メディアミックスの失敗ってのは昔からありましたね。それはアニメだけではなくて、ゲームでも。というか一昔前までは、コミックやアニメのゲーム化というのはほとんどがクソゲーみたいに言われていた時代がありましたね。まあそれをあまり否定できないのが悲しいところですが、中にはテクモの(←ここ重要)『キャプテン翼』みたいに、アドベンチャー風サッカーとして良作に仕上がったものもあります。『ロードス島戦記』(DC)『はじめの一歩』(PS2)など、キャラものであっても名作と言われるものまで出てきましたね(つか、ESP系に多いな)。つか、この前版権モノのエントリーを書きましたが、これはなんとしてでも後世に伝えたいなあ……
しかし、マンガやアニメのゲーム化だけではなく、その逆、すなわちゲームのマンガやアニメ化というのもわりと昔からありました。マンガは小学館の学年雑誌や、あの『ゲームセンターあらし』が連載されていたコロコロコミックあたりで、任天堂のゲームのもの(マリオやカービィ)が、そしてアニメも同じく映画で、高橋名人対毛利名人と同時上映されたスーパーマリオの頃が最初だったと思われます。
正直な話初期はあくまでキャラを中心とした子ども向けで数も少なく、飛び抜けて面白いものではなかったと思います。しかしながら時が経つうちに漫画誌もゲーム系と多くタイアップするようになり、はてはエニックスのように漫画誌も出版するようになったため数が増えてゆきます。そしてその中にはゲームのコミカライズにもかかわらず、面白いものが現れました。とはいっても全然面白くないものも多かったのですが。
せっかくなので、今日は私の知る限りなかなか面白かったゲームのコミカライズ作品を挙げてゆきます(アニメ方面はよくわらかないので、今日は割愛します)。ただ、コミカライズ作品が多い雑誌ということで、結果的にエニックスやゲーメスト系のものが多いです。
ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章(藤原カムイ・少年ガンガン)
もしかしたら一番有名かもしれないゲームコミカライズ。これはドラクエというのを無視しても十分面白いファンタジーマンガになっています。というかあくまで原作通りではなくて、世界観を生かして一番面白い展開に行ってますし。
ドラゴンクエストモンスターズ+(吉崎観音・少年ガンガン)
『ケロロ軍曹』でおなじみの吉崎観音氏の作品。この人、ゲーメストやファンロード出身だけあって、ゲームマンガをどう描けば面白いかが分かっています。何よりも作品への愛を感じます。たしかコミックゲーメストで『出たな!!ツインビー』を描いていましたが、そっちもなかなかだったような記憶が。
さくらがんばる!(中平正彦・コミックゲーメスト)
ある意味ゲームに一番影響を与えたコミック。なんといったって、ここで登場したオリジナルキャラの「神月かりん」は、ゲームに登場してしまったのですから。
ちなみに作品のテンポもよく、男性キャラも魅力があるのでおすすめ。
ゼルダの伝説 夢をみる島(かぢばあたる・エニックスGファンタジー)
これはゲームボーイの『ゼルダの伝説 夢をみる島』のコミカライズ。この作品のすごいところは、ゲームでは描かれなかった(というか1人称タイプなので表現できなかった)、自分の行為における島の行く末についての葛藤が人とのふれあいを通して描かれている点。ゲームも名作ですが、こちらも個人的に評価が高いです。(絶版)
ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣(箱田真紀・エニックスGファンタジー)
一時期『Gファンタジー』の看板だっただけあり、なかなかキャラが生きています。ただ、ファミコン版をベースとして出していたのに、そのうちスーファミ版が出て、キャラの性格がマンガとファミコン版よりくわしく出てきたスーファミ版であわなくなってしまったところですが。後半は当時の雑誌の諸事情とかでグダグダですが、途中まではわりといい感じでした。(絶版)
魔神転生・女神異聞録ペルソナ(上田信舟・エニックスGファンタジー)
アトラスのメガテンシリーズでは定評のある漫画家さんです。ちゃんと原作をわかっている状態でキャラが動いているのですので評価は高いです(絶版)。
メタルブラック(仙波隆綱・コミックゲーメスト)
あのシューティングのコミック化がされていたのですよ。なんと。しかも作者は原作の制作者である仙波隆綱氏。しかし残念ながら格闘ゲーム全盛の時代にシューティングマンガはウケなかったのか、数号でフェードアウト。単行本も出されていません。もったいない……
復刊ドットコムでもリクエストが出ているみたいですし、是非みたいですね。
他
ほか、『スターオーシャン セカンドストーリー』(東まゆみ・少年ガンガン)、天獅子悦也の餓狼伝説シリーズ(ゲーメスト)あたりもなかなか面白い作品でしたね。あと、あの古葉美一氏の『豪血寺一族2』(コミックゲーメスト)もわりと面白くて好きでした(本当に普通のギャグマンガですよ、一応)。
ま、ここに出せないようなゲームコミカライズ作品もたくさんあるんですけどね……
とにかく、これからも出すなら原作を超えるくらい面白いものを出して欲しいと願うわけです。間違っても原作の足を引っ張らないように。もちろんコミック→ゲームの場合にもね。
追記
たくさんの反響コメントありがとうございます。
こちらを見て「あっ、それがあったか!」と思うものが多数出てきましたので、そちらも書いていこうと思います。ただ知らないのもあるので、それはこれから読もうかなと思います。
DRAGON QUEST -ダイの大冒険-(三条陸&稲田浩司・週刊少年ジャンプ)
ごめんなさい、有名すぎて逆に忘れてました。たしかにいい作品です。黄金期のジャンプを読んでいた人ならもう説明は不要でしょう。
超兄貴(田丸浩史・少年キャプテン)
『ラブやん』でおなじみの田丸浩史氏の作品。あのシューティングをあの田丸氏の絵で!暑苦しい!しかし笑えます。
他追記
私は読んでいないので確認できませんでしたが、以下のようなものの推薦もいただきました。
・『Canvas2 虹色のスケッチ』 (FC01・児玉 樹)
・月姫のコミック版
・『真・女神転生 デビルチルドレン』(藤異秀明)
・『ポケットモンスター☆SPECIAL』(日下秀憲・真斗・山本サトシ)
・『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』(天野シロ)
・『ロックマンX』(岩本佳浩)
・ロックマンシリーズ(有賀ヒトシ)
・ボンボン版マリオとがんばれゴエモン
・FRONT MISSION~THE DRIVE~(太田垣康男・studio SEED)
・FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE(太田垣康男・C.H.LINE)
・『幻想水滸伝III 』(志水 アキ)
・『ヴァンパイア セイヴァー ~魂の迷い子~』(東まゆみ)
・『ストリートファイターII 』(神崎正臣)
・『海底大戦争』(夏元雅人)