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ゲーメスト対象ベストVGM賞から見る1994年のアーケードゲーム音楽の大激戦

以前『1997年時点でのアーケードゲーム歴代人気投票』において、『ザ・ベストゲーム2』のランキングを引用しました。

1997年時点でのアーケードゲーム歴代人気投票
ファミ通が1000号を達成したということで、『読者が選ぶ未来に伝えたいゲームTOP100』というものが発表されています。

これにはそれとは別に歴代ゲーメスト大賞の受賞作も載っております。一応説明すると『ゲーメスト大賞』というのは、その年に出たアーケードゲームのランキングを読者投票で決めるもので、ゲーメスト大賞の他にベストシューティング賞やベストアクション賞、ベスト対戦格闘賞などがありました。そして「ベストVGM賞」という名前で、その年一番人気のあったVGMについても投票がされております。
そしてこれを今見ると、非常に面白いのですよね。というわけで今日はそれを。

 

ゲーメスト大賞1988年~93年のベストVGM賞ベスト3

まず、はじめてVGM賞が設立されましたゲーメスト大賞第2回(1988年)から。

■第2回(1988年)
1位 ニンジャウォーリアーズ(タイトー)
2位 グラディウスII(コナミ)
3位 A-JAX(コナミ)
■第3回(1989年)
1位 ワルキューレの伝説(ナムコ)
2位 ダライアスII(タイトー)
3位 ストライダー飛竜(カプコン)
■第4回(1990年)
1位 グラディウスIII(コナミ)
2位 パロディウスだ!(コナミ)
3位 ムーンウォーカー(セガ)
■第5回(1991年)
1位 ストリートファイターII(カプコン)
2位 ドラゴンセイバー(ナムコ)
3位 出たな!!ツインビー(コナミ)
この年のゲーメスト大賞ベスト3と、VGM賞ベスト3は全く同じ。
ちなみに『ガンフロンティア』は大賞7位、STG部門5位、演出5位、VGM8位と当時はあまり評価の高くなかったようで。
■第6回(1992年)
1位 ゼクセクス(コナミ)
2位 メタルブラック(タイトー)
3位 ストリートファイターIIダッシュ(カプコン)
■第7回(1993年)
1位 サムライスピリッツ(SNK)
2位 餓狼伝説スペシャル(SNK)
3位 スーパーストリートファイターII(カプコン)

ゲーム音楽にあまり興味のない人も投票できてしまう関係上、どうしてもその年の流行ゲームが強くなってしまう傾向はありますが、それでもゲーム人気とは切り離された形で上に出てくるものがありますね。珍しいところでは『ギャラスティックストーム』が他ではランクインされていないのに、第6回の6位だったりします。

 

大激戦の第8回(1994年)

そして第8回(1994年)、この年の順位は全部見てみましょう。

1位 ヴァンパイア(カプコン)
2位 豪血寺一族2(アトラス)
3位 ザ・キングオブファイターズ’94(SNK)
4位 ダライアス外伝(タイトー)
5位 レイフォース(タイトー) ※ポイント数は4位と同数
6位 極上パロディウス(コナミ)
7位 デイトナUSA(セガ)
8位 リッジレーサー(ナムコ)
9位 究極戦隊ダダンダーン(コナミ)
10位 龍虎の拳2(SNK)

今見ても、代表的な名曲が多いです。当時は2D格闘ゲームが超のつくほどのブームで、上の3つに人気が集まるのはもちろんですが、にもかかわらず冬にさしかかっていたシューティングの3つをはじめとしてあらゆるジャンルがランクインしたのはすごいです。そしてこの年は今までにないくらいの激戦だったと思います。何せ『バーチャファイター』がランク外なのですから(大賞では3位)。他ランク外は『リッジレーサー2』、『ソニックウイングス2』、『疾風魔法大作戦』等々。

そういえばこのあたりがゲームサントラのリリースが一番盛んでしたね(主にサイトロンレーベルですが)。音楽的にもアーケードゲーム的にも、一番盛り上がっていたのがこのころかもしれません。

 

それ以降

そして次の1995年からも『バーチャファイター2』の大ヒットのおかげでゲーセンは盛り上がりますが、反面他のジャンルの衰退が激しくなったように思えます。参考までに第9回のVGM賞は1位ヴァンパイアハンター、2位KOF’95、3位バーチャ2(『レイブレーサー』は4位)、そして次の年の第10回は1位バーチャロン、2位KOF’96、3位レイストームでした。それから次の年はまだありましたが(資料は当時のゲーメストがあるけどちょっと出すのめんどいのでまた今度)、ここから音ゲーのブームと平行するように、ゲーメスト発行元の新声社が破産、そしてゲーメストは終了します。

 

この盛り上がりを再び

ちょいとアーケードゲームの歴史的回想になってしまいましたが、アーケードゲームが激戦で全体が盛り上がったように、アーケードゲーム音楽もそういうふうに盛り上がって、サントラがバシバシ出された時期があるのですよね。そして当時の盛り上がりがなければ、私は今、ここでブログを書いてはいないでしょう。

今日はVGM賞ということで順位をつけたものを取り扱ってきましたが、基本的に音楽なんてものは聴く人毎の好みなので比較は非常に難しいと思います。当時から音楽の順位は音楽と関係ないところでのゲーム人気もポイントになりやすいと思ってますし。おそらく年度ごとのゲームについて今投票を取り直すとだいぶ変わるでしょうし。

だけど、順位をつけるのではなくて、後年こうやって総合的に見て、ああ、ジャンル衰退してたのにこのゲームの音楽は頑張っていたなとか、ゲーム人気はたいしてないのにこの音楽はけっこう上だなとかいうように見てみるのは面白いのではないかと思ったりしました。

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