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現代における『ファミ通』クロスレビューの存在ついて考えてみる

こんな話題が。

セガ社員がファミ通大批判!「面白さわからない4人がレビューしてる!」 – ガジェット通信

ファミ通のクロスレビューに対しての批判は、かなり昔からあったものだと思います。

批判の内容としては「ゲームを途中までしかやっていない」「ゲームの内容が間違っている」「大メーカーの大作が得点が高くなる」等々。たしかにあとでやってみると、クロスレビューで出された得点と世間の評判でズレが生じているといったことは今までたくさんありましたし、また個人的にも面白いと思ったゲームがそれほど得点が高くなかったり、逆にさほど面白く感じなかったゲームの得点が高かったりしたこともあります。そう感じた人が多いからこそ、前述のような批判が出てくるのでしょう。

しかし、思うにファミ通のクロスレビューが自分の思う評価と違っていたところで、そこまで問題視する必要があるのかな、とも思えるのです。今日はその理由を書いてゆきたいと思います。

 

何故『ファミ通』のクロスレビューは注目されるのか

まず、それを語る前に『ファミ通』のクロスレビューが何故そこまで注目を浴びるのか、というところから考えていこうと思います。

ゲーム雑誌にはファミ通以外でも評点を行っているところがあります。たしかに人間、評点はわかりやすく目にいきやすいので、そういった得点付けが人気が出るので、それがあるのは自然でしょう。

しかし、ほかの雑誌でたとえとんでもない点数が出たとしても、あまりそれについて言われることはありません(『セガサターンマガジン』における池袋サラ氏のデスクリムゾン評価2点+コメントはある意味伝説と化してますが)。それはおそらく、ゲーム情報を扱うゲーム雑誌の中でも長年トップであり続けており、クロスレビューというものもそのファミ通の中で長年続けられていることから注目を浴びる存在となったというのもあるでしょう。

しかしあくまで昔はたくさんあるゲーム雑誌の1コーナーだったはずですが、それを長く続けているうちにいつのまにか注目を浴びる存在となってしまったのではないかと。

そして、クロスレビューの点に対してよく言われるのは、それにおける「影響力の違い」を気にしている人がほとんどではないでしょうか。

 

現代において本当にクロスレビューに影響力はあるのか

しかし、本当に『ファミ通』のクロスレビューがそこまで多くの人の評価や売り上げに影響するのでしょうか。個人的には現代においては言われている程強く影響を与えるとは思いません。

たしかに10年前くらいは影響力を持っていたと思われます。実際、その頃(PS,SS時代)には、前述のようにファミ通のクロスレビューが貼り出してあったり、シルバー、ゴールド獲得のシールをよく見たりしていました。

ちなみにこの手のクロスレビュー批判は10年前からすでにあったような気がします。有名なところでは『ベイグラントストーリー』が40点満点で論争になったことなどでしょうか(私は点数はともかく面白いと思いますけどね。崎元氏の音楽いいし)。

しかし、最近店舗に行ってもあまりクロスレビューや、そのようなシールを見た記憶がないのですよね。そして、これはプロであるショップの店員さんや流通関係者の人に聞きたいのですが、実際に現在でもファミ通のクロスレビューを(ユーザーがそのクロスレビューから受けるであろう反響も考慮して)かなり重要視して仕入れなり販促なりをしているというお店はどのくらいあるのでしょうか。

現代においては店の人もさすがに一つの参考としてではなくクロスレビューだけを鵜呑みにしていたら、莫大な損益を出してしまうのでは(まあ10年前にも絶対視する人はそんないなかったかもしれませんが)。実際高得点でも売れ残りとなったものはたくさんありますし。ただ、余ったソフトが面白くないというと必ずしもではないので念のため。

■参考

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これは原因がいくつか考えられます。ひとつは、『ファミ通』のみならずゲーム雑誌全体の影響力が下がったこと。というのはやはりネットの存在ですね。つまりネットが普及したことにより、情報の入手先がゲーム雑誌の一強状態ではなくなったので、必然的にゲーム雑誌が読者に与える影響力も低下したと。昔はライトユーザーでもゲーム雑誌を買っていた感じがあるのですが、今はそこまでゲームに興味がない人がわざわざゲーム雑誌を買うか?と思えるのですよね。
さらに現代では、『ファミ通』自身の部数も下がっていると予想されます(ちなみに公称は50万部ですが、印刷証明付部数ではないので正確な数字はわかりません)。しかしこれはファミ通に限ったことではなく、現在の出版不況下ではほとんどの雑誌が部数を下げています。となると、影響を与える範囲はやはり小さくなっているのではないでしょうか。

そんなわけで、実はあちこちで騒がれている程現在のクロスレビューは実はそれを行っている人が思っている程現代に影響力はないように思うのですよね。だって、ゲームをする人ならならネットなどその他いろいろな情報を得ることが出来るし、そして今のライトユーザーはそもそもゲーム雑誌を見たいのではないかと。いないとは言いませんが、昔に比べてクロスレビューを購入の参考にする人はかなり減っているのではないかと。

 

クロスレビューを一番気にしているのは実は批判している人かもしれない

そして、ある意味一番気にしているのは、そのクロスレビューについて言及する人じゃないかとも思います。だって、前述のようにゲームに対して情報取得力がない人ならそもそもファミ通を見る人は少ないだろうし、そしてゲームに対して情報取得力がある人なら、ほかのところから情報を得るだろうし。つまり、批判する人が実は今クロスレビューを一番見ているのではないか、とも思えるのですね。
前述のように、プロでもファミ通のクロスレビューを参考にする人は大勢いるでしょう。しかし購入の参考としてそこまで絶対視している人はそんないないと思うのです。ゲーム雑誌を参考にするにしても、おそらくクロスレビューよりページの広告や記事の出し方とか販促展開のほうを気にしている人の方が多いような気がするのですが。

それでもたしかにクロスレビューの得点はどのような形であれ注目を浴びるので、低い得点なら開発者が気持ちよく思わないのはわかります。しかしそれはどの雑誌でも同じでしょうから、さほど問題視する必要はないのではと。そして一番の特効薬は「気にしない」こと。何故なら気にする人が多ければ多い程影響力を持つのですから。

 

ゲーム雑誌の個性

でも、私はファミ通のクロスレビューの影響力が小さくなってきたというのは、実はファミ通にとってもいいことだと思うのです。というのは、出来てしまう様々なしがらみから解放されて、自由な点数をつけられるようになるので。

私は、100人いれば100の感想があると思うので、それぞれの雑誌で評価がばらついてもいいと思うのですよ。そしてそれが雑誌の特色になればいいのではと。余談ですが、『ザ・プレイステーションマガジン』では、評価が全く二部して得点が分かれることが多かった気がしますね(あの雑誌はライター人も個性的な人多かったからかも)。

大昔(ファミコン時代)のゲーム雑誌は、正直正確ではない情報とか、かなり批判したりとか、個性的な面が強かったです。ファミ通も初期のログインからの独立間もない時代はそういう自由なところが好まれたのではないかと思うのですよね。最近、最新の情報を扱うゲーム雑誌は画一的になってしまった感があり、それが飽きられるのに繋がっているのなら、そういった自由を取り戻すのも一つの手段ではないかと思うのですね。だから「2点」と「10点」がひとつのゲームで出てくるようなフリーダムさがクロスレビューにはあってもよいと思います。

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しかし、どんな媒体であれ、結局は見る人に委ねられるのですよね。そして、結局は「やってみなければわからない」と。さらに、どんな他人が面白くないといったところで、自分にとっては命のゲームなんてこともあります。

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