アルケミストとゼロ年代のギャルゲー移植作品

ゲーム会社のアルケミストが倒産したというニュースがありました。

 アルケミストが2016年4月1日付で,札幌地方裁判所に対し,自己破産を申し立てたことが関係者により明らかになった。事件番号は平成28年(フ)第545号。 アルケミストは1991年創業。2002年以降ゲームソフト関連事業に参入し,「ひぐらしのなく頃に絆」や「ぎゃる☆がん」などを手掛けている。「アルケミスト」公式サイト(...

アルケミストといえば思い出すものは何か。まず、同社キャラクターでグッズなど幅広いキャラクター展開がなされ、アニメにもなった『びんちょうタン』を思い出す人も多いでしょう。
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しかしそれ以前の世代では、美少女系アドベンチャーゲームの移植が多かった会社、という印象を持つ人も多いのではないでしょうか。実は私もその世代なので、今日はアルケミストの移植ソフトを中心にして、その周辺について語ってゆこうと思います。

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PCギャルゲーのコンシューマ機移植全盛期

アルケミストがゲームソフト事業に本格参入したのは2000年代初頭(それまではゲームソフト販売店などを運営したようです)。

参入作品は『君が望む永遠』のドリームキャスト版。当時Leafの『ToHeart』などビジュアルノベルシリーズや、Keyの『Kanon』(1999年)『AIR』(2000年)などの流れから、美少女アドベンチャーゲームがブームを起こしている時期でした。

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この頃はまだパソコンもそこまでは普及していない時期で、且つコンシューマゲーム機がゲームとしての主流で、その中でも据置機がゲームとしてのメインであった時代です。故にコンシューマにおいてもそれらの需要はあり、PCからの移植というのが数多く行われました。当然Hなシーンは抜かれていますハードの倫理規程によってその表現に差があったりしましたが)が。その分追加シナリオとかボイスやムービーが付け加えられていました。まだボイスがないのが当たり前だった時代です(あと何故か秋葉原のメッセサンオーが、とんでもなくでかい特典つけてたりした思い出)。

当時のゲーム業界全体が広く、売り上げが高かったのもありますが、これらギャルゲー市場も存在感を誇るものでした。主たるところではエルフがセガサターンに出していたもので、サターンの『下級生』の売り上げは、手元の資料では約28万本、『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』は22万本以上の売り上げがあったようです。

そんな時代、PCではアージュの『君が望む永遠』(2001年)がヒットします。そしてそれを2002年にドリームキャスト移植したのがこのアルケミスト。これが同社のスタートとなります

移植作続々

『君が望む永遠』はコンシューマー版もヒットし、それを契機としてアルケミストもPCギャルゲーの移植を続々と行います。代表的なところでは2004年の『月は東に日は西に』、アニメ化もされた2005年の『乙女はお姉さまに恋してる』(PCから『処女→乙女』と名前が変わっている。読みは同じ)、2006年の『パルフェ』といったもの。ちなみに途中からはすでにDCではなく、PS2に市場が移っています。また、2003年あたりからは最初に語った『びんちょうタン』の展開もスタートしています。

余談ですが、今では移植時に声優が変わらないことはわりと普通ですが、当時はPCからコンシューマに移植する時に声優が変わってそれでファンの間で一悶着があったりしました。

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ギャルゲー移植市場の縮小

ただ、2010年前後になるとパソコンが普及してきたのもあり、コンシューマ移植ギャルゲー市場が縮小してゆきます。そのほかにも理由は(エロゲ市場の縮小もあわせて)いろいろありますが、長くなるので今日は割愛。

そこで同社はギャルゲー移植を出しつつも、2008年からは、当時同人で人気だった『ひぐらしのなく頃に』を移植したり、2011年にはX360にて移植のシューティング『ぎゃる☆がん』を出したりと、ギャルゲー移植以外にも幅広いソフトが出て来ます。このあたりではかなり長い市場だったPS2もさすがにソフトのリリースがなくなってきて、PSPに市場が移っていました。

ただ、移植の需要のみならず、ギャルゲー、エロゲー、コンシューマーゲームのどれも昔に比べて市場も売り上げも狭くなってしまったせいか、同社に限らずPCからの移植者はかなり減ってしまいました(むしろブラウザやソーシャルとかの方が多いかも)。

2015年にはPS4やVitaで『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』が出ていたのですが、あえなく自己破産となってしまったようです。
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これから先の市場は……

こうやって見返してみると、PCもコンシューマもそれ以外も、だいぶ市場が変わってしまったなあと思います。以前は「ハード末期にギャルゲーが出る」と言われていましたが、おそらく今後はそれもないのでは。

NECインターチャネルもなく、KIDもなく、加賀クリエイトもなくなりましたが、今後この手の移植はどうなるのか。まあPCメーカーや流通が直で開発販売しているので全滅はないでしょう。だけどエロゲがAndroidで売られる時代だから、そのうちこういった移植も公式ストアで出せる形としてアプリとかの方向に向かうのかなあと思ったりもします。

追記

勢いでほかのメーカもどうなっているかについて書きました。

前回先日破産したアルケミストについて書きました。 しかし、今までにこういったギャルゲーの移植を行ってきたメーカーはアルケミストだけではなくて複数あります。 今日はそのうちギャルゲー移植で有名だったメーカーが今どうなったかについて書いてゆきます。