スポンサーリンク

DQIX『まさゆきの地図』で思い出したファミコン時代の裏技のこと

このようなニュースがありました。
噂の「まさゆき地図」は仕込みではなかった–開発者も驚くドラクエ9:ニュース – CNET Japan

 

これを読むと、最近有名なメタルキングのみ出現するというフロアのある「まさゆきの地図」が、仕込みではなくて偶発的なものだったというのが書かれています。
さて、この「開発者が予測していなかった人気現象」というもので、私はあるものを思い出しました。それは今から20年以上前のファミコンの時代のこと。


ファミコンの初期も初期、任天堂のほか、アーケードの雄だったナムコやPCの雄ハドソンなどがサードパーティとして加わり、ソフトを出していました。そしてそのゲームのおもしろさによりハードの人気は高まり、爆発的な売り上げを誇ることとなり、任天堂をコンシューマゲームのトップメーカーにのし上げます。

そして、このファミコン及びゲームの盛り上がりに従って、ゲーム雑誌も創刊され始めます。『ファミコン通信』『マル勝ファミコン必勝本』『ファミコン必勝本』『ファミリーコンピュータマガジン』等ですね。さて、この当時ゲーム雑誌の売り上げを左右する程人気のあったコーナーがあります。それは裏技コーナー。当時は情報源がゲーム雑誌以外になかったのもあり、こういった隠された要素を発見するというのは楽しみのひとだったわけですね。

■参考:裏技ページが雑誌の売り上げを左右していた時代があった | ゲームミュージックなブログ GMDISC.com
中でも有名なのが、『ゼビウス』の無敵技(IIコンの9229押し)。これはゼビウスの人気がちょっと落ち着いた頃に発見されたものでしたが、開発者が公開するために仕込んだものではなく、デバッグモードが残ったのを発見されて広まったということでした。故に当時はナムコとしては公開を望んでいなかったらしいです(とはいえ当時のゲーム雑誌はメーカーとの関わりが薄かったので、遠慮派全く見えない感じでしたが)。

しかし、このゼビウス無敵技の発見により、ソフトの売り上げがまた上がったという話があります(正確なデータはないのですが)。ともあれ注目が集まったのは確かでしょう。

 

あと、『スーパーマリオブラザーズ』の無限1UPも有名ですね。コレガ見つかった頃にはクリアしていた人が多かったでしょうが、再び出して何度もチャレンジした人は多いのではないでしょうか。あとキ●タマリオ。

他にも『ドルアーガの塔』のステージセレクト、マイナーなところだと『オバケのQ太郎ワンワンパニック』の残機へらない技、反則ですが『六三四の剣』の無敵技など、こういった裏技の楽しみというのが当時はありました。

 

これらはつまり、ゲーム本編以外の楽しみを与えてくれたものなのですよね。中には開発者が意図的に入れたものもありますが、ゼビウスのようにそうじゃないものも多数あると。しかし、だんだんと裏技が仕込みになってきて、当たり前のものとなってくると、だんだんと盛り上がりはなくなり、裏技コーナーもなくなってゆきました。そしてその裏技らしきものは、隠されない要素となります。まあそれでもRPGでエンディングの後に5分くらいおいておく癖がついていた人は大勢いるでしょうが。

 

しかし今回、『まさゆきの地図』の盛り上がりを見て、何となくそれと同じものを感じたのです。そう、期せずしてかつて「裏技」を知り、試した時と似た気持ちなのではないかと。それは用意された要素以外のところで楽しみが広がっているという意味で。
そしてこれは偶発的なものですので、現代となってはかなり貴重な体験なのではないでしょうか。何せデータに仕込まれた隠し要素は一瞬でバレてしまうこの情報が氾濫する世の中で、じわじわと不確定要素の噂として広まったものなのですから。この地図を探す過程は、昔裏技を探し当てたように、まさしく現実社会で「クエスト」をしたような感じに思えたのではないかと。
もしかしたらこの『まさゆきの地図』の話題でソフトを買った人がいるかもなんてことを思うわけです(まあスクエニ的にはもうちょっと後の発見が一番よかったのかもしれませんが、それは調整できないしね)。
でも、堀井さんはじめ開発スタッフは、具体的にはもちろんわからないとしてもこの「もしもの可能性」を予感してゲーム作りをしていたのかな、とは思います。それは横井軍平氏がなんとなくゲームボーイにつけた通信コネクタが、あとでポケモンにより大躍進したように。

 

なんか、これから先もユーザーも、そして開発者も予想のつかないようなこういった仕組みが組み込まれると、おもしろいかもしれませんね。もちろん統制は難しそうですし全部がアタリになるわけではないですが、その中からかつての裏技のように未知の発見が出来れば、そして現実社会でもそれをネタにして語り合い、クエストが出来れば、古くからのゲーマーとしておもしろそうだなと思うのです。

 

タイトルとURLをコピーしました