本日は一般ニュースでも取り扱われているように、『ドラゴンクエスト9』の発売日でした。私は時間の都合でもうちょっと間を置いてからすることになりそうですが。
ドラゴンクエストIX 星空の守り人
で、発売前からこれについてはちょっと話題になっていたことのひとつに、「7時販売」というものがあります。
■参考:読みゲー 自分は発売日を守らないけど、お店には発売時間を守らせるドラクエってちょっとずるい
■参考:第22回:強制ですか?。 – 『メッセサンオー稲越のテレビゲームの売りかた』
つまり、どうも今日の朝7時から販売という時間指定がついたという話ですね。これに対するゲームショップ店員の話を見てみると、たいていは7時に開く店はないので困惑していたりとか、予約ポスターに時間まで印刷されているのを隠しているのとかといったものが見られます。朝10時では他の店、とりわけコンビニに客を取られかねないというので、今日だけ7時に開店した店もあるでしょう(ちなみに「貴店舗様において発売日をお守り頂けない場合、契約に基づき、販促物の減数、商品着荷日の変更、契約解除、等の措置を取らせていただく場合がございます」ってのが本当だとした場合は、独占禁止法の「拘束条件付取引」に抵触しないかなあ。まあその契約次第でしょうが)。
さて、ここで疑問が浮かびます。何故ゲームショップが開くであろう朝10時ではなく、朝7時だったのかということ。そしてここで出てくるのが「コンビニ」という存在。
デジキューブは倒産しましたが、現在でも多くのコンビニではゲームを取り扱っています。私の場合ゲームを買うのはAmazonや量販店、それと近所のショップが多いですが、コンビニではなにげにAmazonで売り切れた予約特典がついてきたり、独自特典があったりするので、たまに使っています(定価販売なのが難点)。今回のドラクエ9も以前から予約をとってありました。ここでコンビニに気を遣って7時にした、というのは、おそらく間違ってはいないと思います。ただ、それは売り上げ的な面というより(もちろんスクエニがコンビニに売り上げの有利さをわずかにも足せた可能性もないとは言えませんが)、そのコンビニの販売方法が、10時売りにすると混乱をまねきかねないものだったと思われるので。
さて、前述のようにコンビニは朝から開いています。そしてどんなに遅くても、商品は深夜の便でやってくることでしょう(前日かもしれないけど)。しかし、その入荷してからの時間拘束は、コンビニ的には現実には難しいと思われます。
おそらく、10時に拘束をかけたところで、全コンビニでそれを厳守するのは難しいのではないかと。それはもし守ろうとすれば、その10時直前には問い合わせの嵐になる可能性があり、場合によっては混乱を招く恐れもあります。しかも店員はゲームのプロではない人。おそらくは10時前でも強くいえばそのまま売ってしまう可能性は高かったのではないかと思えるのです。
もちろんそれは7時にしたところで厳守されるとは思いませんが、まだ起きている人の少ない深夜入荷~朝7時なら混乱が起きにくいでしょう(フライング販売も含めて)。故に、混乱を防ぐためにそういう形になったのではないかと(コンビニ側からの提案か、スクエニからの提案かはわかりませんが)。
ついでに言えば、通販における配達時間もあるでしょう。現在ではAmazonなど通販での購入者も多いと思われますが、配送時間は早くても9時。つまり7時にしておけばフライングはほぼあり得ないということになります(ただ、やっぱり細かなところでは漏れが出て、昨日届いた人もいるでしょうが)。
つまり、今回の販売方法は、量販店や小売りだけではなく、コンビニ流通や通販が重視され始めたということを示すものではないでしょうか。特にデジキューブ倒産で一度は縮小したと思われたコンビニのゲーム販売がここに来て存在が大きくなるというのは注目に値する気がします(ローソンは例外的に任天堂との関係が強くていろいろやっていましたが)。
でも、こう考えるとソフト一つの発売方法でもだいぶ変りましたよね。ドラクエIIやIIIのころは、量販店に行列を作るのが風物詩となっていましたね(まああそこまでの行列ができることは流通的にはあまり褒められたものではないとは思いますが)。そしてその後はゲームショップで予約が取れるようになっていきました。さらにファイナルファンタジーVIIなんかでは、デジキューブ流通でコンビニでの販売が主な手段とかになっていましたよね。そして今回に繋がります(でも、ドラクエ7や8の時って行列出来てたり、テレビでクローズアップされてたっけ? 前はもっと楽に買えた気がするけど)。
なんかその時代での流通事情が垣間見えるようで、ちょっとおもしろい気がします。さて、次の大作(DQ10になるか、それ以外で出るか)では何か特別な動きはあるでしょうか。