ドラクエに隠された創意工夫

先日『ゲーム攻略サイトはゲームの面白さを損なうのか』において、『おとなのしくみ』に掲載された堀井雄二さんのインタビューについてちょっと触れましたが、それが非常に興味深いものだったので、今日はそれについて取り上げたいと思います。
4757703058
おとなのしくみ (1) (Beam comix) : 鈴木 みそ : 著者

これは、2000年当時『ファミ通』誌上に連載されていた鈴木みそさんの『おとなのしくみ』で取り上げられたものです。内容は、『ドラゴンクエストⅦ』を発売前にしてみそさんが堀井さんにインタビューをしに行くというものなのですが、みそさんと堀井さんが昔からの知り合いで、15年ぶりに会ってのことなので、かなりフラットに会話が進みます。
ちなみにマンガにもちょっと書いてありますが、堀井さんが駆け出しのライター時代に投稿誌『OUT』誌上でコーナー連載をしていて、それに投稿していたのがみそさん、さらに『週刊少年ジャンプ』誌上で堀井さんが「ゆう帝」として活躍していたのとほぼ同時期に、みそさんは『ジャンプ放送局』でアシスタントをしていました。

さて、インタビューでは『ドラクエⅦ』の発売前の話題など様々な妙味深い話題が繰り広げられますが、その中でまず驚くのは「ドラクエⅠの容量は64キロ」という話。

おとなのしくみ4巻

エンターブレイン・鈴木みそ『おとなのしくみ』4巻 P34より

最近、「スーパーマリオの容量は40キロバイト」という話題がありましたが、こちらも現在にしてみれば画像1枚分、いや下手をすればそれ以下。
さらに

 ・ドラクエⅠでは、カタカナは20文字しか使えなかった(小文字含まず)。
・だから最初に名前をつけて、頻度の高い方から20番目までを洗い出して、ない文字を変えた。
・『ポートピア連続殺人事件』では、2キロ足りなくて、全千センテンスあった文章の、一文から1~2文字削った。

といった、容量の制約の中での創意工夫の話もされています。

そして、読んだ時に一番驚いたのは以下の話題。
難易度の話から、「メモを取らなくてもいい難易度」という話になりますが、そこでみそさんが「でもロンダルキアの洞窟(ドラクエⅡ)はメモないと落っこちちゃいましたけどー」との問い。
たしかに当時、あの洞窟の5階では落とし穴に落ちまくった人が多発したと思います。
それに対しての堀井さんの回答。

「あれはずっと壁伝いに進んでいけば落ちないようにしてあったんだけどね」

たしかに、右上の階段から下の階段まで左回りに進んでいけば、一階も落とし穴に落ちません。これはびっくりしました。

★追記

■関連:ドラクエIIのロンダルキアへの洞窟落とし穴フロアに隠された超攻略 | ゲームミュージックなブログ GMDISC.com
でも、当時誰も気づいていなかったのは、このフロアに来た時点でかなり回復アイテム、MPともに厳しくなっていたから精神的に余裕がなかったからかも。私の場合小学生だし。
そういえば、同じくドラクエⅡのラゴス(すいもんのかぎ)のところでも、近くの兵士が「牢屋から出た形跡はないのに……」みたいなことを言ってましたよね。
こんなふうに誰にも見えないくらい細かいものの積み重ねが、ドラクエシリーズを名作にしているのでしょう。

だけど、こういった見えない工夫ってのは重要ですが、見えないばっかりにほとんどの人に気づかれていないものってのも多数あるのでしょうね。そういったものに拍手を送りたいなと思います。

スポンサーリンク

『ドラクエに隠された創意工夫』へのコメント

  1. 名前:K 投稿日:2007/12/01(土) 09:22:47 ID:4bf2f1ae4

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ロンダルキアのはいわゆる右手法ですね
    迷路の解法の一つです
    難度の高い場所にも解法を設けているあたりがさすがと思います
    急がば回れを体現したというか
    ただ、そのインタビューにあるとおり、それに気づかない人間が
    多くて意外だったようですが
    今のクリエイターならそこにも落とし穴を設置して封じかねないような気が…

  2. 名前:カトから 投稿日:2007/12/01(土) 10:26:02 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 3c4eeef822505c61af611452eeb82a0c
    ロンダルキアの落とし穴は
    □■
    □□
    表示の4マスの黒の部分が必ず落とし穴で
    ちゃんと画面を見ながら進めばいいというオチがあったはず。

