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今後のネットにおけるやゲームメディアやゲームブログにおける希望

※このエントリーは、FC2ブログから現在のWordpressに移転する際に、移転時のシメとして、その時思ったゲーム及びゲーム音楽ブログ界隈のことについて書いたものです。

 

このブログを始めたのは2005年末ですから、もう7年近くもやってしまいました(最初はFC2ではなく、Seesaaブログだったのですよ。あの頃は投稿時に再構築が必要だったり面倒だったなあ)。途中かなり休止期間を何度か挟んでしまったため、長さのわりには投稿数はそこまでではありませんが、それでも1000本程度の投稿をして、まあそれなりに書いてきたかなあ、と個人的には思ったりしています。

さて、このブログを始めたきっかけとしては、2005年当時ネットにおいてゲームミュージックを扱うサイトはあっても、ブログがほとんどなかったのがきっかけでした。といってもそれはゲームも同じで、ファミ通.comなど雑誌社やメディア各社が運営するサイトはあっても、個人で運営するゲームブログやゲームサイトというのは主にゲームの感想や攻略を述べたもの、および特定のゲームのファンサイトでした。ちなみに当時は今ではどのゲームでもある攻略Wiki自体も少なく、(たぶん)個人が自力で攻略公開をやっていた感じでしたね(その公開場所で多かったのが、ちょっと前にサービス終了で一気に閉鎖してしまったinfoseek系の無料ホームページ)。ちなみにこのブログも、初期はランキングサイトである「ReadMe! Japan」に登録していたのですよ。一応瞬間の最高位では100位以内になったこともあるのを覚えています。

 

上で書いて来たような傾向は、ネットの黎明期からのゲームを扱うサイトの流れで続いてきたものだと思います。しかしこの頃からネットの様態がいろいろ変わり始め、ゲームを扱うサイトやブログなども変化が見えてきます。

技術的な面ではまずYouTubeやニコニコ動画など動画サイトの誕生。これにより、文字だけでは伝えにくいゲームの情報をいろいろな動画で伝えることが可能になりました(まあ同時に著作権の問題も出てきたりはしていますが)。またさらに進むと、Twitterなどが登場し、情報、それに過去には考えられなかった制作者とのやりとりまでも可能になり、飛躍的な広がりが見えました。
そしてそれはゲーム音楽でも同じで、文字ベースでは伝えるのが難しい音楽のプロモーションや、ライブ映像の放映、番組なども可能になります。そしてTwitterもあいまって、ネット以前はファンの存在がゲームなどに比べ見えにくかったゲーム音楽のファンが相当数いるということを浮き彫りしにたと思います。正確な数を数えていないのでわかりませんが、体感では2005年あたりよりも、ゲーム音楽サントラのリリース数は増えているのではないでしょうか。もしそれがネットによる功績ならすごいなと。

 

さて、それ以外においてもネットにおけるゲームに大きな変化が見られました。それはゲームメディアの変化。前述の通り、結構昔からファミ通.comや電撃オンライン、それに海外からのGamesparkなど、団体が運営するゲームメディアは存在しました。しかしこの頃からそれ以外のところが運営するものが大きくなってきます。代表的なのはINSIDE。もともとはNintendo INSIDEという任天堂ゲームを中心に扱う個人サイトでしたが、今では大手のゲームニュースメディアとなっています。ほかにも個人ブログからわりと大きくなったところがいくつかありますね。
そして2008年頃から目立ってきたゲームサイトが、いわゆる2chまとめ型。すなわち2ちゃんねるにおけるゲーム系のスレ、主にゲーム・ハード板をまとめたものを出すブログ。ゲーム系に限らず、2006年頃から大きくなってゆき、2010年前後にはネット上でも屈指のヒット数を誇るブログとなっていました。
実は昔はたとえ2chまとめという形をとろうとも、必ずしもゲームの情報がそこから流れるということに対しては否定的ではありませんでした。というのは、今までのゲームメディアの長い歴史の中で、個人のサイトが出すゲーム情報が大きく注目されるということは、ほとんどなかったからです。

ゲームを扱うメディアの情報源はもちろんゲームですが、その速報性を求めるのであればどうしてもメーカーのリリースする情報に頼らざるを得ません。また、ゲーム雑誌などに関して言えば、その大きな広告主はやはりゲームメーカーです。よってファミコンの時代からほぼ今まで、ゲーム系メディアはゲームメーカーの意向を完全には無視出来ない体制となってしまったと言えます(もちろん全面的に従属していたわけではないですが)。例外的に『ゲーム批評』、今なら『ゲームサイド』『ゲームラボ』などもありますが、これもゲームメディアとしては異端なほうになっちゃいますしね。

 

そんな状況で、個人(と当時は思っていた)ブログが大きくなって、リリースされる情報に大部分を依存しない自由なゲーム情報が出てくるメディアというのは期待もありました。しかし、残念ながらそうはなりませんでした。というのは、その情報がゲームの本質、例えばおもしろさを出すものや、ゲーム業界にプラスになるものよりも、ゲームの悪いところ(しかもおもしろさと関係ないところ)をあげつらったり、ゴシップ的なところを出したりすることのほうが多くなってしまったからです。たしかにそういったゴシップ的なもののほうが耳目を引きますが、そういうところでゲームを判断するサイトが注目を集めるのはなんだかなあと思っておりました。

 

それでもネットの表現は最大限自由であるべきだと思っているので、まあこれを主軸にしてはいけないけど、多様性の一部として他にまともなところがいくつも発展すればいいと思っていました。しかし残念ながら看過出来ないものが発生しました。それが「デマ」。すなわちありもしないことを衝撃的に伝えたり、あるけど非常に紛らわしい、誤認しやすい状況で載せたりすること。アクセス数のためかこれが多発してきた時点で、かつて期待していたネットにおける個人ゲームメディアに危機を覚えました。

ついでにここでそれらのサイトがアルファブロガーアワードを受賞して、アルファーブロガーという言葉の信頼が自分の中で失われたりしました。
で、まあ紆余曲折あり今いろいろな状況になっています。以下を参考に。

2012年、2ちゃんねると2ちゃんねるまとめサイトの間で何が起こっていたのか(前編) | 空気を読まない中杜カズサ

2012年、2ちゃんねると2ちゃんねるまとめサイトの間で何が起こっていたのか(後編) | 空気を読まない中杜カズサ

私見では、残念ながらそういったゲーム系2chまとめブログは、個人レベル(これは複数運営でもいいけど、必ずしもゲーム会社の情報リリースに依存しない、という意味で)でのゲームメディアの構築を、大きく衰退させてしまったと考えています。おそらくこの信用を取り戻して、個人レベルでのゲームメディアが多数生まれる状況が出来るのは、少し時間がかかるかもしれません。

 

よって今、たぶんネットにおけるゲームメディア、とりわけ個人運営レベルのものというのは、良くも悪くもかつて私がこのブログを始めた戻ろうとしているのかもしれません。ただ、それでいいと思います。そこから多くの人が、耳目を集めるゴシップなどではなく、本当のゲームのおもしろさを、その人の視点で語るようなブログなりサイトがたくさん生まれてくるとすれば。別にそれはニュース発信に限りません。感想サイトでもいいし、ゲーム論でもいいし、思いつく限りいろいろあると思います。そのようなものが改めて、ゲームを実際に楽しむ上で有益な物として広まってゆけばよいなと思います。

私もゲーム、およびゲーム音楽において、そのような楽しさ、おもしろさ、心地よさの本質を誰かに伝えられる何万分の一かの存在になれれば嬉しいかなと。

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