「空気を読まない中杜カズサ」のほうで、以下のエントリーを書きました。
要約すると、恋愛ストーリーは、主人公とメインヒロインが結ばれる話が大切なのと同時に、その恋愛にかかわってきた他の女性キャラをどう退場させるかが、後味の悪さを残さないかで重要じゃないかってことです。
さて、これを書いていて、ゲーム方面でもとあるひとつの作品が頭に思い浮かびました。それは、この三角関係の解消パターンで、これに反してとんでもない退場のさせ方をさせているゲームがあるということ。それは、サターン時代に生まれ、数々の話題やら伝説を残したギャルゲー、『センチメンタルグラフティ』。
『センチメンタルグラフティ』のマイナス面
このゲームがいろいろな意味で伝説になったのは、ゲームにちょっと詳しい人ならご存じでしょう。マイナス点として言われているものを、時系列で並べてまとめると以下の通り。
・発売前からの大幅なグッズ展開。
・『センチメンタルグラフティ ファーストウィンドウ』の異常な入荷率の低さによるプレミア化。
・雑誌とのメディアミックス。
・声優公募。
・『センチメンタルグラフティ ファーストウィンドウ』の回答数の少なさを見て多めに発注したら100%回答。必要以上の量が市場に(これについては、異論もあるでしょうが)。
・画面写真の背景が、実写加工。さらにキャラデザの甲斐氏の絵ではないもので、不安が走る。
・度重なる延期
・『暗黒舞踏』とも呼ばれる意味不明のOPムービー
・出荷数の多さから余りまくり。
正直、あまり言い影響を残してはいないのではないかというゲームになってしまいました。
ついでに見つけたのですが、そういったグッズの成れの果て。
システム的に主人公が鬼畜となってしまう
さて、このゲームは上に挙げた点がマイナスと言われますが、主にはゲーム周辺のことですよね。だけど、このゲームシステムでもやってはいけないことをやっていたと思います。それが最初のエントリーに繋がるのですが、ヒロイン以外の退場のさせ方が、かなり極悪なこと。
このゲーム、全国各地を回って、過去に知り合った女の子に会いに行くゲームなのですが(このへんもツッコミどころ多いけど、割愛)、キャラとのベストハッピーエンドを迎えるためには、その12人の女の子、全員と再会しなければなりません。しかし、ときメモの爆弾のごとく、会わないと不満が溜まっていきます。となるとある時点で、その女の子のフラグを断ち切るイベント、つまり振るイベントがあるのですが、これが後味の悪さ最高。だって、わざわざ会いに行って、フラグ立てたのにこっちから振らないといけないのですよ。それをほぼ目的のヒロイン以外の11人にやらないといけないわけです。まさに1人と結ばれるゲームではなく、その他11人を振るゲームになってしまっていると。
だから、もうそのキャラとのエンドに行く前にかなり滅入って感動がだいぶ削がれますし、だからといってゲームだと割り切れば、この手のゲームに必要な感情移入がだいぶ削がれてしまいます。実際、幼なじみの娘を振らなくてはいけない時については、当時のゲーム雑誌の読者欄に「振ってから3日間、このゲームが出来なかった」とかなり鬱になる人もいたそうです。
悪い方向で働いてしまったヒロイン複数相手
つまりこのゲーム、三角関係ストーリーとかでいちばんやってはいけない退場の仕方を、堂々としているのですよね。まあ複数と関係を持ったらそりゃこういう時は来るかもしれませんが、それだったら最初から会いに行くなというツッコミは、誰もがするでしょう。
今思うとこのゲーム当時流行してた『同級生』シリーズのシステム(エロゲーなので、複数相手にすることも行う)を、悪い方向で真似てしまったのかなと思います。だけど、ゲームイメージの都合か、複数攻略をさせたくなかったので、ああいう形になったと。しかしそれが逆に、このゲームを「鬼畜ゲーム」としてしまっている気がするのですよね。まあ、たしかに振るシーンが感動を呼び起こす場合もありますが、すべてにおいてその方法が悪かったと。
そして2では……
このゲームは発売以降、だいぶ人が離れてしまったのは前述の通りですが、それはこの「鬼畜ゲーム」的様子がかなり強く影響しているのかもしれません。
しかし、2ではさらにこの上このことを平然とやってのけます。それは「前作の主人公いきなり死亡」。エアリスもびっくり。でも、何でこんなことをしたかというと、ちょっとだけ思い当たる節はあるのですよね(当然大失敗してますけど)。それはまた今度書きたいと思います。
追記
書きました
更に追記
そして10年後、更に書きました。