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いつまでもあると思うな、新品ゲームサントラ

前回のエントリー(『ゲームにおけるリピート生産の幻想』)から話を繋げつつ、今日の話題に展開していこうと思います。

ゲームにおけるリピート生産の幻想
SFCから次世代機への移行期、PS、SS陣営からCD媒体の利点として様々なものがアピールされ、それがよくゲーム雑誌などに載っていました。一番大きなものは「大容量化」と「ソフトが安価になる」というところだったでしょう。 さらに「即時のリピート...

 

昨日触れたリピートの話ですが、SCEがゲーム参入当時あのようなことを提唱したのはおそらく音楽CDのセールス方法をゲームに取り入れたかったのだと思います。

1990年代のポピュラー音楽市場というのはバブルの真っ最中で、1ヶ月に数本のミリオンセラー、時にはダブルミリオンなんてのが出ることも珍しくありませんでした。そんな売り上げですからリピートがかかるときも万単位は当たり前の世界だったと思います。

そしてゲームソフトもそこまでではないにせよ、今とは比べものにならないくらい売れていましたから、同じようなリピート方式を持ち込みたかったのではないでしょうか。もともとソニーグループはソニーミュージックを持ってましたし、そういう方面に強い会社でしたしね。

しかし現在、ゲーム市場は売り上げが下がり、そんな100万どころか10万単位で売れるソフトがほとんどなくなってしまったので、リピートも滅多に行われなくなっただろうということは昨日書きました通りです。

ポピュラー音楽の販売状況はよくわからないのですが、おそらくは売り上げ低下に比例するように、リピートの数も減っていると思います。単純比較は出来ませんが、上位10作品ををそれぞれの年代で比較してみると歴然としていますし。まあ、ポピュラーそっちの売り上げがどうして減ったのかというのはまたの機会に検討するとしましょう。

 

さて、ゲーム、ポピュラー音楽CDと来たらこのブログ的に触れなければいけないのはやはり「ゲーム音楽のサントラCD」ですね。というかもともとこれが書きたかったのですが。

まず、ゲーム音楽CDではリピートは行われているのか、ということですが、(データがないので推測に過ぎないのですが)おそらくほとんどの場合、行われていないと思います。つまり、在庫が切れたらそれでEND。

何故か、というのは、それこそ前回触れたように、リピート再生産をしても、そのコストを上回るほどの売り上げが立たないからでしょう。

普通、ゲームCDというものは、ゲームの売り上げを上回ることはありません。というのは、サントラというものはやはり客観的にはゲームの関連商品であるために、攻略本などと同じように主な購入対象はゲームをやった人になってしまうからです。

まあ、私みたいにゲームを買わずともサントラだけ買う、という人はいますけど(というか、このブログを読んでくださる方には多いような感じもしますが)、それは全体からしたらやはり少数でしょう。

売り上げの詳しい数字はわかりません。というのは、オリコンでもネットでわかる範囲での数字が出る位置までに出てくることがないからです。

一応推測の材料としてあるのは以下のものです。

■今年最も売れた声優のCDは? ※リンク切れ

■歴代エロゲ主題歌シングル売り上げまとめ ※リンク切れ

下の方のデータには歴代ギャグゲー売り上げのデータもありますが、歴代で一番売れたギャルゲーで、且つゲーム業界も音楽業界もバブルな1996年でさえ「檄!帝国華撃団」の108,800本がマックスなのですから、売り上げ的にはギャルゲーより低いサントラの、29,094枚でもオリコン一位になる音楽不況の今ともなるとどのくらいか。

 

あと、ちょっと特殊例なのですがゲームサントラで数字が出ているところだと、ノイズファクトリーから発売された『ガイアクルセイダーズ』のCDは250枚限定でしたし、それなりに知名度があるはずの『ブレスアブファイア』のCD-BOXも1000ボックス以上の注文で2000ボックス製造ってことでしたらから、その間ですね。

 

以上のことから推測して、大半のゲームサントラCDは、おそらく1万枚、いや5千枚もいっていないのではないでしょうか。

例外的がこの前の『MOTHER+』とか、スクエニ系の大作くらいで。
(今度発売する『新・豪血寺一族-煩悩解放-』一般販売Ver.がどれだけネットの力で伸びるかがちょっと楽しみですが)

 

そんな状況ですから、やはりリピートが行われれる可能性は低く、早めに完売しても在庫が切れたらそのまま廃盤の可能性が高いでしょう。

だけど、ちょっとしてからゲーム、そしてその音楽が評価されることはよくある話で、そしてサントラを欲する人も出てきます。(それは主には私たちのようなGMファンか熱心な作品のファンでしょうが)

しかしもうすでに市場にはなく、買おうと思えば中古だけど、出回っている数自体が少ないために、もしちょっとでも欲しい人が増えてしまうとすぐにプレミアがついてしまう、というのが現在のサントラ市場でよく見られるパターンです。で、結局高い金を払うことになると。

アレな言い方をしてしまえば、ゲームサントラはどこぞの市場に余りまくる限定版より(具体的には想像にお任せします)、通常版でもよっぽど限定版の要素が強いように思えます。

 

そんなわけで、もし気になったゲームサントラCDは、そこで「そのうち買う」と放っておかずに、すぐに買ってください。というか、正直お願いも入ってます。ちなみに予約を取って生産数を上げれば、なお良しです。

何も欲しくないものまで買えとは言いません。ただ、ゲームサントラの場合欲しいと思ったものは「あとで」と考えると、生産数が少ない分、そのままなくなってしまう可能性が高いのです。

ポピュラー音楽のCDでは、ちょっと待つとブックオフで安くなっていたり、それはなくてもヤフオクで定価くらいで売られてたりします。しかしサントラの場合は供給量が少ないものが多いため、ちょっとしたことでもプレミアがついてしまう可能性があるのです。少なくともあまり値段は下がりません。(まあ大作や時間の経ったギャルゲー系サントラは逆に値崩れすることがあります。あと高額商品だと希にAmazonで値崩れがありますけど、あれは普通のCDではあまりないと思うので)

店にとっても早く売れると言うことはゲーム音楽の覚えが良くなり、次は注文が増える、そしてゲームサントラCD全体が活気づくなんて可能性もあるわけです。そうすればメーカーも今ではリスクが大きくてリリース出来ないようなものも発売できるかもしれませんし。

そんなわけで、メーカー、ユーザーみんなが喜ぶために、買うのであればお早めをオススメします。

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