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ドラクエに隠された創意工夫

先日『ゲーム攻略サイトはゲームの面白さを損なうのか』において、『おとなのしくみ』に掲載された堀井雄二さんのインタビューについてちょっと触れましたが、それが非常に興味深いものだったので、今日はそれについて取り上げたいと思います。
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おとなのしくみ (1) (Beam comix) : 鈴木 みそ : 著者

これは、2000年当時『ファミ通』誌上に連載されていた鈴木みそさんの『おとなのしくみ』で取り上げられたものです。内容は、『ドラゴンクエストⅦ』を発売前にしてみそさんが堀井さんにインタビューをしに行くというものなのですが、みそさんと堀井さんが昔からの知り合いで、15年ぶりに会ってのことなので、かなりフラットに会話が進みます。
ちなみにマンガにもちょっと書いてありますが、堀井さんが駆け出しのライター時代に投稿誌『OUT』誌上でコーナー連載をしていて、それに投稿していたのがみそさん、さらに『週刊少年ジャンプ』誌上で堀井さんが「ゆう帝」として活躍していたのとほぼ同時期に、みそさんは『ジャンプ放送局』でアシスタントをしていました。

さて、インタビューでは『ドラクエⅦ』の発売前の話題など様々な妙味深い話題が繰り広げられますが、その中でまず驚くのは「ドラクエⅠの容量は64キロ」という話。

おとなのしくみ4巻

エンターブレイン・鈴木みそ『おとなのしくみ』4巻 P34より

 

最近、「スーパーマリオの容量は40キロバイト」という話題がありましたが、こちらも現在にしてみれば画像1枚分、いや下手をすればそれ以下。
さらに

 ・ドラクエⅠでは、カタカナは20文字しか使えなかった(小文字含まず)。
・だから最初に名前をつけて、頻度の高い方から20番目までを洗い出して、ない文字を変えた。
・『ポートピア連続殺人事件』では、2キロ足りなくて、全千センテンスあった文章の、一文から1~2文字削った。

といった、容量の制約の中での創意工夫の話もされています。

 

そして、読んだ時に一番驚いたのは以下の話題。
難易度の話から、「メモを取らなくてもいい難易度」という話になりますが、そこでみそさんが「でもロンダルキアの洞窟(ドラクエⅡ)はメモないと落っこちちゃいましたけどー」との問い。
たしかに当時、あの洞窟の5階では落とし穴に落ちまくった人が多発したと思います。
それに対しての堀井さんの回答。

「あれはずっと壁伝いに進んでいけば落ちないようにしてあったんだけどね」

たしかに、右上の階段から下の階段まで左回りに進んでいけば、一階も落とし穴に落ちません。これはびっくりしました。

★追記

■関連:ドラクエIIのロンダルキアへの洞窟落とし穴フロアに隠された超攻略 | ゲームミュージックなブログ GMDISC.com
でも、当時誰も気づいていなかったのは、このフロアに来た時点でかなり回復アイテム、MPともに厳しくなっていたから精神的に余裕がなかったからかも。私の場合小学生だし。
そういえば、同じくドラクエⅡのラゴス(すいもんのかぎ)のところでも、近くの兵士が「牢屋から出た形跡はないのに……」みたいなことを言ってましたよね。
こんなふうに誰にも見えないくらい細かいものの積み重ねが、ドラクエシリーズを名作にしているのでしょう。

 

だけど、こういった見えない工夫ってのは重要ですが、見えないばっかりにほとんどの人に気づかれていないものってのも多数あるのでしょうね。そういったものに拍手を送りたいなと思います。

 

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