さて、先日「みんなのニンテンドーチャンネル」について触れましたが、今日これの最大の特徴でもある3つめの「ゲーム評価システム」について書いていこうと思います。
さて、これを見たとき、すごいものだと思った人は多いでしょう。何せ、ゲームメーカー自ら批評されるシステムを作ってしまったのですから。
今まで、日本のメディアではあまりゲームが批評されるというシステムが整っていなかったと思います。少なくとも各種企業運営のものでは。しかし今回のでそこに踏み込んだことはかなり注目すべきことだと思います。
しかしその反面、多くの人は「これで適正な評価がなされるのかなあ」とも思ったのではないでしょうか。それは、メーカー自体がこのような評価システムを運営するという前例のないことへの不安と同時に、現在この手の批評サイトが抱えている問題が頭に浮かぶからだと思います。
例えば一部の参加型評価サイトでは、あまり正確な批評と思えない手放し賞賛のみ大量に溢れているものや(極論操作っぽいものも)、逆に実際のものとはかけ離れて中傷されまくっているものが見受けられます。
しかしこれはゲーム評価システムに始まったことではないですね。例えばレストラン紹介サイトの「ぐるナビ」では、それぞれの店の評価システムがあるのですが、一時期関係するレストランをリスペクトしまくる自作自演が吹き荒れたために、現在はかなり投稿が厳しくなっているらしいです。
これらの投稿型サイトは一定の人数で影響力もそれなりの頃ならいいのですが、その効果で人を呼び寄せてしまう。そして人が増えると影響力も増し、それに目をつけた被評価者や悪意までも呼び寄せてしまうというジレンマを抱えていると思うのです。しかもそのまま手を打たずに放っておくと、そこは自作自演と罵倒が蔓延してしまう、そしてそれに嫌気が差した良質な評価者が去ってしまうということが起こりうるのです。
とはいえ私は巨大化した評価型サイトが機能してしないとは思っていません。ただし点数は飾りに過ぎず、個々に書かれたコメントを重視しています。そしてどこが良いのか、何処が悪いのかがはっきりとわかるもので、自分と傾向が似ているレビュアーの意見に重きを置くことにしてします。
ちなみにそういった問題を防止するために、各種投稿サイトでは対策をしているものも多いです。例えばAmazonではコメントが役に立ったか立たなかったかを見た人が評価するものがあったり。まあそれが100%効果があるとは言いませんが、何もしないよりはずっとよいと思います。
さて、現在任天堂側の防止策としては、「ソフトの購入者のみが評価できる」というシステム。これは今までの投稿サイトにはなかったかなりのアドバンテージだと思います。これにより必ずソフトを購入する必要がありますから、無制限の自作自演は難しくなります。
ただ、評価の母体数が多くない場合、関係者が10本買って全部評価につぎ込むと、自作自演出来てしまうことになります。ここは経過を見ないと分かりませんが、考慮すべき点でしょう(評価が100くらいあればまあいいのですが、最初はほとんど1ケタ評価だろうなあ。Amazonでも多くは数件しか書かれてないし)
あと、採点方法ですね。これがもし加点方法であれば結局面白さはどうであれ、売れたソフトが一番ということになってしまうので、それじゃあ今までと変わりないということになりますし。というか得点はいらないかも。
あと、出来れば、私が今までのサイトで使ってきた方法のように、レビュアーの名前がわかるといいですね。そしてそこから履歴を辿ってゆけるとなお良し。
それと、任天堂自身が点を操作しているのではないか、という胴元が持たれる運命の疑惑をどれだけ払拭できるかでしょう。
しかしこれ、サードパーティーでは良質なゲームを作るけど、広告にあまり金をかけられないソフトハウスは歓迎でしょうが、その逆で歓迎しないところもあるでしょうねまあ、これも粗製濫造からのゲーム市場崩壊を防ぐための任天堂の手なのかもしれません。
ともかく、このシステムが「隠れた(売れていない)名作」を「ちゃんと売れている名作」にしてくれることを望みます。