※この文章は2009年3月3日に書いたものを、2014年加筆修正しました。
近年のシューティング、とりわけ縦シューの弾は弾幕、つまり画面いっぱいに弾を出すのが主流です。東方Project作品やCAVE作品が特徴的ですね。しかしかつてのシューティングではそれは出来ませんでした。
理由は簡単で、今のように画面いっぱいに弾を出したら、処理落ち(ひいてはゲーム進行不可)をしてしまうから(1990年代中盤の、徹底的な弾幕で当時のプレイヤーを驚かせた『怒首領蜂』の火蜂でもかなり処理落ちします)。つまり、弾幕シューティングはそれまでの貧弱なマシンスペックではしたくても出来なかったわけです。故に余分な弾を出さず、画面には限られた弾しか出せなかったと。まあ、その処理落ちを逆に攻略にとりいれているものもかつて存在しましたが(『グラディウス』シリーズの2週目テクニックなど)。
でも、弾の数は現代の方が多いのに、シューティングは昔の方が難しいと思う人の方がおそらくは多いでしょう。もちろんそれは当たり判定が現代ではかなり小さいものが主流なのに比べ、昔はやや大きめだったというのもあります。しかしそれ以外にも要素はあるのですね。それが「弾の動き」。つまり、敵から出される弾の動きもちゃんといろいろと考えられていたのです。
今日はちょっと、それを紹介してみたいと思います。とはいえ、全パターンを紹介するととんでもないことになるので、ものすごく大ざっぱに。まあ超シューターの方にはツッコミどころ満載かもしれませんが、昔を知らない人向きということで細かい点はご容赦ください。
自機のいる方向に弾が向かってくる弾
キャラのいる方向に敵が出してくるもの。ある意味古代から今までで一番一般的なものだと思われます。
で、大量のこれを避けるために「切り返し」をすることが求められたという感じ。
バラマキ弾
弾を自分のいる方向に無数にばらまいてきて、自機はこれの間を縫って避けると。
ちなみに図では1機ですが、ステージ途中の場合複数ザコがこうしてくる場合もあります。
これを避けるためのテクニックが、「散らし」、つまりバラマキの範囲を広くして、その分時期のすりぬける広さを大きくするテクニックですね。
ただ、前述のように弾が画面を埋め尽くすと、昔のゲームスペックでは「処理落ち」が生じてしまうため、常時そんな大量に出すことは出来ず、限られた場面でのみのものだったと思われます。そのかわりに前項のように、バラマキに見えても実は時期を確実に狙ってくるものが含まれていたりしたのではないかと。
しかしスペックの上昇と共に発展して、東方のような弾幕型になったと言えます。
一定方向弾
主にボス戦闘時。
これはバラマキともちょっと違って、文字通り、自分の位置に関係なく、弾がある決まった方向に流れてゆくもの。この場合多くはひとつひとつを気合いでは避けられなかったりするので(ほとんどビームと同じと考えたほうがよい)、自機はある位置(安全地帯)にポイントを取る必要があります。
ほかにも、その方向に動くことを規制する、もしくはその方向に動いてくるのを待ち伏せして殺しにかかってくるというのもあるかと。今ならば『バトルガレッガ』のブラックハートにおけるワインダーのように、キャラを一定の位置に足止めする目的もあるでしょう。
誘導弾(ビーム)
これも主にボス戦時。
文字通り自機を追ってくるビームなど。だいたい曲線状に動いてきます(XY軸に座標をとって、そこから直線でつっこんでくるものもあり)。この誘導の制度はいろいろあり、一度避けたら終わりの場合もあれば、『レイフォース』のラスボスのように、10秒くらいしつこく追ってくるものもあります。
たいだいは円の動きをして誘導で避けますね。
だいたいこんなところが基本だと思われます。
打ち返し弾
で、ここからが上級者クラス。
ザコ敵を倒したと同時に、その敵から弾がこちらに向かってくるもの。つまり倒せば倒すほど弾が溢れるという難度が高い面での仕様です。とはいえ倒さなければさらに弾を発射してくるので、倒す位置を考えて避けなければいけないということになります。横シューに多いような。
※13分目以降くらいより打ち返しが発生するくらいレベル上昇。
時間差打ち返し弾
打ち返し弾の発展系。つまり倒したら弾が出てくるのは同じですが、その弾が一定時間をおいてその倒した位置から登場するという。つまりそれを読まないととんでもないところからいきなり弾が来て死亡という高難易度仕様。
これは弾の誘導が難しくなり、前述の切り返しやチラシが困難になるというのも、難易度を上げている原因となっています。
コナミの横シュー2週目で使われることが多いです。
行動予測弾(先読み弾)
さっき切り返しや散らしといったテクニックを書きましたが、それを含めて自機のゆく方向に弾を予測して発射してくるといういやらしい攻撃。つまり上の二つなどの技が封じられてさらに見越した避けが必要となるので、難易度が鬼となります。『ガンフロンティア』あたりで使われていましたね。
■参考:あたっく系
まとめ
まだまだ細かいところを含めればありそうですが、基本はこんなところで。これに速度なり弾の大きさなり独自の動き方を加えると、非常に多数の種類が出来上がります。
つまり、シューティングというのは打って倒して避けるという単純なルールではあるものの、それ故にそのひとつひとつの要素が徹底して作られているわけですね。で、このように弾の動きひとつとっても、多くの種類があると。
シューティングの歴史は、ボタンを押して弾を撃ち、避けるという単純なルールの上でひとつひとつを突きつめていったものだと思えるわけです。