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追加DLの普及はソフトの販売形態を変えるか

私は『アイドルマスター』はやらない人間でしたが、CDだけは全部ではないですがちょろちょろ買っていたのもあって、最近いろいろ見たり聞いたりしています。で、実際に触れてみると、ああ、確かにこれはハマる気持ちわかるなあという感じです。ただ、ここからもう1歩踏み込むと戻れないまま修羅の道まで突入しそうなのでセーブしていますが。

しかし考えてみると、このアイマスがコンシューマで発売されてから2年、そしてアーケード版のリリースからはもう4年目になるのですよね。だけど現在でも相変わらずプレイされていたり、その他いろいろな形で楽しまれているという、かな~り息の長いソフトとなります。

 

さて、以前このブログで、こんなエントリーを書きました。

長い間楽しまれるゲームというものは、メーカーにとってありがたくない存在なのか
『ストリートファイターII』のブームに始まる90年代のゲームセンターでは、ほとんどの筐体が対戦格闘用になってしまったという光景がよく見られました。私の場合はあまり熱狂的なものを見ると一歩引いてしまう、ひねた性格があったので、格ゲーにはそこま...

ここでは、とあるソフトが長く遊ばれるというのはユーザーにとっては良いソフトということになりますが、メーカーにとってはすでに利益を得たソフトを長く使われると言うことは、新しいソフトを購入してもらう機会を奪うことになり、収益に繋がらないため、ありがたくない存在かもしれないということを書きました。

 

では、X360版だけでも2年以上続いているアイドルマスターはありがたくない存在なのかというと、そうとは言えません。むしろ逆でしょう。

まず、関連グッズが売れています。それはCDやらメディアミックス書籍といったもの。そしてPSP移植版も売れているようです。つまり、X-BOX版やアーケードが長く遊ばれても、メーカーにとってはそれ以外の面で収益があるということですよね。

 

さて、上のものは今まで長く遊ばれたソフトでもよくあったものです。特にギャルゲー系(ときめきメモリアルなど)では同じような傾向がありましたね。これらは展開がうまかったというのもありますが、キャラクター展開がしやすく、他の媒体で収益を計ることが容易な性質を持っていたというのもあるでしょう。

しかし、ここで注目したいのは、このアイドルマスターで新しく収益の手段となったものです。それは「追加ダウンロードコンテンツ」の存在。

アイドルマスターでは、追加でダウンロードできるコンテンツがあります。それは衣装やアイテムといったものですね。さて、この収益は現在かなり高めになっているという話です。

■参考:THE IDOLM@STER (Xbox 360) – Wikipedia

こうなるとこのゲームは長く遊ばれ、親しまれているが故に、このように収益を上げたことになりますよね。というと、最初に語った「長い間遊ばれるとメーカーにとっては不都合」というのは否定されることになります。

これが否定される理由は簡単でしょう。すなわち昔はそのソフトを購入したら、関連グッズは別としてそこでメーカーにとっての収益は止まってしまい、続編や関連作品を出さないと新たな収益は得られなかった。しかし、現在では、そのソフトの追加コンテンツという方法で追加の収益をそのソフト内で得られることになったと。つまり、ハードの進化がそれを可能にしたということですね。

これによってメーカーは、一つのソフトで収益を得られる可能性が出てきたということですよね。となると、メーカーとしてはこのタイプのソフトは今後増やしていきたいのではないかと。

ただ、これに対してはユーザーからの批判や嫌悪もあります。というのはこのDLコンテンツによってメーカーは今まではソフトに収録されたものを削って別売りにしてしまう可能性があるから。

実際、『グランツーリスモHDコンセプト』では当初、コースや車体を販売する旨が告知されて反発を買っていましたね。ただ一応フォローすると、本体のデフォルト価格は安く予定されていたということですから、それに気に入ったオプションをつけてゆく形としてはそう悪くはなかったと思えます(よほど値段が跳ね上がらなければですが)。まあ車体やアバターなどはともかくコースを別売りはちょっとやりすぎだったかなという気はします。

 

ともあれ、「(本来収録されていたものが)削られて損をする」という心理が、DLでの収益を阻害しているとも言えます。まあ、たしかにそれに走るメーカーが現れないとは言えませんし、その心配はごもっともです。

でも、アイドルマスターはその必要なものは一応一通り収録し、そして追加はあくまで欲しい人向けのおまけということにしているので、いろいろ言われながらも利用されているのではないかと。

この、「ユーザーに悪印象を与えないように収益を得る」というのが、今後のソフトにおいて課題となるかもしれません。

ちなみに、このDLコンテンツの収益は、メーカーだけではなく、ユーザーにとってプラスとなる可能性はあります。それは、追加のDLで新しいコンテンツが楽しめるというのはもちろんですが、ことによると余計な金を払わなくてもよくなるため。

今まで、その作品の人気が上がってから、「ちょっと変えただけの続編や関連作」が発売されることってありましたよね。たとえばPS、SSが両方あった時に存在した「PS版はここが違う」「SS版はここがちょっと追加されている」みたいなの。だけどそれ以外の大半は同じというもの。

しかし、追加DLの存在によって、これがなくなってゆく可能性があります。だってメーカーがそれをいちいち作るより、DLのほうが手軽で、且つ原価も手間も新しく作るよりずっと負担が軽くなり、それでいて一定のユーザーを確保できるのですから。

 

まあ、現在のハードはそれぞれが個性的になっているので、とあるハードでリリースしても、別のハードで同じものをリリースするのは難しくなっているのもありますしね。

ま、前述のように今まであったものを削ったDLコンテンツというのはダメでしょうが、双方が特をしたと思わせるものは出して欲しいなと思いますね。それをどう考えるかが、今後のゲームにとってはわりと重要な要素になるのかもしれません。

ま、あくまでメインはソフトで、DLコンテンツは従ってことで。

 

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