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ドラクエIIのロンダルキアへの洞窟落とし穴フロアに隠された超攻略法

知識というものは、自分では広く知られているものだと思っても、実はそうではないものがあります。今日のものも、自分では今まで結構有名だと思っていたのに、もしかしたら意外と知っている人が少ないんじゃ? というもので、ちょっと知らない人に向けて書いてみたいと思います。

ちなみにこのことを思い出した原因は、島国大和さんの記事、 【島国大和】ゲームを作る立場で,どうやって落とし穴を回避するかを考えるよ。 というタイトルからってのは秘密でもなんでもない。

 

「ドラゴンクエスト」ゲーム音源大全集1

 

 ドラゴンクエストII、ロンダルキアへの洞窟のトラウマ落とし穴

説明不要の名作ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの2作目、『ドラゴンクエストII』。ファミコンでの発売当時は、量販店に長蛇の列を作るくらいの社会現象ともなったソフトです。初代はふっかつのじゅもんが異様に長いので有名なファミコン版ですが、その後何度もリメイクされていますね。

 

このゲーム、やったことのある人には印象深い箇所のひとつとして、「ロンダルキアへの洞窟」というものがあります。

物語も佳境で、いよいよ敵の本拠地であるロンダルキアに向かう洞窟、しかし強敵揃い。そしてあっという間にMPも体力も尽きかけ、世界樹の葉もなくなり、命からがら……というところで、超難関ポイントとされるのが5階。ここではとても多くの落とし穴があり、何も知らないプレイヤーを落とし、進行を妨げます。普通でも一歩毎に敵が出てこないか焦るところでいきなり落とし穴。それもひとつやふたつじゃない。落ちる度に絶望を味わったプレイヤー(とりわけ初代ファミコン版)は多いことでしょう(リメイクでは1度落ちた落とし穴が開きっぱなしなど易化されているらしいですが)。

そんなわけで、当時のプレイヤー(つまり私と同年代の人)は、方眼紙にマッピングしたり、ゲーム雑誌や攻略本を買ってマップを見たりと苦労したものです。

しかし、後になって知ります。実はいちいちマップを見なくても、ひとことで説明出来てしまうこの落とし穴フロアの攻略法があるのです。

 

マップに施されたある工夫

一言でも説明出来ますが、ここでは図で説明したほうがわかりやすいしインパクトがあると思いますので、それで説明することにしました。で、ネットのどこかにマップないかなと思って探してみたのですが、転載フリーなものは(当然と言えば当然ですが)見つからなかったので、ひとつ自分で各種攻略を調べつつ、ドット打ちツールを使って作成してみました(アイコン作成とかに使っているdotworkってフリーソフトで作ったものを、拡大してキャプチャしただけなんだけど)。

ロンダルキアの洞窟5階落とし穴地帯

ロンダルキアの洞窟5階落とし穴地帯

黄色がスタート地点、が目的のゴールである階段です。灰色系は壁や岩、そしてにっくき落とし穴がです(当然ゲーム中は床に偽装されています)。このほかにも別の階段、それに同階の別フロアがありますが、説明が複雑になるのでここでは省略します。落とし穴の位置はたぶんあってると思うけど、細部が間違えてたらごめんなさいね。

 

さて、マップもないときにここ何度も歩いて、落とし穴には待って力尽きたという人は多いでしょう。特にやっとゴールである階段が見えた時に落とし穴に嵌まるくやしさといったら……。

しかし以下の図を見ると、驚きのことがわかります。

DQ2_01

よく迷路を必ず抜ける方法として、片手を壁について歩いて行けばいつかたどりつける、というものを聞くことがあります(これは落とし穴などない、単純な平面の迷路な場合ですが)。その方法に従って、右手を壁につく感じで、上から見て逆時計回りに歩いていったのが、黄緑色のライン(歩くのを省略できる袋小路は、やや濃い緑にしてあります)。

そう、つまりこの迷路、実はスタートに近い壁から壁沿いに逆時計回りに進んでいけば、落とし穴に落ちないように出来ているのですね。

 

これ、わりと広く知られている と思ったのですが、ネットでざっと検索かけた限りでは意外と知らない人がいるみたいなので、今日ちょっと書いてみました。

 

堀井雄二さんの仕掛け

これは偶然ではありません。「壁伝いに進んでいけば落ちない」という仕掛けは、制作者である堀井さんが意図的に入れていたものというのが、かつてファミ通で連載されていた『おとなのしくみ』で語られています。

鈴木みそ『おとなのしくみ』(エンターブレイン)4巻37ページより

鈴木みそ『おとなのしくみ』(エンターブレイン)4巻37ページより

この回は堀井雄二氏に鈴木みそ氏がインタビューをしにいく時の回だったのですが(実はおふたりは伝説の投稿雑誌『OUT』の読者コーナーで繋がりがあったということも判明したり)、ちょうどドラクエVIIの発売直前だったりして、その話題も多いです。

ドラクエIIといえば、とうぞくラゴスの居場所やろうやのかぎの入手方法などが絶妙な謎として有名な例にあがりますが、こんなところにも工夫が仕掛けられていたのですね。初代のたいようのいしもそうですし、この意外な仕掛けがドラクエシリーズの醍醐味の一つですね。故に攻略本に最初から頼らないほうがいろいろと驚きを味わえるかと。

 

ちなみに最近、初代ドラクエのスマホ移植版が無料で公開され、iOSの無料ランキングで一位になるなど話題になっていますし、中身も制約の多い中でなかなか頑張っていると思います(今までレトロゲーをベタ移植して、特に操作系が酷いのを何度も見て来ているので)。

ただやはりタッチパネルでの操作は難しく、微妙に歩く位置がずれてしまうことがあります。もしドラクエIIも同じように出た場合(というか多分出るし出て欲しいとも思うし)、この微妙な操作ミスが落とし穴一直線になる可能性もありますが、このような壁たどりを知っていれば落とし穴に間違えて落ちる可能性は低くなりますし、ロンダルキアの洞窟で再びトラウマを植え付けられることはないのではないでしょうか。

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