  3. 名前:匿名 投稿日:2007/12/01(土) 13:24:22 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    私が小学生の頃は、
    一直線に進み壁に当たったら方向転換し、また一直線に進む。
    という感じで進めていました。

  4. 名前:匿名 投稿日:2007/12/01(土) 14:42:48 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: cae16cf034a33d30c094e7449a55e9c8
    ドラクエ3のゾーマ城の回転床のとこもそんなんじゃなかったかな
    たしか階段からずっと上押してれば勝手に抜けられるという

  5. 名前:わくのうえ? 投稿日:2007/12/01(土) 15:51:54 ID:589fc6ab0

    ドラクエの落とし穴とラゴス

    ドラクエに隠された創意工夫
    自力で発見したのか友人に聞いたのかは憶えていないけど
    ロンダルキアの落とし穴もラゴスも当時の私は知っていました
    それでもクリアするのに結構…

  6. 名前:匿名 投稿日:2007/12/01(土) 17:42:50 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 2f7b52aacfbf6f44e13d27656ecb1f59
    ドラクエ3の回転床も同じ。
    90度方向がどちらかに変わるだけなので、穴に落ちる方向にKeyを入れたら絶対に落ちません。はずれだったら戻って180度反対側を押せばOK
    上で書いてあるけど、
    DQ2ではメモリを節約する為に2×2ブロック単位で迷路を作ってその右上に何かがある(宝箱、落とし穴など)なのでそこを避ければOK
    つまり階段の位置から1歩ずつ縦横に動いて後は2歩ずつ動けば落ちません。

  7. 名前:匿名 投稿日:2007/12/01(土) 20:53:21 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: ec6a6536ca304edf844d1d248a4f08dc
    ロンダルキアの件は昔から知っていた気がしたので調べたらファミコン神拳奥義大全書巻の四 ドラゴンクエストIIに書いてありました。
    「この階には、落とし穴がそこらじゅうに散らばっている!(中略)そうなったら右手を壁にふれたまま歩けばいいというぜっ!」

  8. 名前:匿名 投稿日:2007/12/02(日) 01:32:08 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    はっきりとは覚えてないのですが、
    DQ1でローラ姫の居た洞窟。
    明かり無しで突破できます。
    壁に当たる音だけ聞いて、
    方向転換を何回かするだけで。

  9. 名前:  投稿日:2007/12/02(日) 14:39:40 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ↑ポケモンのイワヤマトンネル?もフラッシュなしで進んでたけどあれもそうなのか?

  10. 名前:匿名 投稿日:2007/12/03(月) 17:52:54 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    イワヤマトンネルは完全に見えないわけじゃないだろう

  11. 名前:VIPPERな名無しさん 投稿日:2007/12/03(月) 20:57:29 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    初代のポケモンならGB画面を薄くすれば見えるが、カラーになってからは難しい。

  12. 名前:halo 投稿日:2007/12/04(火) 10:51:22 ID:470252bde

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ローマ数字だと思いますが、機種依存文字はMacやLinuxからは見れないのであまり使わない方が良いと思います。

  13. 名前:匿名 投稿日:2007/12/07(金) 13:06:33 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    カタカナの「ク」が無くて、ダースドラゴンになったんだよね。
    そのくせ「昨夜はお楽しみでしたね」とかネタはさんでるんだからすごい。

  14. 名前:  投稿日:2007/12/13(木) 08:05:38 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: bebf24cde213dd32d619224278b0253f
    DQ3の回転床なら『「こっちが上」って方向』だけ微妙に色が違っていたので、画面を良く見ながら1歩ごとにコントローラの向きを持ち変えて進めば楽勝だった記憶が。

  15. 名前:VIPPERな名無しさん 投稿日:2007/12/18(火) 07:20:12 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コントローラさかさでOK

  16. 名前:中杜カズサ 投稿日:2008/01/23(水) 05:37:45 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: e8ba97729b80f2cccb477afd61f9fc92
    >K さん
    こんにちは。
    >右手法
    堀井さんはそれをふまえてちゃんと作っていた感じですね。そのへんすごい細かくて深い感じがします。
    >カトからさん
    こんにちは。
    私の友人はそれでやってましたね。下のほうで階段が二つあるあたりでは、それも考慮に入れると便利だったかも。
    >NO NAME さん
    こんにちは。
    わたしも当時は小学生だったので、そんな感じでやってましたね。
    > NO NAME さん
    こんにちは。
    わたしの場合は、「行きたくない方向に押す」を繰り返していました。でも上だけでいけるのか……それはすごい。
    > NO NAME さん
    4マス法則はわたしも小学生時代は、友人からそう教えられてました。
    回転床の「とりあえず行きたくない方向に押せ」は、消去法の考えとして、その後の人生で微妙なところで役に立っているようないないような。
    >NO NAME さん
    >ファミコン神拳奥義大全書巻の四
    さすがゆう帝監修の本(正体はいわずもがな)だけあります。

