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何故、初回特典にはゲームサントラが多いのか(前編)

 

ゲームミュージックの話がしたいんですよさんで、このようなエントリーがありました。

◆「初回特典にサントラCD」はやめてほしい

「初回特典にサントラCD」はやめてほしい: ゲームミュージックの話がしたいんですよ
日本一ソフトウェア、PS2「グリムグリモア」 4月12日発売決定。初回生産版にはサントラCDを同梱 また音楽は、「ファイナルファンタジーXII」などで知られる有限会社ベイシスケイプの崎元仁氏がプロデュースしている。  本作の初回生産版には、...

興味深い話題だったので、取り上げさせていただきました。

さて、初回限定サントラに対するマイナス点は、ゲームミュージックの話がしたいんですよさんのほうですでに書かれておられますので、このブログでは「何故初回限定版サントラというものが出されるのか」についてちょいと分析していきたいと思います。

しかしざっと書いている時点でどんどん文章が伸びてしまったので(特に初回限定の存在意義についてのとこが)、二つに分割して「何故初回限定版(サントラ)があるのか」と、「何故サントラが(初回限定)特典なのか」の2つで分けようと思います。
とりあえず今日は、「何故サントラが(初回限定)特典なのか」ということについてから。

 

何故サントラが(初回限定)特典なのか

これはそんな難しくないと思います。理由は「望まれて、しかも特典としてそんなに製造費が高くない」からでしょう。
特典である以上、ユーザーに「これは欲しい」と思わせる訴求力が必要です。特典と言えば他に以下のようなものがありますが……

・テレカ…原価が必ず500円以上かかる上、絵に魅力がないと訴求対象にならない(絵が訴求力の主力であるギャルゲーでは多いですね)
・ドラマCD…プレス代はかかるし、声優代もかかる。
・ポスター、ポストカード…安いけど、今では絵がよほど良くないと訴求力が弱すぎ。
・トレカ(特に既存シリーズのエクストラカード)…集めてる人には強いが、それ以外だとほぼ効果なし。しかも複数交わせる方式だと批判が出やすい。
・ぬいぐるみ、時計…原価が高すぎ
・ストラップ、キーホルダー…よほどの人気キャラがいないと弱い
・壁紙集…PCを持っていない人間は捨てられる
・同人誌…作るのタイヘンな上、印刷代がかかる。

 

とまあ、上のような理由で、CDのプレス代を除けば、データが自社権利である限り使い放題なサントラが必然的に選ばれてしまうのです。かさばらないから運送にも便利ですし。

実際、わたしもサントラらしきものを作ったことがありますが(っていうかPC持っている人なら、私的利用目的なら誰でも作れますがね)、WAVファイルとちょっとした音加工ツール(フリーソフトのSound Engineでもできてしまう)があれば、あとは焼きソフトで出力して簡単に作れてしまうのですね。調整とかでいろいろこだわればもっと本格的なスタジオとかが必要でしょうが、そこまで無料の特典に金をかけているとも思えないので。

 

そんなわけで、特典にサントラが多いのだと思います。

だけど難しいところで、じゃあここで初回限定版としてサントラを出さなかったら、製品版が出るのかというとそうとは言い切れません。見方によっては「出るはずのなかったサントラを、初回限定版としてつけている」とも言えるわけです。ましてや音楽CD市場が冷え切っている今の世の中では、リリースさえ難しいと言われていますし。

まあそれはメーカーの言い分になりますが、そう言われてしまうと一理あると認めざるを得ないでしょう。(でも、その後にアレンジCDを製品版で出されると、おい、それどうよって気はすごくしますが。だいいちアレンジだけ買うことはほとんどないし)

じゃあ、『ゴットハンド』やら『オレたちゲーセン族』シリーズのように全付にすればいいじゃないか、と言いたくなる方は多いでしょう。というか私もそう思います。

 

しかしこれはまた厄介なことに「初回限定版」、ひいてはゲーム業界全体に言えるソフトの売り方の問題にまでからんできてしまうわけです。

それについては売り方の問題なので、ユーザーにはあまり関係ない、メーカーサイドの言い分になってしまうでしょうが、検討してみる必要はあると思います。

 

予告通り、長くなるので次のエントリーで。

 

何故、初回特典にはゲームサントラが多いのか(後編) – ゲームミュージックなブログ

 

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