な~つがく~れば~って感じで今年もまたやってきました。何がというと各種ゲーム雑誌におけるゲーム系専門学校の特集が、です。
この時期、どのゲーム雑誌、それこそ総合誌から専門誌、果てはエロゲー系に至るまで中の数ページをさいて、どんな専門学校があるかという特集をしています。まあゲーム雑誌だけに限らず、趣味系の専門誌なら全般的にそうだと思いますが。
『ゲーム専門学校から見た風景』
昔はこの時期が来る度に「うぜえ」と思っていましたが(10年以上前、どこのゲーム雑誌から漏れたのか勧誘電話攻勢されて以来いっそう)、10年以上も同じようにやっているとなんか慣れてきましたけど。
まあ、そのへんの実態を知りたい人は鈴木みそ氏の「オールナイトライブ」の5巻に収録されている、『ゲーム専門学校から見た風景』を読んでくださいませ。専門学校関係者へのインタビューということで、以下のようなことが書かれています。
・4年で約600~700人の卒業生がいるがゲーム業界に入った実績0。
・「うちを卒業しても就職は出来ません」と説明している。(業界では良心的な方)
・生徒のほとんどはパソコンを触るのが初めて
・まじめにプログラムを学びたい学生は情報処理化に行き、ゲーム化には残らない。
・4行で動くライブラリ(スクリプタかな?)があるが、それさえ打てない。
・何も出来ないから企画総合コースを希望する学生が多い(そこはふきだまる中のふきだまり)。
・「てにをは」知らない、九九が出来ない人がいる。二年かけて教えたら親に感謝された。
・授業中の集中力がない。しゃべっているのを注意してもそれが治まらない。
・考えないと進めないゲームは辛いらしい等々…
そこから、「生きる力が足りなくなっている」「ケータイを持った白アリが日本の土壌を喰いつぶしているよう」と語られていて、読んでると暗くなります。
マンガだから誇張されていると言いたいところなんですけど、わりと同じことを他でも聞くんだよね…(九九が出来ないはさすがに聞いたことありませんが…本当なの?)
内部情報があまり見当たらないないゲーム専門が交
だけど上のは例外として、こういったゲーム系専門学校の話題って、噂(主に掲示板の書き込み)では色々出てくるのに、実際に取り上げているのって、意外とないですよね。まあ理由はそんな難しくなく、広い意味で「誰も書けない」からではないかと。
実際、この手の学校の内情に関して正確な情報を知るのは、在学していた人か関係者(講師とか)、それに一部の業界人(ゲーム雑誌とか)でしょう。しかし、生徒は仮にも自分の行っている(行っていた)ところのマイナス面は書きたがらないし、経営側は言わずもがな。そしてゲーム雑誌も広告主である以上あまり書けませんよね。
もしかしたら、こういうのを取り扱っている本があるかもしれませんが、知らないのでどうにも。
ちゃんと専門学校出身のプロもいる
ちなみにとってつけたようなフォローみたいで何ですが、ゲーム専門学校に通う人全員が上記の「オールナイトライブ」で書かれているみたいなわけではないと思います。実際ゲーム業界の人でも、専門学校を出て業界で熱心にやっている人を何人か知ってますので。
ただ「出来る人は、自分で仕事先(ゲーム会社とか、マンガならアシスタント先とか)を在学中に見つけてくるので、学校に来なくなる」という傾向はわりと本当みたいです。
まあ大学でも他の専門学校でも遊び回る人と勉強する人は一定の割合で両方存在するっていいますし(パレートの法則?)、あまり場所は関係ないのかもしれませんね。ただ、ゲーム専門学校の場合それが顕著なのかもしれませんけど。
私の考えですが、別にゲーム専門学校に行かなくてもゲームは作れると思います。少なくともアドベンチャーなら「吉里吉里」という便利なツールがあり、素材もネットにフリーのものが背景から立ち絵、音楽までごろごろ転がっていますので。
う~ん、なんかまとまりのない文章になってしまいました…すみません。
追記
上記の鈴木みそさんのマンガが書かれたのは1990年代前(たしか『コミックビーム』のわりと初期だったような)で、まだ「ニート」とかいう言葉がなかったことだと思います。現状はこういった専門学校に限らず、もっと酷くなっている…とも予想できます。
だけども外側(社会)からは何もわからない。最近は「ゆとり教育の弊害」なんてものが言われていますが、それも実感としてはほとんど伝わってこなかったし。それが怖い。