  17. 名前:中杜カズサ 投稿日:2008/01/23(水) 05:47:13 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: e8ba97729b80f2cccb477afd61f9fc92
    >NO NAME さん
    こんにちは。
    >ローラ姫の居た洞窟
    あれも、たしかそれを実行していた友人がいました。まあ単に道を覚えていただけかもしれませんが。
    > さん・NO NAMEさん・VIPPERな名無しさん
    こんにちは。まとめてですみません。
    まあ、ポケモンの場合は偶発的なような気がします。ま、子供対象ってこともあるから、わざと多少そういった余地を持たせたのかもしれません。
    > さん
    こんにちは。読ませていただきました。ありがとうございます。
    >NO NAME さん
    こんにちは。
    ダースドラゴンは当時小学生だったからあまり意味考えなかったですけど、今思えば感心。ちなみに小学生ですので、お楽しみの意味もリアルタイムではわかりませんでした。
    > さん
    こんにちは。
    あれ?色違ってましたっけ。それは気づかなかった(か忘れているか)。
    今度見てみます。
    >VIPPERな名無しさん
    こんにちは。
    >コントローラ逆さ
    リアルタイムではそれやってましたね。ある意味一番確実かも。

  18. 名前:aaaaa 投稿日:2008/05/26(月) 17:27:45 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    かなーり遅レスですがどうしても書きたいので失礼します。
    おまけに記事の主旨とはややずれるので恐縮ですが、すみません。
    気になるのは「容量をけずって小さくしたからすごい」と
    多くの人(このブログの外でも)が言っていることです。
    正確には「容量が少ない中で創意工夫したからすごい」でしょうが、
    どうも私には「他の人が出来なかったからすごい」、
    つまり「他人より知恵がある」と褒めているように聞こえます。
    日本ではいまだに、天才的なプログラム・職人的なプログラム = すごい
    という空気が蔓延してるようです。
    もちろんゲーム内容の方が天才的であるに越したことはありません。
    落とし穴の事はゲーム内容の話ですからいいんですが、
    しかしプログラムに関してはそうではありません。
    天才的 = 不安定となります。
    なぜなら、その一人の天才が抜けたらガタガタになりますから。
    また、天才的な事は天才にしか出来ませんから、プロジェクトは「天才待ち」になります
    (ドラクエの発売スケジュールを思い出してください)。
    しかしそれは株主、経営者の意図に反し、ひいては日本のIT産業の発展の妨げになります。
    長期的には天才は必要ですが、短期的な経済活動とは折り合いがつかないのです。
    それと気をつけなくてはならないのは、
    「容量をけずるのは今ではすごくも何ともない」ということです。
    10年20年前のソフトという事は知ってますが、
    10年20年前のプログラムをいま褒める意味はありません。
    普遍的なメソッドならわかりますが、「容量をけずる」のは今では普遍的ではありません
    (もちろん行儀よいコードが前提です)。
    「創意工夫をすごいと言ってるんだ」と言われるかも知れませんが、
    創意工夫をするのは当然ですし、創意工夫の例が悪い。
    私の危惧は、短いコードを目指して創意工夫する未来のプログラマが増えることです。
    プロジェクトに「ドラクエやスーマリは容量が少ないからすごい」なんて考えてる新入りが来たら、
    たまったもんじゃありません。
    チームの方針をきかないし、自分勝手なコードをよしとしますから。
    ましてやチーム10人中10人が短いコードを目指して創意工夫したら・・・
    見るも無惨なスパゲッティの出来上がりです。
    とにかく言いたいのは「凡人でも(正しいメソッドを正しく使えば)優れたソフトを作れる時代に、
    天才・職人をあがめる必要はない」という事です。
    いつまでも今のような時代遅れの考えが支配的なら、インド、中国にさっさと追い抜かれるでしょう。
    もっともゲーム業界に限っては一発の大ヒットが求められますから、やはり天才は必要でしょう。
    しかしゲーム開発が多人数作業である限りは関係ないとは言えません。
    実際、分業の確立した欧米のゲームに日本は追いつかれようとしています。