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何故、初回特典にはゲームサントラが多いのか(後編)

 

前回の続きになります。まだ読んでいない方は、こちら『何故、初回特典にはゲームサントラが多いのか(前編) – ゲームミュージックなブログ』からどうぞ。

 

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何故初回限定版(サントラ)があるのか

さて、初回に限らず限定版の問題というのは、それこそ『センチメンタルグラフティー ファーストウインドウ』の頃からありましたが(限定版で騒がれた例で一番古そうなのを持ってきました)、そもそも何故、初回限定版サントラなどというものが生まれるのでしょうか。ちょいとそこからアプローチをしてみたいと思います。

 

ご存じの方も多いと思われますが、ゲームソフトというものはほとんどの場合、”初週の売りが全て”と言われるほど発売直後に大半が売れ、それ以降は急激に下がるという売れ方をします。それは売上本数が多いソフトほど顕著です。
最近でこそ、DSのソフト(脳トレやマリオなど)がロングセールスで全集の売り上げを超えるということもありますが、それまでは売り上げが口コミとかで前の週を超えたソフトなんていうのは数えるほどしかなかったと思います。(記憶にあるのだと初代『ガンパレードマーチ』ですね)

そんなわけで、ほとんどのソフトに関しては発売日の本数、つまり発売前に問屋(店の発注のとりまとめとしての場所)にとってもらえる数がそのソフトの実質的売り上げの大半になる、という状況は、それこそ10年以上も続いてきたわけです。

その結果、発売前に確実に売れるとわかっている続編や広告をかけた品ばかりが売れるようになったという問題点があるのですが、それを書くととんでもなく長くなるので割愛します。
悪い言い方をしてしまえば、特典というものはそういうものの道具にされてしまっているわけですね。
だけど、この現状は仕方ないのかといえば、私はNOと答えます。それはユーザーとしてだけではなく、メーカー的立場で考えても(まあユーザー側から考えてのメーカー思考ですけど)。

 

理由は、近年ソフトの売れ方が変わってきていると思われるからです。

前述しましたが、最近のDSソフトでは脳トレやマリオなど長くじっくり売れるタイプというのが増えてきました。これからこの傾向は広がる可能性があります。
しかし、初回特典というものは、初回の勢いを増す分、その後の(いわゆる通常版の)勢いを殺してしまうという欠点があります。そりゃ、買う時期が違うだけで値段の大差ないものなのに、片方にはついていないものがあれば、中古の初回版に手を伸ばしたくなりますね。

これから先、ソフトが今までのような瞬発型だけではなくなるとすれば、初期限定というものは、かえって損をしてしまうこともあり得るのではないでしょうか。ましてや今はWii、PS3、X-BOX360ともにゲームハード自体にもネットが装備され、口コミ評価が広がっていくと考えられるのもありますしね。

 

ま、そんなわけでメーカーさんにはサントラの製品化が無理なら全付きサントラをおすすめしたい今日この頃です。
まあ、ゲームのプレス工場と音楽CDのプレス工場は違うので、梱包が2度手間になるために割高になってしまうのはわかります。それにゲームのケースに入らない別梱包タイプだと、結局バラバラになってしまうので無駄と思われるのもわかりますが、それでもやはりつけてもらいたいのがGMファンとしての希望です。

 

……さて、ここで綺麗に落とそうと思いましたが、あるものの存在に気づいたので、こちらを叩いてグダグダに終わろうと思います。
初回限定はやや購入しやすいので許容できる範囲もあるのですが、「さっさとなくなれ」と思っている類似物があります。それは「予約特典のサントラ」。
これ、予約しないと手に入らないばかりか、たいていの場合予約受付点のと言うのが決まっていて、特定の店舗で予約しないと手に入らないというとんでもない代物。
しかももっと酷い場合店にも配分があるらしく、予約店で予約をしても入らない場合もあるとか。
サントラだけに限らなければ、これに何度煮え湯を飲まされたか……
と、愚痴で終わります。

 

 

☆追記(1/31)

今回の前後編、あちこちのニュースサイトさんなどで紹介していただきありがとうございます。
一通り回った感想といたしましては、比較的初回限定版サントラOKな方が多いですね。
これはサントラに重きを置くか、商品に重きを置くかの立場で、それに対する感想が変わってくるのかもと思いました。
サントラに重きを置くGMファンにとっては、例え金を払ってもサントラが確実に手に入った方がよいですし、それよりゲーム重視のユーザーなら、本来仮に製品版が出たとしても買うかまでは微妙だったサントラが無料(場合によってはいくらか高くなりますが)で付属してくるのは嬉しいでしょう。
まあ、その思い入れの違いはゲームごとにその度合いも違うと思うので、結局全体として善し悪しをつけるのは難しいのかもしれませんね。

 

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