過去のアクションやシューティングがそうであったように、ブームとなったジャンルにはそういったメジャーなものの反面、たいして注目されもせずになくなっていったものもあります。今日はそういったものにちょっとスポットを当ててみましょう。
2D格闘編
マーシャルチャンピオン・ドラグーンマイト(コナミ)
当時のアーケードゲームの有力メーカーは、セガ、ナムコ、コナミ、タイトー、カプコン、SNK(含むネオジオ系)あたりでした。その他アトラスやバンプレストもありましたけど、この6つがJAMMAショーで一番大きいブースをとっていました。
というわけで、カプコン、SNKでの格ゲー大ヒットを見てコナミも格ゲー参入したのが『マーシャルチャンピオン』。とはいえ、企画段階ではイーアルカンフーIIだったとか。しかし、正直あまり目立った要素がなかったために出回りも悪く、すぐに消えてしまいました。
で、懲りずに『ドラグーンマイト』という作品も出したのですが、こちらも同じく。まあすでにストリートファイターシリーズとSNK関連作で市場が埋まっていたので、入る余地がなかったのでしょうね。
カオスブレイカー・カイザーナックル(タイトー)
タイトーも参入しました。ですがまあ結果は同じ。ちなみにカイザーナックルは、KOした時に医者が来て、首を振るシーンだけが印象に残っています。ちなみにカイザーナックルは2の計画もあったそうですが、それは中止。そして『サイキックフォース』に繋がるとか。
ちなみに『ダイノレックス』はちょいと違うので入れません。
大江戸ファイト(カネコ)
ある意味で有名なカネコの実写格闘ゲームです。ひとことで言えば、日本版『モータルコンバット』。つか、YouTubeにありましたが、貼るのがためらわれるのでやめておきます。(どうしてもって方はこちらから。残虐っぽい描写あり。)まあ目立ったけど、ヒットしたのかどうかは不明。
ちなみに同社では『富士山バスター』という作品もあるけど、これはわりと普通……か?
3D格闘編
ファイターズインパクト(タイトー)
タイトーがこれでもかと出してきた3D格闘ゲーム。
しかし、時はバーチャ3の話題一色だった時にグラフィックが前時代ポリゴンであったせいで、あまり話題にならず消えました。そこそこシステムや世界観はよかったのですけどねえ……
しかしこのゲーム、とてつもなくよいものがひとつあります。それはYack.氏音楽。特に「道-road-」は最高。もし音楽の出来÷ゲームの知名度なんて指数があったら、私の中で1、2を争うと思います。
ちなみにタイトーのもうひとつの3D格闘ゲーム『サイキックフォース』シリーズは、キャラ人気(主に女性方面。ゲーセンのビデオゲームフロアにあれだけ女性がいたのをはじめて見た時期でもあります。by当時新宿タイトーインゲームワールドに通っていた者)もありスマッシュヒットしたので結果オーライかな。
スターグラディエーター(カプコン)
2D格闘の雄だったカプコンも、2Dの勢いが落ちてくると3D格闘に参入しました。で、これ。
出来はそんなに悪くはなかったのですが、ちょっとインパクトがなかったですかねえ……でも2も出ました。でもこれはこの中ではそこそこ出回っていたかも。
しかしカプコンの3D格闘って、『私立ジャスティス学園』にせよ、『ストIIEX』(正確にはアリカ製)にせよ、なんだか2D格闘のシステムが強く残っているものが多いような。
侍魂(ハイパーネオジオ64版) (SNK)
SNKの黒歴史に近いもの。サムスピを3Dにしたのはいいんだけど、ポリゴンカクカクで、しかも3Dにしたメリットもあまり感じないという。
ネオジオ64って、コンシューマ用としてリリースされる予定あったのかなあ……
ファイティング武術(コナミ)
2D格闘でコケたコナミが、基盤をすごいものにして再び格ゲー参入したのがこれ。発売前はゲーメストにトップ特集されるくらい綺麗なグラフィックでした。バーチャ3クラスですね。
でも……外しました。出回りがほとんどなかったのですね。ちなみに鉄拳と同じように2ndも出て、そこのコスチュームにはときメモの制服なんてものがあったりして、当時のコナミの迷走がうかがえます。
格ゲーでは当てられなかったコナミですが、次の5年をビーマニシリーズでゲーセンのメイン的存在になるのはまたそれも歴史。
まとめ
歴史は繰り返します。今ヒットしているジャンルでも、その影ではいくつもの2番手狙い作品が潰れ、そして数年後にこのようにひっそりと注目されるだけになるゲームがまだまだ出てくるでしょうね(今なら実用、脳トレ系DSソフトかな?)。