スポンサーリンク

オールジャンルゲームコンサートの選曲は非常に難しいだろうと思った話

 ちょいと忙しくて間が開いてしまいましたが、この前『VIDEO GAMES LIVE』に行って、またそれ以前に『PRESS START』などでも思った話をひとつ。
 ネットの掲示板などを見ていると、『VIDEO GAMES LIVE』や『PRESS START』の後に必ず出る意見があります。それは「選曲」に関しての文句。すなわちやった曲が知らなかったとか、アレをやって欲しかったのになかったというもの。『VIDEO GAMES LIVE』においては洋ゲーが数本混じっていましたが、これ含めて全部知っていた人はごく少数なのではないでしょうか。
 さて、ここに問題があります。ゲーム音楽コンサートのみならず全てのコンサートにおいて、その演奏される曲を知っているのと知らないのとでは、やはり楽しめる度合いが違うからです。多くの人は、知っている曲、とりわけ好きな曲が演奏されることを望んでそういったコンサートに行くのではないでしょうか。しかし、逆に知らない曲は、のめり込む度合いがやはりどうしても知っている曲より低くなるのではないかと。なんというか、よく知らないアーティストのライブに友達に連れて行かれて、曲が殆どわからず熱狂している友人を尻目になんかノレないという感じでしょうか(余談ですが、こういう事情があるのでそのアーティストを知らない友人や恋人を誘うときは、事前に演奏されそうなCDを渡しておくことをオススメします)。
 たしかに知らない曲でも、新しく良い曲を知るきっかけにはなるとは思います。ただ、1、2曲だといいのですが、それが何曲もあると飽きが来てしまうというのはあっても不思議ではないでしょう。とりわけゲーム音楽の場合、ゲームをやってその曲を知っている人はのめり込む度合いが強いと思われますので、知らない場合との差は大きいのではないでしょうか。
 しかしライブなりコンサートというのは、ある意味限定されたジャンルの中で行われているものが多いのですよね。多いのはあるアーティストなりバンドなりといった感じ。そしてゲーム音楽のコンサートやライブも、今までの多くは『ドラゴンクエストコンサート』や『ファイナルファンタジーコンサート』、『逆転裁判コンサート』のようなゲーム単位や、『ZUNTATAライブ』『SSTバンドライブ』のようなメーカー単位、もしくはギャルゲー系で多いようなシンガー(もしくはI’veなどのようなチーム)単位というものが多かったですよね。そういったものでは、その歌い手なりメーカーなりゲームなりの曲は限られているので、全部知るのは難しくありません。そして、知らない人はもともと来ないのではないかと。
 しかし、『PRESS START』や『VIDEO GAMES LIVE』のようなオールジャンルゲームの場合は、全メーカー、全ジャンル、全機種となります。そしてその範囲はゲーム全体ということで非常に膨大になります。だけどそれを全部知り得る人は、かなり少数派となるのではないでしょうか。だって、こんなブログをやっている私でさえ、知らないゲーム音楽はまだまだあるのですから。
 ちなみに『PRESS START』が始まる前までは、長い間オールジャンル、すなわちメーカーや機種を問わないゲームコンサートというのはなくなっておりました。大昔はすぎやまこういち氏が主催するコンサートでそういうものはありました。しかし、それが行われたのはファミコン~スーファミ時代というソフトが少ない時代であったために、その範囲自体も少なく、来場者も多くを知り得たのではないでしょうか(ちなみに1991年のすぎやまこういち氏のコンサートでは『ウィザードリィ』『ドラゴンクエスト』シリーズ、『マリオ』シリーズ、『ゼルダの伝説』、『ポピュラス』、『三國志』『ファイナルファンタジーIV』がラインナップだったようです)。
 しかし、現代のオールジャンルコンサートでは、多くのジャンル、メーカー、そして過去から現在に至る膨大な中から選ばなければいけません。何故なら来る人はそれだけ多岐にわたるので。しかし、全ての人が知っている曲は意外と狭くなります。特に年代差は大きなものとなるでしょう。となると、やはりマリオやゼルダ、FFドラクエのような最大公約数的なところになってしまうという感じではないでしょうか。
 それらも曲がいいので1回や2回ならよかったのですが、だんたんとネタが切れてくるとそれらばっかりになると。で、客も飽きてくるので、新しい曲の要望が出ますが、その曲は全ての人が知っているとは限らないもので演奏は難しい。その結果マンネリがちになってしまう不満が出てしまうというジレンマが出ているのではないでしょうか。
 あと、言うまでもなく権利問題で演奏が不可能な曲もありそうですし。
 こんな感じで、おそらく『VIDEO GAMES LIVE』や『PRESS START』では相当選曲に頭を悩ませているのではないでしょうか。ちなみに今年のPRESS START2009では『俺の屍を越えてゆけ』や『大神』が出ていたそうですが、定番以外から知名度が高くいい曲ということで、かなり考えた末のものだと思われます。ですので、その選曲を評価したいわけです。
 でも、ゲーム音楽を広く知っている人間としては、メジャーじゃない曲もコンサートで聴きたいよなあ……とも思ってしまうわけです。まあそうなると、やはり大勢集まるところだと前述の問題があるので、その系統の好きな人のみが集まる小規模なものになりそうですが。でも、そういうものもかつて行われていたメーカー単位ではなくて(いや、メーカー単位のもどんどんやってほしいけど)、ジャンルとか時代(ハード)単位で演奏するようなところがあると面白いと思ったりするわけです。

タイトルとURLをコピーしました