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ファミコン時代にナムコブランドとして出された他社制作のソフト

もう二十年以上昔の話になりますが、実はファミコン時代にはサードパーティ、すなわち任天堂及び任天堂直下の会社以外は年間に出すソフトの本数に制限が加えられていたというのをご存じでしょうか。これは任天堂の方針で、供給過剰や粗製濫造を起こさせないための対策だったと言われています。

しかし、ファミコンに早期から参入したサードパーティは、その初期ライセンス企業の優遇処置として本数制限なし、自社ラインで生産可能等といったメリットがあったようです。その対象企業はハドソン、ナムコ、タイトー、コナミ、カプコン、ジャレコの六社。

そのうち、ナムコはその特権で他社の制作したソフトを自社のブランドで出し、ライセンス料をもらうという方法を始めます。

この後、これの問題から優遇処置打ち切り、そして裁判沙汰にまで発展して、任天堂とナムコの関係が悪化していったと言われています。ちなみにこの時のゴタゴタが後を引いて、ナムコをPCエンジン陣営、そしてPS陣営に走らせて、PS大躍進のきっかけのひとつとなった面もあるでしょう(でもPS登場までは、ファミコン、スーファミでソフトを出していた)。このへんの経緯は複雑なので、また機会を改めて。

さて、このナムコが他社の制作したゲームを自社のライセンスとして販売していた時期というのは、実はけっこう名作が多かったりします。ちょっと具体例を挙げてみましょう。

namco21

 

バーガータイム(1985年)

もとはデータイーストのアーケードゲーム『ハンバーガー』。
これはアクションパズルなのですが、巨大なパンを踏みつぶしつつ、敵キャラとして襲ってくるソーセージなどの具をはさみながらハンバーガーを完成させるという、考えてみれば不条理なデコテイストの溢れるゲームでした。でもおもしろかったですけどね。

タッグチームプロレスリング(1986年)

これもデコのアーケード『ザ・ビッグプロレスリング』のファミコン移植。ある意味ファミコンにおけるプロレスの元祖(あえて『キン肉マン』をカウントしない)。
これも結構人気が出ていたので、この後ファミリー○○シリーズというナムコのスポーツ路線のきっかけのひとつとなったのかも。

スーパーチャイニーズ(1986年)

これはカルチャーブレーンから発売されたもの。もとはアーケードの『チャイニーズヒーロー』(タイトー販売)かと。
ちなみにこの頃のナムコは、4500円、もしくは5500円くらいが当たり前だった時代に3900円のソフトを出し、しかも紙のケースが当たり前だったところをプラスチックのハードケースで販売するなど、自社流通の特権を生かしてか、かなり目立つ試みをしていました。そしてこのスーパーチャイニーズも3900円で販売されました。

デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)/デジタル・デビル物語 女神転生II(1991年)

言うまでもなく、現在も続くアトラスの『女神転生』シリーズの元祖(まあ本流はSFCの『女神転生』からでしょうが)。ちなみにこれのCMは、前の『さんまの名探偵』と同じく島田紳助、西川のりおなどのお笑いタレントを大勢使ったもの。いまだと金かかってできなさそう。

カルノフ(1987年)

これもデータイーストのアーケード『カルノフ』。
アクションとしてはよくできていますが、それはデコテイストで、ハゲデブの火を吐くおっさんが主人公。これをナムコキャラにしてよかったのかと。
ちなみに続編の『チェルノブ』は、メガドラからデータイースト自身から出ています。

 

えりかとさとるの夢冒険(1987年)

これはアトラス制作。
ただ、現代ではこのソフトは別の曰くがありまして……まあ。

 

貝獣物語(1988年)/じゅうべえくえすと(1991年)

これは今回初めて知ったのですが、バースデイという、『ふしぎ星の☆ふたご姫』の原案も手がけていたところが開発したそうです。

キングオブキングス (1988年)

これもアトラス。キャラクターイラストは金子一馬氏。

クインティ(1989年)

これはライセンス販売とは厳密には違うのですが、ある意味外部制作で貴重な例なので。
このソフトは「ポケットモンスター」の作者である田尻智氏が自分で制作して持ち込んだソフト。しかも制作環境は自分で構築して、それを持ち込むという当時としては異例の開発工程でした。
そしてここでゲームフリークが設立され、ポケモンに繋がってゆきます。

田尻智 – Wikipedia

 

まとめ

あとは、遠藤氏のゲームスタジオ制作ゲーム(『カイの冒険』『天下一武士 ケルナグール』など)もありますが、これはどっちかというともともとナムコとの関係的にニュアンスが違いそうなので割愛。

とりあえず、ファミコン時代のナムコはこういったいろいろなメーカーの作品を発売していたのですね。で、メガテンシリーズは今はアトラスの看板だったりと、いろいろあったもののこれの役割も大きかったのかなと思ったりします。
※このエントリーは、2009年2月26日に作成したものをもとに、2014年4月22日に編集、再構築したものです。

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