このゲーム業界では、80年代から活躍していて今でも現役という人は数多くいます。それはつまり家庭用ではファミコン、PCなら88など、そしてアーケードならまだ不良の溜まり場というイメージが多くの人から抜けきっていなかった時代からゲームに携わっていた人。そしてそれはゲーム音楽の作曲家でも同じことで、例を挙げればすぎやまこういち氏（もっともこの方はすでに作曲家などの経歴がありましたが）や植松伸夫氏、古代祐三氏や崎元仁氏、細江慎治氏や小倉久佳氏等々。そして多くの方は途中ゲーム音楽バンドブームなどもあり、わりと知名度もあります。
しかし、ゲーム音楽において忘れてはいけない重要な存在で、数々の名曲を生み出しているにもかかわらず、ほとんど表に出てこないゲーム作曲家さんたちも存在します。そのうち代表的なのが任天堂のサウンドチーム。
これを思ったのは、『大乱闘スマッシュブラザーズX』での曲リストを見ていた時。このゲームには任天堂の数々の歴代名曲が出てきます。そしてそれを編曲するのも昔から携わってきた有名人が数多く存在します。しかし、私の印象ではこれらの原曲を生み出してきた人の露出が、近年までかなり抑えられていたような気がするのですよね。
昨年、任天堂で『スーパーマリオ』や『ゼルダの伝説』シリーズなど数々の名曲を作られてきた近藤浩治氏（サウンド統括グループマネージャー）が基調講演を行いましたが、それまではほとんど出てこないで、たまに任天堂のサイトやゲーム雑誌でインタビューをするくらいだったと思います。
でもまあ、ゲーム業界ではなくて普通の会社的に考えれば、あまり人員構成が外部にはっきりわかるというのも不自然とも言えなくもないですが。とはいえ、ゲーム音楽好きとしてはやはりこれだけの素晴らしい音楽を作る方々についても知りたいと思うわけです。それで、今回『スマブラX』をもとにして（抜けがあるとは思いますが）Wikipediaなども参考にしつつ軽くまとめ……たかったのですが、書いている途中でとてつもない人がかかわっていることを認識してとてもまとめられそうにないので、クラブニンテンドーのポイント特典サントラ3枚に収録されている方を中心に書かせていただきました。順不同。
・近藤浩治氏（サウンド統括グループマネージャー）……マリオシリーズ、ゼルダシリーズをはじめとした任天堂サウンドの筆頭。
・中塚章人氏……『クルクルランド』『アイスクライマー』から担当がある古参の方だけど、あまり露出がない。『リンクの冒険』は名曲。近年では『ゲームボーイミュージック』等。それのインタビュー記事がありました。
・戸高一生氏……どうぶつの森の「とたけけ」で有名な方。代表作は『どうぶつの森』シリーズ。”とたけけ”の知名度で言えば、ぶつ森ライブのせいで近藤さん以上かも。
・峰岸透氏……『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』等。
・永田権太氏……『マリオカート』シリーズ等。
・若井淑氏……スターフォックスシリーズ、『ピクミン』等。
・山本健誌氏……『メトロイド』シリーズを数多く担当されている。
・濱野美奈子氏……代表作は『スーパーメトロイド』等。
・兼岡行男氏……あの『ドンキーコング』の作曲。でも最近のゲームでは名前をお見かけしませんが（『マリオテニス６４』で確認）
・板東太郎氏……『F-ZERO』シリーズ。
・神吉（亀谷）由美子氏……『F-ZERO』シリーズ。
・吉冨亮二氏……『メイドインワリオ』シリーズ。
・田島賢氏……『メイドインワリオ』シリーズ。
・田中しのぶ氏……『どうぶつの森』シリーズなど。
・太田あすか氏……『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』等。
・田中宏和氏……この方は現在任天堂ではなく、クリーチャーズ社長ですが、欠かすことができないために載せておきます。近藤氏と同じようにFC時代から携わっていた方で、『ドンキーコング』や『バルーンファイト』など、数々の名曲を作られた方。スマブラXでも編曲しておられます。
・岡素世氏……退職。代表作『ふぁみこんむかし話 遊遊記』『スーパーマリオカート』等。現在作曲家。『砂ぼうず』の曲など。
・平澤創氏……『スターフォックス』。退職。現在フェイスというベンチャー会社の社長らしいです。
その他任天堂と関係が深いHAL研には酒井省吾氏や石川淳氏、ゲームフリークには増田順一氏がおられますね。
おそらくここに書いた以外にも数多くの方がいらっしゃると思われます（何名か確認できましたが、ゲームがわからないので割愛）。つか、ゲームにおいて（残念ながら）音楽担当はあまり人員を割かれない場合が多いのですが、それでもこれだけの人がいるとはさすが大会社というしか。
ゲーム音楽ファンとしては、ならスクエニみたいに独自レーベルとか作ってほしいと思ったりします。
