スポンサーリンク

ゲームソフトのパッケージ販売とダウンロード販売は棲み分けが出来ると思う話

 このところ、コンシューマゲームでもダウンロードソフトというものが増加しています。例として挙げれば、PS3やPSPにおけるPlayStation Store、X360におけるXbox Live、Wiiにおけるショッピングチャンネル、最近ではDSiにおけるDSiWareといったものですね。
 さて、これはここ近年発売されたハードから搭載されたものですが、今まではどちらかというと旧作の再リリースが中心だったように思えます。たとえばPSアーカイブ、ライブアーケード、バーチャルコンソールといったもの。しかしここ1年くらいで目立ってきたのが、それぞれのオリジナルコンテンツの配信。つまり、今までに発売されていなかったソフトを、それぞれのDLコンテンツで配信しようという試みが、ここ最近盛んに行われています。
 国内での普及率からか特に目立つのはWii Wareと、最新のDSi Wareですね。最近ではWiiでまさかのロックマン最新作『ロックマン9』が配信され話題になりましたし(かなり難しかったけど)、ほかにもテトリスから麻雀、スポーツゲームといった多数のラインナップが用意されています。
 そしてDSiでも地味に夢中になるソフトがかなり出ていて、評判がよいみたいです。つか、DSiのカメラにはそれに適したソフトが出るまで興味ないけど、こっちの方に興味はすごくあるので、次にX360を買うか、DSiを買うか悩んでいるところです(まあおそらく360。余裕があればDSiも……そらPS3も欲しいですけど、先立つものがねえ……)
 さて、このDLソフトの魅力の一つとして、「低価格」がありますね。これらを購入するのに必要なポイントはそんなに高くはなく、実質の円換算だと500円から1000円、高くても2000円以下。ものによっては200円なんてのもあります。
 何故、ここまで安いのか。理由は「ここまで安くしないと売れない」というのと「ここまで安くできる」という二つがあるでしょう。
 「ここまで安くしないと売れない」というのは、DLソフトの殆どはその性質から小規模、小容量であること。つまりパッケージで売っているような大作ではなく、ちょっと遊べるようなものがほとんどです。これはもちろんDLのデータ的な問題、つまりDVDサイズのデータをやちとりするのは辛いという問題がまずあるでしょう。さらに、現在ではまだDLソフトでは「現物がない」というのがユーザーにとってマイナスに働いていると思われます。つまりデータだけだと現物のあるパッケージに比べて損をしているような気がすると。だからその分DLソフトにメリットがないと買われない。それが「安さ」ということではないかと。
 ただ、当然メーカーも採算を取れないとソフトを作りもしません。しかし、DLソフトはこのような低価格でも採算が採れるということです。それは単純にパッケージソフトのような媒体制作費、パッケージ&マニュアル製作費、そして流通にかかる金が大幅に削減できるということ。その分を価格に反映できるわけですね。特に流通に関しては、「作りすぎで在庫過多に陥る」というリスクを防げるので、大きいと思われます(とはいっても現在リスクを背負うのは問屋か小売りが多いのですが)。
 では、ここでひとつの疑問がわいてきます。将来はこのメリットだらけのDLソフトが主流になり、パッケージソフトがなくなるのか、ということ。これはあちこちで言われていますが、個人的にはNOだと思います。それは前述のように、DLソフトはパッケージソフトの全需要をカバーすることは出来ないと思うので。
 前述のようにパッケージじゃないと不安だと思う人はいますし、マニュアルがないと不満という人もいるでしょう(これらは慣れの問題もあるでしょうが)。それに、今のDVD1枚の容量でも、DLでまかなうにはかなり環境とインフラが整っていないと難しいと思われます。
 そもそも、ネットに繋いでいない家ってまだけっこうあるのですよね。
 なら、技術が進化して、インフラもそれなりに発展すれば、パッケージはなくなるかという話になりますが、それもNOでしょう。その時には高機能化ハードはさらに容量が上がっている可能性があります。その全データを複数溜め込むのは少し難しいかと思われるので。
 仮に本体でそのデータを溜めることができたとしても、回線インフラにおいては、光インフラがそれなりに広まった今、これ以上に劇的な進歩はないと思っています。つまり秒間下り10Mくらい出せたとしても(フルタイム100MDLは殆どの家でさすがに無理でしょう)全容量がブルーレイをフルに使うものだったら、やはりそれなりの時間がかかってしまうと。
 つまり、DLソフトとパッケージは両立してゆくと思うのです。そしてここに来て、それぞれの領域がはっきりしてきた気がします。すなわち既存の中規模~大作ソフトはパッケージ、そしてDLソフトは低価格帯のソフトという感じ。
 実は、低価格ソフトというのは今までパッケージソフトを扱う店にとってもそれほど重視される存在ではなかったと思われます。というのは、利幅があまりないので。それは開発費が安くても、パッケージ代やマニュアル代は一定金額かかってしまうので、どうしても仕入れ値は上がってしまうため、その分小売りの取り分も少なくなっていることが予想されます。売り上げも『脳トレ』クラスのなら別ですが、そこまで売れているのもないでしょうから、どうしても取り扱い幅は小さくなるという感じ。低価格ソフトの目新しさがなくなっている今なら尚更。これは薄利多売じゃないと辛い低価格ソフトにとっては致命的です。つまりDLで配信されている低価格ソフトは、アイディアはあったとしても、採算が採れなかったのでパッケージでは作られない可能性が高かったソフトではないかと思うのです。
 しかし、それをフォローする存在としてDLというシステムが出てきました。つまり、DLのこれらのソフトはそういった意味でパッケージではでなかった可能性が高いので、店で売っているパッケージソフトとは競合しないと思うのです(まあ「ゲーム同士の時間の取り合い」って意味ならあるでしょうが)。
 おそらくは、近い将来
  ・中規模~大作(値段にして5000円~10000円)……パッケージソフト
  ・小規模~中規模(値段にして数百円~3000円)……DLソフト
という棲み分けが出来るのではないでしょうか。(つか、そうでなければDLソフトは小売り関係が猛反対しているはずですし)。
 
 PSP2はDL専用か? という噂も流れていますが、こう考えると個人的にはおそらく違うような気がするなあと思ったりします(UMDはなくなりそうですが)。たぶんDLも出来て、店舗売りのソフトも出来る形になりそうな。
 ちなみに個人的にはこういった低価格DLソフト群から、これはパッケージで実験的だ! おそらくパッケージではリスク高すぎて出せなかっただろう。しかしなかなかおもしろいから受ける人にはすごくいいだろう!」というものがでてくると嬉しいですね。

タイトルとURLをコピーしました