私が子どもの頃です。アーケードゲームの雄だったナムコはファミコンにも参入し、そこでかつてのアーケード作品の高度な移植、そしてオリジナルゲームを数々生み出し、任天堂と並ぶほどの人気を得ていました。
しかしその時代、ナムコはゲームに限らず、かといってちょっと先のようなアミューズメントパークでもない(そういえば昔はサンシャインだけでなくて二子玉川にもあったなあ)、別のものを展開していました。それがゲーム以外の一般おもちゃ&非電源ゲーム。
有名なものでは、源平討魔伝やドルアーガの塔、パックランドのボードゲーム化、あと、線を引くとしゃべる(ボイスが再生される)『龍馬くん』などが発売されました。
しかし、その中でも一番代表的なのは「ワギャン」でしょう。
「ワギャン」とは、2頭身の怪獣型キャラ。これは、後にファミコンなどで『ワギャンランド』というゲームが出たのでご存じの方も多いでしょうが、そのゲームに出てくるキャラ、「ワギャン」は先行しておもちゃとして発売されていたのですね。当時、フラワーロックなどボイスを認識して動作するおもちゃというのが出始めていましたが、それのひとつで、音に関知して「ウルセーナ」などと、しゃべるものだったのですね。大きさはだいたい10cm未満、箱を含めての(柵みたいなものに入っていた)20cm程度のものでした。ただ、かわいらしいキャラなのでこのおもちゃのあとも前述のように『ワギャンランド』などとゲームのキャラになったり、業務用エレメカとして活躍し、初期~中期ナムコの看板キャラクターのひとつでした。余談ですが、私はこれのシリーズで、10病くらい声を録音できる(今のボイスメモ)「ワギャナイザー」を持っていました。
しかし、このゲーム以外のおもちゃ路線はPS以降はほとんどなくなってしまいました。あるとしてトレカくらいでしょうか(それも他社発売)。
でも、よく考えてみると現在のナムコ、すなわちバンダイナムコゲームスって、一応そういったおもちゃ部門もあるということですよね。バンダイなのですから。ということは、そのような旧ナムコのキャラを使った非ゲーム路線が復活するという可能性があるのではないでしょうか。いや、むしろしてほしいですね。まあ、採算をとれなさそうに見えますが、『たまごっち』が近年のリバイバルで流行ったように、どこに金の卵が埋まっているかなんてわからないものですしね。
というよりは年寄りゲーマーの郷愁かもしれませんが。、あのころのゲーム業界(「ゲーム業界」って概念も薄かったころ)って、迷走しつつも夢にあふれていたと思うのですよ。ですので、こういったものを今も感じたいなあと思うわけですね。
でも、「ワギャン」はキャラとしても、そしておもちゃとしても今でも十分ありのような気がしますよ。低価格で作ってくれないかなあ……。