Wiiで、マリオギャラクシーと並んで期待のソフトである『大乱闘スマッシュブラザーズX』。PRESS START 2007の時に登場した桜井氏が、(その時点での)「現在スマブラXのマスターアップ直前」と言ってましたので、そろそろ正式発売日も決まることと思われます。
さてこのゲーム、以前からゲーム作曲陣の豪華さが話題になっておりました。
■大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U:音楽
■Wii「大乱闘スマッシュブラザーズX」の音楽スタッフが異常すぎる | N-Styles
私もこのメンツはびっくりしました。特に任天堂はほぼオールキャストではないかと。そして好きな作曲家さんも多いので、非常に期待しています。
しかし、そんな盛り上がりに水を差すようですが、わずかながら不安もあるのです。どうして?こんな豪華な面子ばかりだし心配ないんじゃ、と思われるかもしれません。しかし、逆にこんな豪華な面子だからこそ、そして人数が多いこそ、ゲーム音楽としては不安に思う点はあるのです。
昔『美味しんぼ』にて、岡星が注文キャンセルになった高級食材を使って鍋焼きうどんを作った際、それを食べた社長から「これだけ高級な食材だと素材同士がケンカして味が濁るのに、これはそれぞれが味を主張しつつ調和が取れている」ような内容で褒められた話がありました。
これは料理の話ですが、こと音楽に関しても似たようなことが言えると思います。つまり、これだけ曲が素晴らしいと、かえってそれぞれの持つ力が強くなって「ゲームに合う」という面から外れてしまう可能性があるのではないかと。
これらをCDで聴くような個々の音楽に対しては心配していません。ただ、それがゲームの個々の場面に、そして他の音楽との兼ね合いで上手く調和しているかが気になるのです。つまり、個々の腕がすごいメンバーが集まったオーケストラも、指揮者が相当有能でなければ必ずしもいいものになるとは限らないのと同じものだと思います。
例えばゲーム音楽の名曲に「ダライアス外伝」がありますが、あれは何処で使っても素晴らしい印象を受けたとは思えません。かなり演出やら使うシーンを考慮して、あそこまで個性の強い曲を見事ゲームに合わせたと思います。
さて、その料理人や指揮者になるのは、それこそ桜井さんだったりディレクター、サウンドディレクターだったりすると思います。そして、そういった縁の下の力持ち的な仕事がゲーム内の音楽として生きるか、それともバランスを崩してしまうかというのがゲームの印象を決めてしまうと思うので、このへんの演出、調整が上手くできているかに注目したいと思います。
そういえば、ゲームには「オレ曲セレクト」なる機能があるらしいですが、これもプレイヤーが一番心地いいようにカスタマイズできる機能としてはいいかもしれません(つまり、ここには強すぎると思ったら、もっと落ち着いた曲にするとかね)。
ほかにも、あまり音楽が良すぎるのにゲームが弱いと音楽に作品が埋もれてしまって、「音楽だけがよいゲーム」の印象を与えてしまう可能性もありますが、まあこれについてはスマブラはゲームタイプや過去の実績からしておそらく大丈夫かと。逆に言えば、作品に力のないソフトでこれだけのメンツを集めても、(音ゲーは例外として)うまくいかなかったかもしれませんね。
ともあれ、スマブラXには少しの不安も持ちつつも、期待して待とうと思います。