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昔のゲーセンにあった特殊な操作系のビデオゲーム

 このところ1980~90年代のゲーセン的な話題が続いていますが、調子に乗ってもうひとつ。
 さて、ゲーセンでは大型筐体のゲームとビデオゲームがあり、大型筐体のゲームでは特殊な操作系のものが非常に多くあります。それこそレースのハンドルからナイストやスペースハリアーのようなレバー型、音ゲーのようなボタン複数型、はてはストリートファイター(初代)のような感圧型などなど。最近のタッチパネル型もそうですね。
 さて、それに対してテーブル筐体やエアロシティなどのミディタイプ筐体(アップライト筐体というと、立ちながらやるのと混同しやすいのでこっちを使います)は、左レバーの右ボタン(1~6)というのがほとんど、あっても麻雀コンパネくらいだと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかしこのタイプの筐体にも、一昔前は非常に多用な操作系があったのです。若い人は知らなさそうなそれについて、ちょっと触れてゆきましょう。
★レバー1つだけ型
 実はボタンなし、レバーだけというゲームも存在していました。代表的なのは『パックマン』(ナムコ)、『フロッガー』(コナミ)。でも、さすがにこれは表現の幅が狭かったのか、あまりないようです。あと、さすがにこれらのゲームはリアルタイムではやっていません。
★ツインレバー型
 何もバーチャロンではありません。これは文字通り左レバーだけではなく、右側にも同じレバーが着いていた筐体です。これが使われたので有名なのはあの『リブルラブル』(ナムコ)と『クレイジークライマー』(ニチブツ)。前者のバシシ、後者のガチャガチャに魅了された人は数知れず。ちなみにファミコンにクレイジークライマーが移植された時は、プラスチック製のおまけがついていたような。
 ちなみに上のから数年経って、『空手道』(データイースト)に採用されました。その続編の『対戦空手道』は、ある意味2D格ゲーの元祖。「わあ牛だ!」
★ボタンのみ型
 今でも大型筐体ではボタンだけってのがありますが、選択式のそれとはちょっと違い、この二つのボタンだけで複雑な操作をするというゲームがあったのです。それはコナミの『ハイパーオリンピック』シリーズ。たとえば100メートル走では連打することでスピードを出したり、走り幅跳びは連打のあとタイミングよくもうひとつのボタンを押すことで角度を調整したりする感じ。
 さて、このタイプの筐体にほぼもれなくついてきたものがあります。それは「コスリ跡」。つまり連打をするために10円玉などを使ってコスる人が増えたのですよね。しかしそれは当然コンパネを痛め、跡が残りました。ひどい時にはボタンが摩擦熱で溶けたり。
 そしてもうひとつ、『パックランド』があります。これのアーケード版にはレバーなく、右移動ボタン、左移動ボタンで進行していたのですよ(これにジャンプボタンを加えた3つで操作)。しかしこれ、慣れるまでが難しかった……
★パドル型
 ツマミになっていて、それを回すことで操作するタイプ。『アルカノイド』で使うのといえばわかりやすいですね。ただこれはこの手のブロック崩しタイプでは今でも使われているし(DSの『アルカノイドリターンズ』でもこのタイプのコントローラが同梱されていましたし)、アーケードでも『プチカラット』など最近までありましたから、おなじみの方も多いでしょう。
★トラックボール型
 知らない人に説明をするのは難しいのですが……要は光学ではない昔のマウスにはトラックボールってのが入っていて、それを回すことで感知していましたよね。それと同じで、操作コンパネの真ん中にそれのでっかいのがあって、回すことで操作をするというゲームがありました。代表的なものは『ミサイルコマンド』(アタリ)、『サイバリオン』(タイトー)。
 楽しいのですが、回しすぎて手のひらが痛くなるという欠点がありましたね。あと、このトラックボールに汚れが溜まりやすいのですよ……
★ループレバー
 別名『怒』(SNK)コントローラ。これはレバーが特殊で8方向の操作の他にそれをぐりぐりと回すことで、キャラが向き、弾を撃つ方向を操作できたのですね。しかしこれにより、横に移動したまま正面に弾を打つということができて、戦略の幅が広がりました。
★リボルブスイッチ
 『フロントライン』(タイトー)をファミコンソフトで知っている人も、これがアーケードで特殊な操作系だったことを知っている人は少ないかも。実はこれ、レバーと手榴弾ボタンのほかに「リボルブスイッチ」という押し込み可能なダイアル式ボタンがあり、これを回して向きを調整、そして押し込むことで銃を発射という凝ったものだったのですよ。ただ、前述の通りファミコンではレバーと2ボタンになってしまったために、その特徴がなくなってしまったと。つか、私もこれは1度しか見たことないけど、現役稼働しているところはあるのかなあ……
 しかし、『怒』のループレバーといい、戦闘型アクションゲームってのは、こういった特殊操作に向いていたのかも。
 今ではコンシューマ移植の問題などもありすっかり標準化されてしまったビデオゲームの操作系ですが、こういったとがったものの面白さはあったのですよね。ゲーム画面の中だけではなく、こういった操作系もアーケードゲームの歴史のひとつだと思えます。

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