最近、据え置き機でトップとなっていたWiiの勢いが失速しているようです。
■ゲーム機Wiiが完全失速 任天堂「凋落の始まり」 : J-CASTニュース
理由は何かということはいろいろと言われています。面白いソフトを提供できなかった、不況のせい等々。しかし、私に言わせれば、上の文章では一番の原因を書いていません。その最大の原因とは単純明快『ハード発売から3年経っているから』です。
かつて、据え置き機のハードには「5年周期説」なるものがありました。それは1990年付近のスーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジン誕生から、1995年付近のサターン、プレステ、N64誕生、そして2000年付近のPS2、ゲームキューブ、XBOX(2年程前にドリキャス)、次は1年だけずれますが、2006年付近にはX360(これだけ2005年)、PS3、Wii、と、5年ごとにハードの入れ替えが起こるというもの。そしてちょうど今は2006年末のPS3、Wii誕生から3年になろうとしています。X360に至っては4年です。それだけ経てば、ゲーム機に限らず目新しさはなくなり、売り上げは下がるでしょう。
いや、それ以前にWiiの普及は全世界で5000万を突破しています。
■任天堂のWiiが販売台数5000万台突破へ、普及ペースはPS3やXbox360を圧倒して史上最速に – GIGAZINE
これだけ普及していれば失速するのが普通です(どっちかというと本体よりソフトの販売ペースが落ちていることの方がはるかに大きな問題だと思うのですけどね)。
PS3は最初はWiiに後れを取っていたけど、ソフト(ゲーム&ブルーレイ映画やアニメ)が揃ってきたのと値下げで買う人が増えてきたので、今から伸びるでしょうが、これももう少し後には「低迷」扱いされるのかもしれません。
まあつまり、この時点で「失速」を大げさに扱うのがどうか、ということなんですよね。もしDSの時と比較されているのだったら、あちらの方が異常だったと思うべきです。だって品物が足りずに供給できなくなる、というのは流通的に考えて異常以外の何者でもないですから。
となるとこのへんで毎回噂がスタートするのが「次世代ハード」のこと。噂レベルから始まり、どっかの業界紙がスクープして、発表となるというパターンの第一歩目がそろそろ来るのではと。しかし、個人的には正直このまま新ハードが2年後、もしくは3年後の冬辺りに出るのかというのは、個人的には疑問なのですよね。理由としては、WiiにとってもPS3にとっても、急いで新ハードを出すメリットがあまり見あたらないのではないかと思うのです。
まず、任天堂の場合ハードの売り上げが失速したとはいってもトップシェアです。それを自ら次世代機戦争を勃発させて振り出しに戻すか、となるとなるべく後回しにして、それよりはソフトの拡充で再起を図りたいと思うのが自然ではないかと。今までも一番手のハードは他のハードがなければ、そのまま現行機を長続きさせたかったというのが本音だと思うので。
それに幸いWiiは拡張機器についてはかなり実績がありますし、機能的拡張はまだ出来るでしょうし。
さらにSCEの場合、今ちょうど前述のように値下げとやっと来たブルーレイ効果で上昇中であり、黒字化したところです。
■インタビュー:ソニー、ゲーム事業は来期にも黒字化へ=SCE社長 | Reuters
この上昇気流が続くのならば、今リスクを冒して次世代に移行する必要はないでしょう。
さらに現在、これ以上の高スペック化は難しい、というかあまり売りとなるような差異が見えないのもありますし。
というわけで、現状次世代機はこの2社からはしばらく出ないのでは、と思ったりするのです。
で、可能性があるならX360の次世代機の発表につられる形でしょうか(これも海外市場ではそれなりにシェアがあるはずなので、急いで移行する可能性は高くはないとは思うのですけど)。
しかしこのマイクロソフトの新型、今まで日本市場では3番手に甘んじてコアユーザー用とされていたのとは違い、とてつもない驚異になる可能性もあるかもしれません。というのは今度のはマイクロソフトの3代目ゲーム機となるからです。Windowsでは3.1から驚異のブレイクがありましたし、ここでいきなり本領発揮となる可能性もありますし。個人的には低価格化したミニノートブックのような路線を辿って、携帯機と据置機の中間的なものだったりしたらかなり興味深くなるのですが(あくまで想像ね)。
ま、自分は新世代機を買うお金もないし、ソフトの方を充実させてもらえれば新ハードは当分先でよいと思います。幸い個人的には今の据置機(Wii、PS3、X360)も携帯機(DS、PSP)も、どれも入手してよいと思えるものですしね。