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タイアップ効果の低下とJ-POP、そしてアニソン

昨日は最近のアニソンとJ-POPは「音楽的には」そんなに大きな差はないんじゃないかなあというようなことを書きました。

では、それなのに何でJ-POPの売り上げは下がり、アニソンはオリコンの順位を上げてきたのでしょうか。

まあこれ、お気づきの方も多いと思いますが、単にアニソンがバカ売れしているのではなく、単にJ-POPのCDの売り上げが激減しているのですよね。

売り上げ枚数を見れば一目瞭然で、1997年08月第3週の邦楽シングルランキング情報

順位|  タイトル       |      アーティスト    | 発売日|週間売り上数
1  |HOWEVER      |GLAY              | 08/06 | 384650
2  |Wake Me Up!  |SPEED            | 08/06 | 278530
3  |出逢った頃のように  |Every Little Thing    | 08/06 | 202370

でもって「もってけ!セーラーふくRe-Mix001? burning Remixers?」が3万枚だとすると、3位を単純比較して枚数は約1/6。全体がここまで減少しているのです。
さて、何でJ-POPのCDは売れなくなったのか……ということを書いて以降と思ったのですが、これがまとまらない×2。というのもこれ、一つの原因ではなくて、とても多くの要因が絡まり合ってこうなっているんじゃないかと。
ま、J-POPCDの売り上げが下がったことについては後日詳しく検証してみることとして、今日はこのアニソンとの関連で関わりの深い、その要因の一つ、「J-POPにおけるタイアップ効果の低下」を持ってこようと思います。
「タイアップ」というのは、文字通りそのコンテンツ、ここでは音楽以外のものと連係することで、売り上げを伸ばすというもの。
1990年代に売れていたCDというのは、ドラマの主題歌とか、CMの曲とかいうのがかなりあったと思うのです。90年代初めの年間1位曲『Say Yes』(チャゲ&飛鳥)とか、『浪漫飛行』(米米倶楽部)なんかもドラマ曲、CM曲ですね。まあ単体でいい曲ではなければお話にはなりませんけど。
ですが最近はもう飽和状態で、ドラマやCMで使用されていたからといっても、売上げに対する効力がほとんど無くなっているのではないでしょうか。あと、TV自体見る機会が減っているからとかもあるかも。
ま、もっとも上の1997年の時点のラインナップを見るに、すでにタイアップの力がなくなっていたようにも思えますけど。
あと、余談ですけど最近はCMも新曲とのタイアップより、旧名曲使うこと多いですね。ユニコーンの『すばらしい日々』がソニーがハンディカムのCMで流れてましたし。あとブルーハーツもそれなりに多いような。
まあ、当然要因はこれだけではないですけど、この「タイアップ効果の低下」が一因であると思えます。
では、アニソンにおいてこのタイアップはどうかとなると、アニソンは「アニメのために用意された曲」である以上、タイアップ以前にもうその作品と密接に関わりがある運命なんですよね。(良きにしろ悪しきにしろ)
アニソン市場というのは、大きくはなっていますが、かつてのJ-POP市場ほどではないでしょう。それなのにCDの売り上げがJ-POPと比例するように減少していないというのは、上記の密接度が高く、アニメの他にも買うことを望む人が多いからではないでしょうか。要は思い入れが強いってことですね。まあTVアニメ市場自体が、関連商品から採算を取るようになっている、ってのを聞きますし、CD及び関連商品がよく売れる土壌が出来ているというのもあるでしょうが。
で、タイアップ力の低下ほか様々な要因により売り上げが落ちてきたJ-POPCDが、下がらないアニソンのところにまで落ちて来たのではないかと。
でも、こういう市場でも「思い入れの強い曲」なら『千の風になって』みたいに100万売れたりするんですけどね。こういった市場だからJ-POPには、誰もがいいと思える曲を発掘、リリースして欲しいと思ったりするわけで。(広報で作るより、見つけてくる方が大変でしょうけどね)

 

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